2024.07.31

DXで新たな価値を創造する「レンタルDX営業部」 アクティオは2024年1月、最新の技術を活用できるサービスの構築、建設業界におけるDX推進窓口の一本化を図るため、レンタルDX営業部を新設した。早速本社を訪れ、その詳細を聞いた。

DXで新たな価値を創造する「レンタルDX営業部」

DXで建設業界に変革をもたらす

デジタル技術によってビジネスモデルなどを抜本的に変革し、新たな成長・競争力強化につなげていくのがDX(デジタルトランスフォーメーション)だ。建設業界でも注目されており、AI、ICT、IoTといった技術を複合的に活用することで、生産プロセス全体を最適化することを目指している。


2024年1月、アクティオにおいて建設DXを推進していくセクションとして誕生したのが、レンタルDX営業部だ。営業本部 レンタルDX営業部の川上修明副部長と岸本究専任次長に話を聞いた。


レンタルDX営業部が新設された経緯について、川上副部長はこう話す。


川上「アクティオの各支社、各支店、各営業所では日々、お客様から困り事解決の宿題をいただいております。ここ最近は特にDXに関する案件が多く、個別に対応していたのですが、いよいよ横串を刺すような専門部隊、窓口が必要ではという気運が社内でも高まり、2024年1月、営業本部の中にレンタルDX営業部を新設しました」


営業本部 レンタルDX営業部の川上修明副部長営業本部 レンタルDX営業部の川上修明副部長


レンタルDX営業部は、建設業界のDX化推進、クラウドサービス事業の強化、IoT事業の強化、デジタル人材の教育・育成、生産性向上による人手不足問題の解決といった課題に対応するため、誕生したわけだ。


アクティオにはさまざまな事業部があり、そこでもDX関連の案件に対応しているが、各事業部との連携はどうなるのだろうか?


川上「今以上に連携していくことになりますが、我々はあくまでも営業部隊なので、各部署が開発した商品について、DX化をご要望されるお客様の営業窓口となったり、現場の営業スタッフに認知促進していくことが責務です」


営業本部 レンタルDX営業部の岸本究専任次長営業本部 レンタルDX営業部の岸本究専任次長


実際、お客様が抱いているDX化の悩み、不安はどのあたりにあるのだろうか?


川上「例えば、ゼネコンさんはいろんなアンテナを張られているので、ソフト面に関してはスタートアップ企業と一緒に取り組むなど、既にサービスが開始されているものを利用されたりしているのですが、ソフトとハードの融合となると困ってしまうことが多いようです。アクティオにはハードをレンタルできる強みがあり、ソフトとの融合、親和性は高いので、そういった面でご協力できる点は多いですね」


まだ始まったばかりだが、ミッションや目標については、次のように話す。


川上「レンタルDX営業部の発足後、さまざまな案件をプロジェクト化して進めています。既に発表したもので言えば、無人レンタカー貸出・返却サービスのアクティオカーシェアスポット『アクスポ』、衛星通信サービス『Starlink Business(スターリンクビジネス)』の機材レンタル事業の開始、現場の進捗状況や建機の稼働などを一元管理できる『DXコントロール スペース』、アクティオのレンタル品を24時間365日注文・返却可能な『建機レンタルWeb注文サービス』などが挙げられます。水面下では重要な案件にも取り組んでいるので、そういったものも含め、できるだけ早く、一つひとつ具現化していくのが当面の目標です」


建設車両のレンタルを無人化することで、お客様の利便性を高め、業務の効率化や生産性の向上に貢献するサービスが「アクスポ」だ。鍵管理機に会員カードまたはQRコード、さらに運転免許証をかざすことで、指定キーの取り出し、車両レンタルが無人で行える建設車両のレンタルを無人化することで、お客様の利便性を高め、業務の効率化や生産性の向上に貢献するサービスが「アクスポ」だ。鍵管理機に会員カードまたはQRコード、さらに運転免許証をかざすことで、指定キーの取り出し、車両レンタルが無人で行える


DX化に関して、建設業界のアプローチは進んでいるのだろうか。やはり大手の方が着手しやすいのだろうか?


川上「実は中小企業さんの方が進んでいる場合もあります。アクティオには北海道から九州まで約450の営業所があって、そこにDXに関する問い合わせがお客様から届いたら、アクティオはこんなサービスやってますよ、と即答できる仕組みを構築したいですね。そのために、全国にある支社の若い世代に、我々が持っているDXのサービスを、我々と同じレベルで説明できるようになってもらう人材育成が急務だと考えています」


岸本「建設業界では、まだ人力でやった方が早い、安いのではないかという意識も強いように思います。もう人がいない、DX化するしかないという切羽詰まった状況にならないと、ガラリと変わらないかもしれませんが、そのときに向けて、我々は粛々と準備を進めているわけです」




通信インフラが大きな鍵になる

アクティオは2024年5月、衛星通信サービス「Starlink Business」の機材レンタル事業を開始した。ビル建築現場や山間部、災害現場で、高速インターネットを実現するサービスだ。事業開始の背景やメリットについて、岸本専任次長に聞いた。


岸本「能登半島地震では通信網が寸断されたため、ネット環境構築の引き合いが非常に多くありました。電源さえあれば、地球上どこでもインターネット通信ができるという『Starlink Business』は、建設業界にすごく適しています。以前から山間部の現場でインターネット環境を構築したいという話は随分とありました。でも固定回線を引くには何カ月もかかる。携帯電話もつながらない。今は『Starlink Business』の機材レンタル事業をスタートさせましたので、すぐにインターネット環境を構築できます」


通信インフラは今後どのように進化していくのだろうか?


岸本「弊社の『Starlink Business』はソフトバンクとの協業で展開していますが、ソフトバンクは既に自前で衛星を飛ばして通信ネットワーク環境を確立させようという段階です。通信網は大切なインフラなので、できるだけ外資に頼らず、日本資本で確立させることが重要です。これからは、宇宙を介して通信するという手法がどんどん出てくると思います。そうなることによって、我々もDXの商品を現場に落としやすくなります」


2024年5月に開催された「第6回 建設・測量生産性向上展(CSPI-EXPO)」のアクティオブースで、衛星通信サービス「Starlink Business」の機材レンタル事業開始が発表された2024年5月に開催された「第6回 建設・測量生産性向上展(CSPI-EXPO)」のアクティオブースで、衛星通信サービス「Starlink Business」の機材レンタル事業開始が発表された


現場で高速インターネット環境が構築されることによって、無人化施工も大きく前進することが見込まれる。


岸本「アクティオは現在、油圧で重機を制御するというアプローチに加え、後付けのロボットが作業を行うという2本立てで動いています。どちらで行くにせよ、遠隔操作ネットワークは必要になるので、やはりインフラが鍵になりますよね」


目指すのは、本当の意味での遠隔操作、例えば、東京のコントロールルームで九州にある現場の重機を操作するといったことの実現だろうか?


岸本「そうですね。通信環境が強固なものになれば、そういった最先端の技術にも臆せずチャレンジできるようになります。それがDXコントロール スペースにもつながるわけです」


建設現場のDX化を支援するソフトウェアや状況を管理する「DXコントロール スペース」建設現場のDX化を支援するソフトウェアや状況を管理する「DXコントロール スペース」


ほかにもDXに関連した商品を多く展開している。


川上「BIM/CIM、BIM×Drone(ビム・クロス・ドローン)、顔や静脈認証など、仕込める、仕込んでいる材料はたくさんあります。ご期待ください」



走り出したばかりのレンタルDX営業部だが、すでに取り組みは加速している。今後の動向から目が離せないのは間違いない。


※記事の情報は2024年7月31日時点のものです。



〈ご参考までに...〉

アクティオカーシェアスポット 「アクスポ」(アクティオ公式サイト:ニュース)

「Starlink Business」機材レンタルサービス(アクティオ公式サイト)

建機レンタルWeb注文サービス(アクティオ公式サイト)

事業分野紹介「i-Construction(ICT施工)」(アクティオ公式サイト)

ICT施工関連機器(アクティオ公式サイト)

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