テクノパーク・DLセンター
2024.08.05
西日本エリアの物流を担う重要拠点〈大阪DLセンター紹介1〉 デリバリー(Delivery)施設として、またレンサルティングと研究開発(Laboratory)の最新拠点として、全国に点在する大型の整備・物流工場であるテクノパークと並び、アクティオの重要拠点に位置付けられているのがDLセンターだ。東西にあるDLセンターのうち、2021年9月から運用を開始した大阪DLセンターについて、3回にわたって紹介したい。
最新設備を完備する大阪DLセンター
注目が高まる「夢洲」に隣接
アクティオの大阪DLセンターは、大阪ベイエリアの一角、南港にある。南港ポートタウン線のトレードセンター前駅に至近で、隣は大阪と九州を結ぶフェリーのターミナル。阪神高速の南港北ICからは数分だ。大阪・関西万博の会場、さらには大阪IR構想の舞台となる「夢洲(ゆめしま)」は、水路を挟んだ目と鼻の先にあり、トンネル1本で結ばれている。
敷地面積は17,148.09m²(5,187.29坪)。サッカーコート約2.4個分の広さだ。スペースを最大限に活用するため、構内は一筆書きの動線となっており、トラックがスピーディーに積み降ろしできるよう設計されている。
大阪DLセンターは、公益財団法人日本デザイン振興会が主催する2022年度グッドデザイン賞を受賞しただけあって、デザインもスタイリッシュだ。伸びやかな水平デザインの建物は南港の風景と呼応し合い、物流拠点らしいスピード感を醸し出している。
3階建ての建屋のうち、1・2階が物流エリア。1階は入出庫スペースが大半を占め、物流の司令塔、コントロールセンターが設けられている。2階は点検・仕分けスペース。3階はオフィスエリアと通信、IoT、ラボのスペースだ。なお、1~3階を貫く形で自動ラック倉庫が設置されている。
関西圏の物流拠点
一般汎用機の運用を担当
大阪DLセンターは関西地方を中心とした西日本エリアの物流を担っているが、具体的にはどのような機械をコントロールしているのだろうか? まずは山本周平センター長に話を聞いた。
山本「1階にあるコントロールセンターでは、大阪支店、神戸支店、京滋支店、和歌山奈良支店で扱う機械の運用を行っています。各支店の営業所がお客様から注文を受けると、営業所にある機械は営業所から、営業所にない機械は大阪DLセンターから営業所に配送します」
大阪DLセンターでは、中型発電機、水中ポンプ、小物全般といった一般汎用機をストックしている。入出庫数は月に3万台ほど。以前は繁忙期、閑散期があったが、今は時期にかかわらず忙しいという。
山本「大阪DLセンターは自動ラック倉庫を設置しており、コントロールセンターでパソコンを操作すると、そのデータが倉庫に飛んで必要な機械が自動で出てくるため、まず間違うことはありません。ただし扱う機械の種類がさまざまで、小さな機械も多いため、2人1組でダブルチェックを行い、確実に機械を営業所に届けられるよう配慮しています」
2023年に入社し、大阪DLセンターに配属されて2年目のフレッシャーが、業務*1の金子佳弘だ。
*1 業務:機械の整備・修理や安全管理等を行う職種。
金子「私は屋外ヤードで、例えば、門型クレーンを使う中型発電機など、自動ラック倉庫に入らない機械の入出庫を担当しています。大阪・関西万博で使用する機械をストックしておくヤードが夢洲にあり、そちらでの業務も行っています。そのヤードに機械が溢れそうになったときに、レイアウトを根本的に変更して乗り切る、ということもありました」
山本「アクティオの"業務"という職種は"整備"を指すのですが、大阪DLセンターの業務は整備を行わないため、工場との相互の人事異動を行うなどして、各スタッフの技術レベルが向上するよう努めていきたいと考えています」
西日本支社 営業部
川上営業で営業所をサポート
アクティオの代表的な職種として、営業、事務、業務、フロント*2が挙げられる。営業職は営業所だけではなく、支店、支社にも存在するが、役割の違いとは何なのか。西日本支社 営業部の小櫻勝彦営業部長と西村勇一郎営業専任部長に話を聞いた。
*2 フロント:お客様のご注文に対する最適な商品選定や効率的な運送管理、機械運用を主とする営業拠点の窓口。
小櫻「西日本支社の営業部は、主に大型プロジェクトの川上営業をメインとしています。もちろん現場も回りますが、ゼネコン、サブコンの支店長、建築部長、土木部長、機械部長、資材部長といったラインの長の方とお会いして、計画段階から参画して案件をサポートします。獲得後はタイミングを見ながら、各支店の営業所にスムーズに引き継ぎます」
西日本支社の営業部が、大阪DLセンターに拠点を置くメリットについては、次のように話す。
小櫻「ここには各事業部に加えて、グループ会社も入っているので、情報共有だけではなく、協業もしやすいと感じています。また、VRの体験施設、通信計測部のメンテナンスルームもあるので、そういった所をお客様に見学していただくことによって、弊社の安全や品質に対する取り組みを肌で感じていただけるのは大きいです。大阪・関西万博や大阪IRの開業予定地である夢洲地区も近いので、いろいろな面で大阪DLセンターを有効活用できればと思います」
そんな中で、西村営業専任部長はどんな役割を担っているのだろうか?
西村「私は主にインフラ関係のお客様を担当しています。2011年から支店の営業部に在籍しており、当時は東日本大震災の影響で全国的に電力がひっ迫していました。関西地区でもバックアップ電源の需要が非常に多くなりましたね。また2018年に台風21号が近畿地方を襲った際には、1~2日で約300台の発電機を用意し、納品したこともあります」
インフラ関係が担当だと、いつ連絡が入るか分からないため、苦労が多いのではないだろうか?
西村「台風や地震があった際は、気が張り詰めます。取引先とは緊急連絡先を交換しているので、いつでも対応できるように準備しています」
西日本支社 営業部の課題や目標としては、省人化やDXを挙げる。
小櫻「私は1994(平成6)年入社なのですが、私らが若い頃と違って、保有する機械も随分と様変わりしました。今は省人化やDXが大きなポイントですね。そのあたりの知識は若い世代の方が長けている傾向がありますが、我々世代もまだまだ吸収しなければと感じています。関西地区は大阪・関西万博、大阪IRだけではなく、大型公共工事や再開発事業、さらに民間の大型建築需要などもまだまだ見込まれているため、そういった案件でもアクティオの強み、レンサルティングを発揮していきたいです」
西日本支社 業務部
管轄している機械の集約管理を担当
アクティオは2024年1月より支社制がより明確になり、北海道から九州まで7つの支社が誕生した。西日本支社は大阪、神戸、京滋、和歌山奈良、中国、四国の6つの支店を抱えている。西日本エリアの機械の運用管理を担う、西日本支社 業務部の山口直保業務部長に話を聞いた。
山口「西日本支社管轄の機械の集約管理、最終的には一元管理を目標にしている部署です。すでに保有している機械の資産管理と、今後の購入ですね。今までは各支店で購入していましたが、今後は西日本支社に集約し、運用効率を高めることが目標です」
西日本支社で運用している機械は、大別した機種で言うと38機種。これは事業部の機械を除いた数で、アクティオでは支店機械と呼んでいる。
山口「代表的な機械は、重機や発電機です。大阪DLセンターにある西日本支社の業務部は、機械の運用管理を行う部署で、機械の整備は工場で専門知識を有するメカニックが行っています。この辺りだと高石工場と大阪重機センターですね」
西日本業務課の久保田博昭課長は、新たな部署の創設に向けて準備中だ。
久保田「私は今年の6月にフィールドサービス課を立ち上げる準備をしています。現在は各営業所の業務担当が必要に応じて現場に赴き、修理などに対応していますが、それでは手が回らなくなりつつあるので、フィールドサービス課がフォローしようという考え方です」
山口「夢洲地区の現場には、毎日のように営業所の業務担当が通っています。今後、そのような対応がさらに増えると予測されますので、業務部としてサポートしなければと考えています」
久保田「フィールドサービス課は、まずは大阪府内を担当する計画です。現場での対応力が求められますので、精鋭を人選中です」
ほかに業務部としては、社員教育にも力を入れている。
山口「西日本支社に所属している業務担当は100名以上います。業務担当の安全教育、技術向上、技能資格の取得も推進しています。業務担当のレベル向上は、機械品質の向上に直結しますので、お客様のために注力していきます」
大阪南港営業所
夢洲地区をメインに機械を供給
大阪南港営業所は、大阪DLセンター内に居を構える営業所だ。そのミッションを千原大郎所長兼西日本支社営業部専任次長に聞いた。
千原「大阪南港営業所は、大阪DLセンター開設と同時にオープンしました。営業エリアは大阪市の住之江区、西淀川区、港区ですが、メインは大阪・関西万博、大阪IRの開業予定地である夢洲です」
両方ともニュースで話題になる大きなプロジェクトだ。現在の進捗状況については、次のように話す。
千原「大阪・関西万博は、大屋根(リング)の工事、民間のパビリオン、各国のパビリオンの建設がピークを迎えています。大阪IRはあくまでも予定ですが、液状化対策の土木工事は昨秋から始まっています」
どんな機械がよく出るのだろうか?
千原「夢洲地区では、土木工事、建築工事の両方ともあるので、水中ポンプ、高圧洗浄機、高所作業車に加えて、アルミの仮設建材も最近はよく出ます」
大阪南港営業所 事務担当の岩倉有里主事に日常的な仕事内容を聞いた。
岩倉「請求書関係の書類のやり取り、仕入れ関係の書類、あとは電話対応、お客様の来店対応です。以前いた営業所で、機械の手配をサブ的な立場で担当していたこともあるので、機械のことはある程度分かっているつもりですが、大阪・関西万博は聞いたことがないような機械の問い合わせも多いので、そのあたりはメインで対応しているフロント担当に任せています」
営業所が大阪DLセンター内にあることの強みとして、2人が口をそろえて挙げていたのが、他部署との連携だ。
千原「多種多様な事業部が入っていますので、お客様の困り事を相談する先が近くにあるのは有利ですね。もちろん、通常の営業所でも問い合わせは可能ですが、圧倒的に対応が早い。スピーディーな横の連携は大きな武器だと感じています」
岩倉「事業部の方の顔が見えるというのが大きいです。全く知らない方よりも、明らかに聞きやすいので、私の理解度も高まります」
最後に、営業所としての目標を聞いた。
千原「やはり夢洲地区でのシェア拡大ですね。全国的に注目されているプロジェクトですし、しっかりとプロジェクトに入り込むことで、誇りを持って話せるくらいの実績をつくりたいです。横の連携を最大限に活用しつつ、レンサルティングを実践することで邁進していきます」
今回は大阪DLセンターの西日本支社と、夢洲への機械供給を担う営業所を紹介した。次回は専門性の高い事業部を紹介する。
※記事の情報は2024年8月5日時点のものです。
〈ご参考までに...〉
● 大阪DLセンター(アクティオ公式サイト)
● 発電機(アクティオ公式サイト)
● 水中ポンプ・水処理機械(アクティオ公式サイト)
● 汎用機器(アクティオ公式サイト)
● 高所作業車・作業足場・建築機器(アクティオ公式サイト)