2023.06.30

物流と開発を担う首都圏の重要拠点〈東京DLセンター紹介1〉 東京と大阪にあるDLセンターはテクノパーク統括工場と並び、アクティオの根幹をなす拠点だ。DはDelivery(配送)、LはLaboratory(研究所)の略で、デリバリー施設として、また研究開発やレンサルティングの拠点、人材育成の場として、重要な役割を担っている。まずは首都圏の重要拠点である東京DLセンターについて、5回にわたって紹介したい。

物流と開発を担う首都圏の重要拠点〈東京DLセンター紹介1〉

エンジニアリング事業部
スキルとノウハウを備えた技術集団

現在、アクティオのDLセンターは東西にあり、東京DLセンターは2016年8月から、大阪DLセンターは2021年9月から運用を開始している。


まずは東京DLセンターを紹介するにあたり、改めてレンサルティングの説明をしたい。レンサルティングは「レンタル」と「コンサルティング」を組み合わせた造語で、アクティオが創造したコンサルティング型レンタルを指す。お客様へ単にモノを貸し出すのではなく、専門的なノウハウを持ってサポートし、システム設計や機械開発までも行う、付加価値の高い提案型サービスだ。


アクティオが推進するレンサルティングを具現化する部門がレンサルティング本部で、RS企画管理部、RS事業推進部、エンジニアリング事業部、道路機械事業部、鉄道事業部からなる。それらの部署が東京DLセンターのオフィス棟に集約されており、横の連携のみならず、本社の技術部や各地にあるテクノパーク統括工場、各支店とも密接に関わりながら、レンサルティングを推進している。


レンサルティング本部には約570名の社員が所属しており、そのうち、約370名の大所帯となるのがエンジニアリング事業部である。エンジニアリング事業部が担っている役割や機能、ミッションとは何か? まずは小林正治事業部長に聞いた。


小林「エンジニアリング事業部には土木部、環境部、建築部、通信計測部、パワーシステム部の5つの専門部署と、工事部、技術部、管理部の3つの支援部署があります。このほか、全国各地に拠点があり、各部署が連携しながら日々、レンサルティングを推進しています。さまざまな商品開発、並びに営業技術支援、機械の運用、営業ツールの作成などを全国に向けて行うのが我々の役割です」


レンサルティング本部 エンジニアリング事業部 小林正治事業部長レンサルティング本部 エンジニアリング事業部 小林正治事業部長


つまりエンジニアリング事業部は各分野における技術集団で、お客様の困り事を解決できるスキルとノウハウがある。それを最大の武器にして、レンサルティングという造語が生まれる前から、ゼネコンを中心としたお客様、全国にあるアクティオの各支店、グループ会社から寄せられた要望を基に、工事工法の提案、新商品の開発、現場への技術支援などを実践しているのだ。


この東京DLセンターにエンジニアリング事業部が移転してから約4年。何が変わったのだろうか?


小林「以前は部署が各地に点在していたため、どうしても横の連携が弱かった面があります。それが東京DLセンターに一元化できたことで、スピーディーに対応できるようになりました。また、ここには研究開発を行う施設、試作機等を持ち込んで検証する場所や設備もありますので、開発商品の機能や安全性をより一層高めることが可能になりました。これだけの組織・設備が集約されたことにより、各主要ゼネコンとの共同開発案件も増加しています。今ではこれがアクティオの大きな強みとなっています」


レンサルティング本部 エンジニアリング事業部 小林正治事業部長


ゼネコンとの共同開発案件には、具体的にどのようなものがあるのだろうか?


小林「最近ですと、大成建設株式会社と共同で、山岳トンネル工事の発破掘削における切羽、つまりトンネル最先端の掘削面での装薬作業を高速化する爆薬装填装置『T-クイックショット』を開発しました。この装置を適用することで、切羽から数m離れた場所からの迅速な装薬が可能になります。切羽近傍での作業時間が短縮されるため、安全性と生産性を向上させることができます。アクティオは、この装置の設計・製作、実証実験を担当しました」


T-クイックショットを用いた爆薬装薬構成(2tトラック1台に爆薬装薬装置2台搭載の場合)T-クイックショットを用いた爆薬装薬構成(2tトラック1台に爆薬装薬装置2台搭載の場合)




エンジニアリング事業部 管理部
バックオフィスの作業を効率化

エンジニアリング事業部がレンサルティング本部に組み込まれたことにより、事務や管理の面でも効率化を図る必要性が高まった。その陣頭指揮を執っているのが、エンジニアリング事業部 管理部の菅谷隆部長だ。


菅谷「DXを進めることで、個人・組織の変革を実現できると考えています。もちろん業務改善活動も重要で、今年は特にRPA化に注力しています。バックオフィスの仕事などを自動化できるツールの導入ですね。具体的には稟議書をデジタル化しました。クラウドシステムを活用することで、稟議に要する日数は半分近くまで短縮できました」


エンジニアリング事業部 管理部 菅谷隆部長エンジニアリング事業部 管理部 菅谷隆部長


各部署の横の連携に加え、バックオフィスの業務改善を行うことにより、一つひとつの案件をよりスピーディーに処理できる。これは大きい。


菅谷「我々の業界では未だにFAXを多用するのですが、これもデジタル化しました。今まではオフィスにいないと確認できませんでしたが、データを個人の端末に送ることが可能なため、全国どこにいても確認できます。これもスピード化、ひいてはペーパレス化に貢献した施策です」


エンジニアリング事業部 管理部 菅谷隆部長




RS事業推進部
さまざまな開発を主導

レンサルティング本部の中でもエンジニアリング事業部は巨大で、業務内容も多岐にわたる。5つの専門部署と支援部署のひとつである技術部の詳細は次回以降お伝えするとして、先にRS事業推進部とRS企画管理部を紹介したい。


まずRS事業推進部は、発足して2年が経つ開発部門だ。エンジニアリング事業部の小林事業部長が、RS事業推進部の部長も兼務している。


小林「RS事業推進部は、建築現場のデジタル化、DX推進をサポートする商品やサービスの企画、研究開発を行っています。そのためには現場の声を吸い上げることが重要です。先ほど申し上げた通り、全国にあるアクティオの各支店、グループ会社から寄せられた問い合わせ、要望、ニーズを聞きながら、建設機械のIoT化などを進めることで、ミッションを達成しています」


エンジニアリング事業部の小林事業部長が、RS事業推進部の部長も兼務エンジニアリング事業部の小林事業部長が、RS事業推進部の部長も兼務


「現場の安全・安心・見える化を実現するために、建設機械のIoT化は欠かせない」と話すのが、RS事業推進部IoT部で開発を担当する宇佐美一斗だ。いずれはアクティオが持っている全ての建設機械をIoT化したいと考えており、当面は発電機と高所作業車に注力するという。


宇佐美「発電機のパネル情報をデータとして取得すると、稼働状況や履歴が見える化できます。つまり離れた場所から、アラートや燃料残量などをいつでも確認できるようになります。室内系高所作業車に関しては、位置や動き、充電情報を知りたいというニーズが高いため、取得可能なデータをクラウドに上げて、見える化を進めています。不安全行動の見える化も可能で、リミッターを切って高所作業を行っていないかなども確認できます」


RS事業推進部 IoT部 宇佐美一斗RS事業推進部 IoT部 宇佐美一斗


RS事業推進部AP部の荒地智晴主事(現エンジニアリング事業部 技術部 メカトロ課 主査)は、制御関係のスペシャリストである。AP部では、特注での機械製作や現場のシステムを中心に、先進的な商品の開発を行っている。


荒地「AP部では1人で1から10まで全て担当するのではなく、各パートで分業することが多いです。私は入社以来、AP部ができる前のエンジニアリング事業部の頃から制御関係に携わることが多かったので、そのあたりをメインに担当しています。開発に際して心がけているのは、お客様中心ということです。いくら機能がたくさんあったり、数値的に優れていても、オペレーターさんが使いにくい商品では意味がありません。現場の人が使いやすい、使いたくなる商品の開発を常に目指しています」


RS事業推進部 AP部 荒地智晴主事RS事業推進部 AP部 荒地智晴主事(現エンジニアリング事業部 技術部 メカトロ課 主査)




RS企画管理部
社内向けの商品説明会などを担当

RS企画管理部は、エンジニアリング事業部、道路機械事業部、鉄道事業部、RS事業推進部を束ねる目的で作られた部署だ。ちなみに、RS企画管理部の猪俣鉄士部長はエンジニアリング事業部出身である。


猪俣「まず企画の部分で言うと、社内向けの商品説明会、展示会等の企画を行っています。あとはレンサルティング本部に配属された新入社員の研修もRS企画管理部の担当です。管理に関しては、各事業部がそれぞれ行っていた事務作業をある程度集約して、共通のものは全てRS企画管理部で処理します。加えて今期から、安全部と海外プロジェクト部を発足しました」


RS企画管理部 猪俣鉄士部長RS企画管理部 猪俣鉄士部長


RS企画管理部で、企画関係の実行部隊として活躍しているのが與田有利である。


與田「新商品のパンフレットをメールで流しても、なかなか目に留まりにくいですし、理解も深まりません。お客様と接する営業スタッフが実機に触れておくと、やはり自信を持ってお客様に説明できるようになります。各支店とスケジュールを調整しながら、基本的にはテクノパーク統括工場で商品説明会を行っています」


RS企画管理部 與田有利RS企画管理部 與田有利


次回はエンジニアリング事業部の各専門部署と支援部署の担当者にインタビューを行い、その役割等を掘り下げたい。


※記事の情報は2023年6月30日時点のものです。


※2024年1月の組織改編に伴い「支店」は「支社」に改編されています。


〈東京DLセンター紹介2〉へ続く



〈ご参考までに...〉

東京DLセンター(アクティオ公式サイト)

事業分野紹介「IoT分野」(アクティオ公式サイト)

アーカイブ

ページトップ