2025.06.10
橋梁の点検で柔軟な現場対応が可能に! 中型橋梁点検車「BT-300」 現在、高速道路などの橋梁は5年に1度の近接目視での点検が義務づけられている。橋梁点検車は、橋梁の点検やメンテナンスを効率的に行うために設計された特殊車両だ。株式会社タダノが開発した中型橋梁点検車「BT-300」は、運用の柔軟性の高さと取り回しがしやすい車両サイズで高く評価されている。
作業範囲が大きく、扱いやすい中型車両「BT-300」
「BT-300」の最大の特徴は、「中型」橋梁点検車という立ち位置にある。大型橋梁点検車の作業範囲の大きさと、従来型の橋梁点検車の取り回しの良さを兼ね備えているのだ。しかも中型免許で運転可能なため、導入のハードルが低い。
BT-300を使用した橋梁の点検風景(アクティオ 鹿児島姶良工場の私有橋にて撮影)
設置占有幅は3m。この幅なら、車道設置の場合でも1車線規制・片側通行規制での作業が可能だ。大型橋梁点検車では設置占有幅が大きく、2車線を規制せざるを得なくなる。また、車道に設置した場合でも歩道乗り越え幅3mを確保できるため、さまざまなタイプの橋梁に適用可能だ。
デッキ180°旋回機能
BT-300の特徴的な機能として「デッキ180°旋回」が挙げられる。デッキ部分を180°回転できるため、橋梁に対してこれまで難しかったさまざまなアプローチができる。
デッキを主桁と平行にすることで、主桁内部へのアクセスが容易になる。また、デッキの角度を調整することで、車両を動かさなくても橋台間近まで接近することもできる。さらに、主桁側面の点検においても「面」でアプローチできるため、効率的な作業が可能だ。
デッキ180°旋回機能により、さまざまなアプローチが可能になる
左右にブーム展開が可能
BT-300のブームは、車両左側だけではなく、右側にも展開できる。左右展開とも、最大歩道乗り越え幅は3m前後確保可能だ。また、車両右側へブームを展開させることで、一方通行の高速道路や自動車専用道路の追い越し車線側からも桁下へのアプローチが可能になる。
車両左側だけではなく、右側にもブーム展開が可能。運用もフレキシブルに行える
橋梁の老朽化対策は喫緊の課題
我が国の道路橋は、高度経済成長期に建設されたものが多く、建設年度が分かっている約50万橋のうち、建設後50年を経過するものが、2034年には63%に上るとされている(国土交通省 道路局「道路メンテナンス年報(令和5年度)」)。橋梁の老朽化対策は喫緊の課題であり、橋梁点検もさらなる効率化が求められている。
その中でBT-300のような機動力を持ち、高い柔軟性と安全性を備えた機種の活躍が大きく期待される。
アクティオは、BT-300を含め、さまざまなタイプの橋梁点検車をレンタルしている。ぜひ点検やメンテナンス作業の効率化に役立ててほしい。
※記事の情報は2025年6月10日時点のものです。
〈ご参考までに...〉
● 橋梁点検車(アクティオ公式サイト)
● 高所作業車・作業足場・建築機器(アクティオ公式サイト)
● 事業分野紹介「高速道路メンテナンス分野」(アクティオ公式サイト)