テクノパーク・DLセンター
2020.12.07
佐野テクノパーク統括工場紹介【前編】整備だけではなく、開発、教育の場としても重要な拠点 建設機械レンタル事業の価値を高め、広く社会に貢献することを目指し、アクティオのこれからの50年を創出する拠点となるのが、全国5カ所で展開しているテクノパークだ。その中核的存在として、整備業務はもとより、開発や教育の場としても重要な役割を担っているのが、「佐野テクノパーク統括工場」である。
2000年から運用開始
東北自動車道・佐野藤岡ICからクルマで5分。東京から70km圏内とアクセスが良く、さらに少し北に走れば、北関東の東西を結ぶ北関東自動車道と北日本を縦断する東北自動車道が交差しているため、物流の拠点として申し分ない。そんな交通至便な地に佐野テクノパーク統括工場はある。
総敷地面積は61,825㎡で、東京ドームに換算すると約1.5個分。このアクティオ最大級の整備工場は、徐々に拡張され、現在の形態となった。最初に運用を開始したのが「エンジニアリング事業部第1工場」(2000年12月)。次いで「水中ポンプ広域センター」(2002年1月)、「エンジニアリング事業部第2工場」(2006年3月)、「北関東テクノパーク工場」(2006年3月)、「総合管理棟」(2006年4月)、「エンジニアリング事業部第3工場」(2016年4月)という具合にパワーアップを遂げたのだ。
アクティオの源流となる水中ポンプを取り扱う水中ポンプ広域センター、レンサルティングを具現化するために必須のエンジニアリング事業部の機械を整備・管理しているEG佐野テクノパーク工場、主に北関東支店(群馬県・栃木県)保有の機械を整備する北関東テクノパーク工場。この3部門が集約され、アクティオにとって重要な拠点となっている。
開発、教育の場でもある
佐野テクノパーク統括工場が整備拠点として重要なのは当然として、開発、そして教育の場としても大きな役割を担っている。ゼネコンをはじめとする数々のお客様と連携しながら、各種工事に必要な専用機械の開発、テスト等を行っているのだ。広大なヤードと設備に加え、開発や製造を行えるスタッフがそろっているからこそ、なせる技と言ってよい。
教育の場としては、2つの顔を持つ。まず、お客様を対象として、最新機器や工法の訓練、講習などを行っている。(一社)全国土木施工管理技士会連合会(JCM)の継続学習制度「CPDS認定学習プログラム」や、コンピューター技術や通信技術を高度に取り入れた各種「ICT施工」、VR(バーチャル・リアリティ)技術を使った不安全行動の疑似体験「Safety Training System VR of AKTIO」システムによる講習がそれに当たる。
もう1つが自社の新入社員教育、各種機器を使った訓練などだ。この他、統括工場近隣の小学生を対象にした社会科見学や、中学生向けに職業体験なども実施するといった、地域社会への貢献も実績を積んでいる。
テクノパークで唯一、ISO14001を取得
佐野テクノパーク統括工場ならではの取り組みとして挙げられるのが、2002年に取得したISO14001運用によるPDCAサイクルの実践と法規制の遵守である。当初は紙・ゴミ・電気を減らす取り組みが中心だったが、いまでは環境委員会、安全衛生委員会、ヤード委員会といった現場の声をスムーズに拾い上げる委員会活動(ボトムアップ)と、上層部から適宜出される指示(トップダウン)が見事に融合し、1台当たりの整備原価の低減、ひいては環境エネルギーの低減に直結。大いに生産効率を高める結果となった。また、騒音、振動、臭気、排水といったコンプライアンスの遵守にも、当然ながら貢献している。
大所帯だからこそ重要なコミュニケーション
このような佐野テクノパーク統括工場をけん引しているのが、林豊統括工場長である。林統括工場長は、社名が株式会社アクティオになってからの1期生である。学生時代に電気やプログラム関連を学び、新卒採用でアクティオに入社。エンジニアリング事業部に配属され、主に制御関係の仕事をしてきた。約3年前に統括工場長となり、現在に至る。
佐野テクノパーク統括工場で業務に従事する社員は約60人、協力企業のスタッフも含めると160人にもなる大所帯だ。だからこそ林統括工場長は、テクノパークで働く皆とのコミュニケーションを大切にしている。「(横組織の)委員会活動を通じて様々な意見を汲み上げ、各種数字も見ながら、目標に対しての現状把握、問題点の洗い出し、解決策を立案しています」(林統括工場長)。
レンサルティングを具現化するエンジニアリング事業部
アクティオはコンサルティング型のレンタルビジネス「レンサルティング」を標榜しており、それを推進する中核部門となるのがエンジニアリング事業部だ。同事業部では工法プランニングに始まり、安全性と省エネを配慮した最適なレンタル機種選定、自社設計やメーカー共同設計によるオリジナル新商品を開発・推進している。
エンジニアリング事業部のオフィスは東京DLセンター(東京都江東区)がメインで、工場は佐野、三重いなべ、関西のテクノパーク統括工場内の3カ所と仙台の計4カ所。佐野テクノパーク統括工場内には、負圧室を完備し、環境対応集塵機等の整備を行う第1工場、トンネルのシールド工事に必要な各種機器の製造や整備を行う第2工場、建設用足場の自動高圧洗浄ロボットや自動把持ロボットが備わる第3工場、仮設工業会指定工場の4セクションが集結している。
佐野テクノパーク統括工場内にあるEG佐野テクノパーク工場の施設は広大で、西側に第1工場、東側に第2工場、第3工場、仮設工業会指定工場を配置している。各工場の間には機器の試運転や仮り組みを行うエリア、門型クレーン6基を設置したクレーンヤードも有している。これだけ広大だと施設間の移動にも時間がかかるため、セグウェイが導入されているほどだ(使用は社内資格を持った社員に限定)。
エンジニアリング事業部では機械の組み立てや整備を担当する社員に加えて、設計を行う技術者も工場内に常駐している。こうすることで両者の意思疎通が容易になり、作業がスムーズに進むのだ。
【前編】では佐野テクノパーク統括工場の概要、エンジニアリング事業部の業務内容をお伝えしたが、【後編】では水中ポンプ広域センターと北関東テクノパーク工場にスポットを当て、その全貌に迫りたい。
※記事の情報は2020年12月7日時点のものです。
【後編】へ続く
〈ご参考までに...〉
● 佐野テクノパーク統括工場(アクティオ公式サイト)