2024.08.07

大型機械や精密機器の拠点──専門性の高い事業部〈大阪DLセンター紹介2〉 大阪DLセンターは、さまざまな部門で広い地域の顧客に対応し、レンサルティングを推進している。今回は、多種多様な機械を扱う専門性の高い事業部を紹介する。

大型機械や精密機器の拠点──専門性の高い事業部〈大阪DLセンター紹介2〉

エンジニアリング事業部 関西営業所
同事業部の全機械を扱い、関西と福井をカバー

アクティオが提唱するレンサルティングを推進するための中核部門がエンジニアリング事業部だ。同事業部は全国に事業所を展開しており、大阪DLセンターには関西営業所が置かれている。そこで宮内朝也所長にエンジニアリング事業部の概要、営業所の役割などを聞いた。


宮内「エンジニアリング事業部は、インフラ、環境、建築機材、通信計測に関するシステムや機械などを扱っており、地下鉄や上下水道、トンネル、ダム、橋梁などの工事において、工法プランニングや機種選定、商品開発、設計製作などを行っています。事業所としては土木部や環境部、建築部、通信計測部、パワーシステム部、工事部、技術部などに加え、営業部や営業所、工場、センターなどを全国に展開しています。その中で営業所は、エンジニアリング事業部の全商品を取り扱っており、その手配、問い合わせ対応がメインの仕事です」


エンジニアリング事業部 関西営業所の宮内朝也所長エンジニアリング事業部 関西営業所の宮内朝也所長


関西営業所は、関西の2府4県に加えて、福井も守備範囲としている。


宮内「大きな機械は佐野テクノパーク統括工場、三重いなべテクノパーク統括工場、関西テクノパーク統括工場などに置いていますが、アルミの仮設足場は大阪DLセンターに完成品をストックしています。整備は藤井寺市にあるEG関西機材センターで行っています」


屋外ヤードにストックされているアルミの仮設足場屋外ヤードにストックされているアルミの仮設足場


各支店にも営業所があるが、どのようにすみ分けているのだろうか?


宮内「営業の最前線は、支店の営業所の方々です。我々は、支店の営業所から注文を受け、それに対して商品を手配したり、見積もりの支援を行います。専門知識が必要な特殊な機械に関しては、我々の営業所が主導して扱うこともあります」


エンジニアリング事業部 関西営業所の営業担当、出島衛主事は最近、ある現場でまさに「レンサルティング」と言える事例を体験したという。


出島「大阪DLセンターに入っている大阪南港営業所から、この近くの現場でお客様が困っているので協力してほしいという連絡を受け、参画しました。ダンプトラックに積んである土砂の重量を計量する際、AIカメラでダンプトラックの車番とドライバーを撮影して、重量、車番、ドライバーをひもづけて自動的にマニフェストを生成するシステムを構築して納品しました。ダンプトラックの数は1日に数千台......。その数のマニフェストを人の手で作成するのに比べ、飛躍的に効率化できました」


エンジニアリング事業部 関西営業所 営業担当の出島衛主事エンジニアリング事業部 関西営業所 営業担当の出島衛主事


そのシステムはゼロから構築したのだろうか?


出島「エンジニアリング事業部でトラックスケールという車両重量計を持っていたので、それに自動でマニフェストを生成するシステムを開発してドッキングしました」


出島衛主事


宮内朝也所長と出島衛主事




エンジニアリング事業部 通信計測部 西日本通信計測課
西日本に供給する通信計測機を運用

大阪DLセンターの開設と同時に誕生したのが、エンジニアリング事業部 通信計測部 西日本通信計測課だ。まずは通信計測部の概要を木川貴仁副部長に聞いた。


木川「通信計測部はその名の通り、通信、計測の機器を扱うセクションです。通信で言えば無線機が代表です。計測は重量、騒音、振動、水質、ガス濃度などを測る機器。あとは測量機器です」


エンジニアリング事業部 通信計測部 西日本通信計測課の木川貴仁副部長エンジニアリング事業部 通信計測部 西日本通信計測課の木川貴仁副部長


西日本通信計測課は、名古屋以西の全てが担当エリアだ。


木川「西日本通信計測課ができる前は東日本で全国をカバーしていました。東と西に分かれたことで、今までは東京から送って中1、2日かかっていたエリアが、大阪からだと翌日、遅くても翌々日の午前中には届けられるようになったので、お客様をお待たせしないで済みます。加えて、大阪DLセンターに直接、商品を受け取りに来るお客様もいらっしゃるので、利便性が非常に高まったと思います」


計測機器のストック、物流、整備、清掃など、大阪DLセンター内で担っているのはどの部分だろうか。エンジニアリング事業部 通信計測部 西日本通信計測課 フロント*1担当の吉田裕子専任課長に聞いた。


*1 フロント:お客様のご注文に対する最適な商品選定や効率的な運送管理、機械運用を主とする営業拠点の窓口。


吉田「西日本通信計測課ができて約3年。ようやく東日本並みの完成品をストックできるようになりました。ラインナップは、東にはサイネージやIP通信機といった専門性が高い機器が集まっており、西はより汎用性が高い機器が多い傾向ですね。整備・清掃も大阪DLセンター内で行い、ここに入っているグループ会社の株式会社リンクと協力しながらやっています」


エンジニアリング事業部 通信計測部 西日本通信計測課 フロント担当の吉田裕子専任課長エンジニアリング事業部 通信計測部 西日本通信計測課 フロント担当の吉田裕子専任課長


入出庫は月にどのくらいあるのだろうか?


吉田「2,700台くらいですね」


木川「昨年から2,000台を超えるようになりました。完成品を2,000台生産して、2,000台出庫するというサイクルです。それまでは東のサポートを受けていました」


通信計測機器は、季節などによるレンタルの傾向もあるようだ。


吉田「春はAEDのような安全に関わる機器が多く出ます。冬はコンクリートを固める際にひび割れがないか判断するため、専用の温度計の需要が高まります。これからの季節は熱中症の関連機器が飛ぶように出ます」


吉田裕子専任課長


また、計測機器は性能の進化スピードが速いため、機器を取りそろえるタイミングが難しいという。


木川「クラウドにデータを上げられたり、アプリが進化したりしますので、最新版を購入しても半年ぐらいで型落ちになることもあります。あとはお客様の好みもありますから、そのあたりも見極めながら購入機器を選定しています」


木川貴仁副部長




産業機械事業部 関西営業課
工場修繕時に使用する機械を主に運用

産業機械事業部が扱う機械とはどんなものか。事業部の概要を含め、産業機械事業部 関西営業課の納富(のうどみ)悠平課長に聞いた。


産業機械事業部 関西営業課の納富悠平課長産業機械事業部 関西営業課の納富悠平課長


納富「大型のフォークリフト、バッテリー式のカニクレーン、オフィスカー、食品積載用に開発されたステンレス製の折りたたみ式コンテナ"ロジコン"、それから林業もテリトリーなのでラジコン草刈機といった機械の取り扱いもあります。特殊な機械が多いので、種類としては数10種類ではないでしょうか。このような機械は営業所単位では効率よく運用できませんが、広域であれば十分に生かせます」


関西営業課は、どこまでが営業エリアなのだろうか?


納富「西日本支社のエリアである、関西、中国、四国ですが、営業所とお客様の橋渡しが主な仕事なので、現場という意味では全国です」


案件としては、産業機械事業部という名称からも分かる通り、工場・プラント関係が多いという。


納富「例えば、春先ですと工場の定期修繕が増えるので、そういった案件の営業所サポートを行っています。出る機械としては、溶接機、高所作業車、仮設ハウス、レンタカーなどさまざまです」


産業機械事業部 関西営業課 営業担当の島田裕太は2021年入社の3年目。営業エリアが広いため、苦労もあるようだ。


島田「支店の営業所ならば出せる機械の有無が分かりやすいですし、なければ手配すればよいのですが、私たちの営業エリアは広域であるため、都度都度、担当となる営業所に在庫を確認する必要があるのが、なかなか大変です」


産業機械事業部 関西営業課 営業担当の島田裕太産業機械事業部 関西営業課 営業担当の島田裕太


そんな中でも、やりがいを感じる瞬間があるという。


島田「中国地方に関西営業課としては何年も取引がなかった会社があったのですが、営業して取引いただけた時はうれしかったですね。さらに継続して受注できたので、担当の営業所に貢献できてホッとしました」


大阪DLセンターには安全教育をVRで体験できる施設もあり、お客様が来社時に体験していただくこともあるそうだ大阪DLセンターには安全教育をVRで体験できる施設もあり、お客様が来社時に体験していただくこともあるそうだ


一般的な土木・建築と違い、取引先が工場・プラントとなると、難しい面があるのだろうか?


納富「工場独自のルールが多いので、なかなか慣れず、営業は後回しになってしまうケースが多々あります。そこは産業機械事業部の営業部隊でサポートしていきたいです」


最後に、今後の抱負を聞いた。


納富「単独での営業には限界があるため、ほかの事業部、グループ会社とも連携を図りながら、より多くの案件獲得、ひいては営業所のサポートに注力したいと思います」


納富悠平課長と島田裕太




解体事業部 解体関西営業所
建物を解体する機械を運用

アクティオの中で比較的新しい部署が解体事業部だ。まずは解体事業部の概要を解体関西営業所の営業担当、延(のぶ)聖也に聞いた。


「名前の通り、建物を解体する際に使用する機械を扱うのが解体事業部です。主にブームの長いバックホー、油圧ブレーカーや油圧圧砕機といった解体用アタッチメント、解体時に埃(ほこり)を抑える散水機がメイン機械です」


解体事業部 解体関西営業所の営業担当、延聖也解体事業部 解体関西営業所の営業担当、延聖也


営業エリアは2府4県なのだろうか?


「我々のお客様である解体業者さんは大阪、京都、兵庫、滋賀といった関西圏が多いのですが、要望があれば東は石川、西は中国地方にも出向きます」


完成品のストックや整備は、どこで行っているのだろうか。解体事業部 解体関西営業所 フロント担当の大田和輝主事に聞いた。


大田「大阪DLセンターに解体事業部の機械はなく、完成品のストックや整備は和泉市にある解体大阪センターで行っています。ここは営業の前線基地で、機械に関しては運用管理のみを行っています」


解体事業部 解体関西営業所 フロント担当の大田和輝主事解体事業部 解体関西営業所 フロント担当の大田和輝主事


フロントと業務*2が同じ場所にいないことで、不便に感じる点はないのだろうか?


*2 業務:機械の整備・修理や安全管理等を行う職種。


大田「自分が所属している解体事業部の機械は現物を見なくても分かるので、不便はないですね。むしろ解体事業部以外の機械も一緒に手配することがあるので、ほかの事業部と距離が近いのがメリットです。例えば、エンジニアリング事業部の機械は不慣れなので、『この機械にこれは付属されている?』、『これは販売商品?』といったことをすぐ聞けるので助かっています」


「私は、ほかの事業部と一緒にいるというメリットをもっと生かしたいと感じています。例えば、産業機械事業部と一緒にプラント現場に行く、エンジニアリング事業部と汚染された現場に行くといった感じです。解体関西営業所の営業担当は私一人しかいないので、同行営業することでより幅を広げていきたいと考えています」


大阪DLセンターには、お客様が来店することもあるようだ。


大田「解体業に従事されるお客様は自社で解体機械を保有していることが多いのですが、例えば、発電機は持っていないので、借りたいというお客様が、大阪DLセンターに来店される事例は多くあります。解体事業部が保有している機械は、解体業者さんが複数の現場を抱えていて自社機械では足りないのでレンタルしたい、解体が主ではない業者さんが解体することになり機械が必要といった際に、ご利用いただくケースがほとんどです」


納富悠平課長と島田裕太


今後の目標については、次のように話す。


大田「関西は大きな商圏なので、解体関西営業所も今後は人員を増やし、できるだけ早く基幹店といわれるような立ち位置に押し上げたいと考えています」


「今は商品知識をもっと身に付け、スピーディーな対応を武器にしていくことが目標です」


延聖也




小型機械大阪DLセンター
主に小型揚重機やベルトコンベアなどを運用

大阪DLセンターでは、関西地区の各支店の機械だけではなく、専門性を高め広域に活動する「事業部」の機械も運用している。そのうちのひとつである小型機械事業部では、どのような機械を扱っているのだろうか? 小型機械大阪DLセンターの福山智久センター長に話を聞いた。


福山「小型機械事業部では、チェーンブロックやレバーブロック、ベビーホイストといった、現場で吊り上げ作業を行う際に使用する比較的小型の揚重機を扱っています。一部、10t、20tといった大型の揚重機もあります。揚重機は安全に関わる重要な機械のため、きちんと品質が担保された機械を各拠点に供給する体制を整えています。揚重機以外には、台車類、ベルトコンベア、水タンクなどがあり、水タンクは小さいものから20m³クラスの大きなものまで扱っています」


小型機械大阪DLセンターの福山智久センター長小型機械大阪DLセンターの福山智久センター長


福山智久センター長福山智久センター長


エリアとしては、関西の2府4県をカバーしている。


福山「全26営業所に供給しています。ここの1階にあるコントロールセンターに各担当者がおり、営業所からの注文を受ける受付担当、あとは入出庫を行う業務、フロントが対応しています」


アクティオにおけるフロント職とは、営業と業務の間に入り、機械を手配する役割である。フロント担当の水野真也にも話を聞いた。


水野「機械の整備は高石工場(大阪)で行っていますが、整備担当とは同じ事業部の仲間なので、たとえ離れていても風通しが悪いと感じたことはありません。むしろほかの事業部と距離が近いことで横の連携がスムーズになり、メリットが大きいように思えます」


小型機械大阪DLセンター フロント担当の水野真也小型機械大阪DLセンター フロント担当の水野真也


大阪DLセンターには、小型機械事業部のほかに10弱の事業部やグループ会社がデスクを置いているため、それらと連携することでアクティオとしての総合力を発揮できるのだ。


普段、フロントの水野はどのような作業を担当しているのだろうか?


水野「大阪DLセンターに機械が返却、つまり機械が入庫された場合は、他部署の機械も含めて、全て1階で支店の業務担当が仕分けを行い、小型機械事業部の機械は基本的に2階の点検・仕分けスペースに上げてもらいます。私は2階で検品をして、機械の状態に応じ、高石工場や千葉県野田市にある小型機械のセンターに送る手配をします。小型機械事業部は、社内の他部署への機械の説明なども行っています」


検品を行う水野真也


ここには、週に100~150くらいの機械が出入りしており、自動ラック倉庫と屋外ヤードには6,000~7,000くらいの完成品をストックしている。


小型機械大阪DLセンターとしての課題や目標を聞いてみた。


福山「大阪DLセンターができたことによって、生産部門(工場)と出庫部門(大阪DLセンター)の役割分担が明確になったと思います。今後はアイテム数が増える予定なので、それをいかにスピーディーに、ミスなく出庫していくかが課題ですね」


揚重機の検品。現場の安全に関わる大事な作業だ揚重機の検品。現場の安全に関わる大事な作業だ




大阪道路センター
保安用品の運用と整備を担当

大阪道路センターは道路機械事業部の1セクションで、大阪DLセンター開設と同時に新設された。どのような機械を扱い、どのような役割を担っているのか。大阪道路センターの三瓶武啓センター長に聞いた。


三瓶「道路機械事業部が扱う機械は、ICT、道路機械、保安用品が3本柱ですが、ここでは保安用品を専門に扱っています。例えばカラーコーン、コーンバー、ガードフェンス、工事看板、反射矢印板、信号機、電光表示機などですね。アイテム数として100種類くらい、管理している機械の数としては8,000~10,000くらいになると思います」


大阪道路センターの三瓶武啓センター長大阪道路センターの三瓶武啓センター長


大阪道路センターでは、道路工事の際によく目にする保安用品を扱っている大阪道路センターでは、道路工事の際によく目にする保安用品を扱っている


そういった保安用品を、どのエリアに供給しているのだろうか?


三瓶「関西圏の2府4県と四国、中国地方の岡山、鳥取辺りまでのエリアに供給しています。大阪道路センターは完成品のストック、入出庫だけではなく、整備も行っているのが特徴です」


保安用品は重機のように動く機械ではないため、あまり壊れないイメージだが、実際はどうなのだろうか? 業務を担当している石森駿介に聞いた。


石森「壊れますね。忙しい現場では、積み降ろしの際どうしてもポンポン投げられてしまうので、破損することが多いです。道路に置かれるため車両に当たったり、いたずらで割られているケースもあると思います。整備は2階の検品・仕分けスペースと、屋外ヤードで行っており、私は入出庫作業を担当しています」


大阪道路センター 業務担当の石森駿介大阪道路センター 業務担当の石森駿介


大阪道路センターが大阪DLセンターに居を構えているメリットについて、三瓶センター長は次のように話す。


三瓶「保安用品はメイン商材になりにくく、ついでに出るみたいな立ち位置の商品なんです。だから、営業の立場から見るとどうしても知識が蓄積しません。大阪DLセンターには多くの事業部がオフィスを構えており、担当営業が保安用品で分からないことがあれば、うちの石森に聞いてもらえれば何でも解決できます。彼は引き出しが豊富ですからね。あとはアクティオ内での横の連携はもちろんのこと、グループ会社のさまざまな情報も入ってくるので、例えば事前に在庫数の調整を行うといった戦略も立てられるのが良いですね」


三瓶武啓センター長


作業を行う上では、保安用品の通電の確認を欠かさないという。


石森「最近の保安用品は、ソーラーで充電するタイプがメインになりました。屋内の自動ラック倉庫で保管している用品も多いのですが、ラック内は暗いので充電されません。そのため出庫の際は必ず屋外に出して通電を確認しています。すぐに使えないとクレームにつながりますからね」


石森駿介



最終回となる次回は、大阪DLセンターにオフィスを構え、建機のレンタルや修理、運送のサポートなどを行うグループ会社を紹介する。


※記事の情報は2024年8月7日時点のものです。



〈大阪DLセンター紹介3〉へ続く



〈ご参考までに...〉

大阪DLセンター(アクティオ公式サイト)

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通信計測機器(アクティオ公式サイト)

Safety Training System VR of AKTIO(高速道路安全教育編)(アクティオ公式サイト)

掘削・運搬・解体・林業(アクティオ公式サイト)

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荷役・揚重機械(アクティオ公式サイト)

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