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2024.07.12
高速インターネットを、全ての建設現場に。ソフトバンクとの協業で「Starlink Business」機材レンタルを開始 アクティオは2024年5月、ソフトバンク株式会社と協業し、衛星インターネットサービス「Starlink Business(スターリンクビジネス)」の機材レンタルを開始した。
インターネット環境は建設DXの欠かせない基盤
建設現場にとってしばしばネックとなるインターネット環境。山間部のダム建設や送電線工事、風力発電の建設といった電線も通っていない現場では、通信環境の整備は後回しになる。ビルの建築現場でも、Wi-Fiなどの敷設は工事後半まで待たねばならず、高層フロアになると携帯電話の電波さえ届かないのが常だ。
その一方で、建設現場におけるインターネット環境の重要性はますます高まっている。効率化のための施工管理アプリの普及、クラウドカメラによる監視や遠隔臨場システムの進展。さらに重機の無人遠隔操作というイノベーションの波もすぐそこまで来ている。
このようなインターネット環境が必要な現場ほど僻地(へきち)にあり、通信設備が整っていないというジレンマが生じている。高速インターネット環境の確保は、建設DX推進のベースとなる重要なステップだ。
こうした建設現場の課題を解決するため、アクティオは、ソフトバンク株式会社との協業により、高速インターネット回線を実現する衛星インターネットサービス「Starlink Business」の機材レンタルを開始した。
スペースX社の次世代型低軌道衛星(LEO)を利用
スターリンクは、米国スペース X 社が運用する衛星インターネットサービス。従来の衛星電話などで利用されていた静止衛星(GEO)に比べ、地球からの距離が数十分の1という低軌道に打ち上げた多数の次世代型低軌道衛星(LEO)により、高速で安定したインターネット環境を実現している。
ソフトバンクは、スターリンクや静止衛星を使ったNTN(Non Terrestrial Network:地上波を使わないネットワーク)サービスを展開している。
今回のソフトバンクとアクティオの協業は、LEOの特性を生かし、ビル建築現場や山間部の工事現場、災害時のBCP(事業継続計画)対応などの需要に応えていこうというもの。回線の提供をソフトバンクが、機材のレンタルをアクティオが担当する。法人向けに広い帯域を提供する「Starlink Business」は、通信が混雑した状況でも帯域の利用が優先される。
現場の課題を一緒に考え、解決するためのツールとして
2024年5月22日に行われたCSPI-EXPOのプレス発表で、プレゼンテーターを務めたアクティオのレンタルDX営業部の宗像亨は次のように話す。
「今やネットにつながらないことは、現場作業で使用されるさまざまなサービスが使えず、作業が滞る原因となります。『Starlink Business』は、アンテナと電源があれば、山間部や災害現場など、どこでもインターネット回線を構築できます。光回線の契約や敷設は不要です。携帯電話の電波が届かないビル高層部でも高速インターネット通信が可能になります。建設業界の『ネットにつながらない』を解決するための手段としてはもちろん、さらに『当たり前にネットにつながる』環境を構築して、その先にある『お客様、現場の課題を一緒に考え、解決するためのツールとする』こと。それが、このサービスの機材レンタルを採用した目的です」
「Starlink Business」機材レンタルとともに提供するサービス
今、建設業界は時間外労働の上限規制、いわゆる建設業界の「2024年問題」への対応や、少子高齢化による若者の入職者減少など、多くの問題を抱えている。一方で建設業自体の需要は拡大を続けている。
つまり、従来よりも少ない時間と人数で成果を出せる仕組みが求められていることになる。そのためには現場作業を効率的に実施する必要があり、従来よりも短い時間、少ない人数で成果を出すための効率化ツールやサービスを使用する必要がある。
レンタルなら無駄なく、素早くインターネット環境を構築できる。アクティオは「Starlink Business」機材のレンタルサービス展開と併せ、3つのサービスの提供も行っていく。前出の宗像が、詳細を説明する。
「まず、1つ目は、建設現場内におけるWi-Fi環境の構築です。『Starlink Business』をインターネットへつながる出入り口として扱い、無線でインターネットにつなげるために、『メッシュWi-Fiルーター』のレンタルを行います。現場内で構築したWi-Fiエリアはインターネットに接続できるので、お客様が契約している、施工管理アプリなどの効率化ツールを使用することができます。これにより『つながらない』を『つながる』ようにいたします」
「2つ目として、遠隔臨場サービスの提供があります。建設現場内で遠隔臨場を行うためには、ウェアラブルカメラやネットワークカメラを使用する必要があります。元請けのご担当者様が現場に行かず離れた場所から臨場を行うためには、ネット回線が必要です。『Starlink Business』があれば、携帯の電波が届かない高層階や山間部でインターネット回線を構築することができるので、遠隔臨場の通信インフラが構築できます。弊社ではネットワークカメラやウェアラブルカメラもレンタルしておりますので、お客様からのニーズにワンストップでお応えできます」
「3つ目は無人化施工です。建設DX推進の大きな目標は、作業員や経験者の減少による建設機械のオペレーター不足への対応です。今、それを補うため、建設機械のオペレーションをロボットなどの遠隔操作によって行う取り組みが進められています。建設機械に高性能のロボットが搭載され、操作性も確立されてきていますが、課題はそれらを離れた場所から操作させるための通信インフラです。『Starlink Business』で全てが解決するわけではありませんが、今まで無理だった現場でも無人化施工のためのインターネット環境を構築できるようになりました。無人化施工のブレイクスルーとして『Starlink Business』が活用されるケースは、増えていくと思います」
災害対応、建設DX推進。進化するアクティオの通信サービス
2024年1月に発生した令和6年能登半島地震では、多くの地域で配電網が破壊され、携帯電話やインターネットが使えなくなり、ソフトバンクを含む大手キャリアから自治体向けに「Starlink Business」の機材が無償で提供された。
このことにより、避難所などでインターネットが使用できるようになり、情報取得の手段として効果を発揮した。「Starlink Business」機材レンタルサービスを生かし、今後はアクティオも災害時に素早く対応することが可能となる。
アクティオは「Starlink Business」機材のレンタルでソフトバンクと力を合わせながら、将来的にはアクティオ独自の通信網を構築、さらなる通信の安全性と利便性を高めることも視野に入れている。
「つながらない」から「つながる」ように、そして「当たり前につながるその先へ」――お客様の建設DX推進のために、「Starlink Business」機材のレンタルサービスを通じ、アクティオの通信サービスはさらに進化していく。
※記事の情報は2024年7月12日時点のものです。
〈ご参考までに...〉
● 「Starlink Business」機材レンタルサービス(アクティオ公式サイト)
● クラウドカメラ(アクティオ公式サイト)
● ウェアラブルカメラ(アクティオ公式サイト)
● 太陽光パネル搭載オフグリッドオフィスカー(アクティオ公式サイト)