2022.03.08

西日本における高所作業車の基幹工場「関西テクノパーク統括工場」 高所作業車や足場材の需要が高まる背景を受け、2017年12月に運用を開始したのが関西テクノパーク統括工場だ。高所作業車や大型重機の整備、動作作業の確認試験が主な業務である。関西テクノパーク統括工場は、最先端の設備やテクノロジーを積極的に導入している。また、オリジナルの設備や検査機器を積極的に開発するなど、アクティオの中でも特色豊かなテクノパークである。

西日本における高所作業車の基幹工場「関西テクノパーク統括工場」

ぬくもりが感じられるテクノパーク

山陽自動車道・三木東インターチェンジから車で10分。工業団地の一角に関西テクノパーク統括工場が誕生して4年になる。敷地面積は12,102坪(40,007.15m²)とテクノパークとしてはさほど広くないが、建築面積は3,651坪(12,068.27m²)でテクノパーク随一の広さを誇る。


一般的に工場といえば無機質な印象を抱かれると思うが、この関西テクノパーク統括工場は違う。至る所にカフェ風の立て看板が置かれ、「思い」や「設備の紹介」、はたまた「担当者の紹介」などが記されており、どことなくぬくもりが感じられるのだ。ちなみに、看板の裏面には工場長代理からのメッセージが書かれている。お越しの際は、是非ご一読いただきたい。

このようなカフェ風の立て看板が至る所に設置されている。写真左が表面、右が裏面だこのようなカフェ風の立て看板が至る所に設置されている。写真左が表面、右が裏面だ


このほか、壁に貼られたサインボードも手作りだ。どことなく “空港っぽい” デザインや言葉選びに、センスの良さが光る。

壁に貼られているサインボードは、すべて手作り壁に貼られているサインボードは、すべて手作り

関西テクノパーク統括工場は、関西地区におけるリフト統括事業部初の専門工場として確固たる地位を築いている関西テクノパーク統括工場は、関西地区におけるリフト統括事業部初の専門工場として確固たる地位を築いている

エントランスホールには高所作業車のカットモデルを展示。仕組みがよく分かり、トレーニング用の教材としても役立つエントランスホールには高所作業車のカットモデルを展示。仕組みがよく分かり、トレーニング用の教材としても役立つ



オリジナルの検査機器や設備を開発

この広大な工場の中で行われているメインの業務が高所作業車の保守整備だ。実は高所作業車は、お客様からのクレームが多い機種でもある。中でも「動かない」という事例が多い。その多くは充電し忘れ、もしくは充電コードの断線による充電不良が大半を占める。そういったことを少しでも減らすために、例えば充電コードを踏まないギリギリの長さに設定し、足りない場合に備えて延長コードを付属するといった工夫がされている。


クレーム対応から生まれたオリジナルの検査機器も数多い。「MEC(モグラ・アイ・チェック)」は高所作業車の腹下の状態を簡単にチェックできる検査機器だ。以前、高所作業車の床下に汚れが付着したまま貸し出してしまい、貸し出し先の現場で付着物が落下。仕上げ床を汚すというクレームが発生した。それ以降、高所作業車の腹下もチェックするよう改めたが、最低地上高が低いため、目視によるチェックは難しい。そこでスマートフォン用の自撮り棒の先にカメラを取り付け、それを差し込んでチェックしていたが、どうにも効率が悪い。こういった過程を経て開発されたのがMECだ。検査ラインの床にカメラを埋め込み、そこを高所作業車が通過する際にモニターで腹下を確認できるようにしたわけだ。

オリジナルの検査機器や設備を開発

MECは床にカメラを埋め込み、そこを通過した際にモニターで高所作業車の腹下をチェックできる検査機器だMECは床にカメラを埋め込み、そこを通過した際にモニターで高所作業車の腹下をチェックできる検査機器だ


現在試作中の設備が「汚れホイホイ(ARS)」だ。これは貸し出し先の床を汚さないための取り組みで、粗目・中目・細目のマット材の上を高所作業車が通過することで、タイヤや履帯(りたい)の汚れを落とすというもの。少しでもきれいな機械を出荷したいという思いから生まれた設備である。

「汚れホイホイ(ARS)」「汚れホイホイ(ARS)」


特定機種の専用設備としては、「昇降台」が挙げられる。これは高所作業車(RM04B・ENCL045)の履帯を交換する際に威力を発揮する設備で、開発前はフォークリフトで持ち上げて対応していた。昇降台を導入後は効率的に、より安全に作業が行えるようになったという。

高所作業車を持ち上げる昇降台

高所作業車を持ち上げる昇降台高所作業車を持ち上げる昇降台



高所作業車の専門部門「関西リフト広域工場」

関西テクノパーク統括工場で高所作業車の保守整備を担当している部門が、関西リフト広域工場だ。アクティオの社員を中心に、入庫検査→ケレン(清掃・洗浄作業)→塗装→整備→銘板貼替→完成検査といった工程が流れ作業で行われている。

この美しい並びを見ただけで、底知れない整備力の高さがうかがえるこの美しい並びを見ただけで、底知れない整備力の高さがうかがえる

生産管理や部品発注、新入社員や協力会社への指導などを担当している室田将人主査(右)。他社に負けない整備品質を確立するため、各種検査やテスト、それらをクリアする高い基準を課して日々の業務に取り組んでいる生産管理や部品発注、新入社員や協力会社への指導などを担当している室田将人主査(右)。他社に負けない整備品質を確立するため、各種検査やテスト、それらをクリアする高い基準を課して日々の業務に取り組んでいる

冨川光輝さんは、工場に返却された高所作業車の状態を把握する検査を実施し、修理の作業見積もりを作成する入庫検査を担当。写真左下のハウスは、パソコンが埃まみれになるのを防ぐために設置。ユーモアたっぷりの表札にほっこりさせられる。ちなみに、冨川さんは3人兄弟で全員アクティオ社員という筋金入りだ

冨川光輝さんは、工場に返却された高所作業車の状態を把握する検査を実施し、修理の作業見積もりを作成する入庫検査を担当。写真左下のハウスは、パソコンが埃まみれになるのを防ぐために設置。ユーモアたっぷりの表札にほっこりさせられる。ちなみに、冨川さんは3人兄弟で全員アクティオ社員という筋金入りだ冨川光輝さんは、工場に返却された高所作業車の状態を把握する検査を実施し、修理の作業見積もりを作成する入庫検査を担当。写真左下のハウスは、パソコンが埃まみれになるのを防ぐために設置。ユーモアたっぷりの表札にほっこりさせられる。ちなみに、冨川さんは3人兄弟で全員アクティオ社員という筋金入りだ

入社2年目の田中大博さん。入庫検査、整備を経験し、現在はアームロボット自動ケレン機を使った業務を主に担当。この設備はアクティオのオリジナルで、ドライアイス・ショットブラストとアームロボット(2基)を組み合わせた装置により、電装部品を搭載している高所作業車を全自動でケレン可能だ

入社2年目の田中大博さん。入庫検査、整備を経験し、現在はアームロボット自動ケレン機を使った業務を主に担当。この設備はアクティオのオリジナルで、ドライアイス・ショットブラストとアームロボット(2基)を組み合わせた装置により、電装部品を搭載している高所作業車を全自動でケレン可能だ入社2年目の田中大博さん。入庫検査、整備を経験し、現在はアームロボット自動ケレン機を使った業務を主に担当。この設備はアクティオのオリジナルで、ドライアイス・ショットブラストとアームロボット(2基)を組み合わせた装置により、電装部品を搭載している高所作業車を全自動でケレン可能だ

入庫検査を担当している芝地秀太さん。小さい頃から建設機械に興味があり、高校の就職活動で関西テクノパーク統括工場を訪ねた瞬間にアクティオへの入社を決意。願いが叶って入社、さらに関西テクノパーク統括工場への配属も勝ち取ったニューフェイスだ入庫検査を担当している芝地秀太さん。小さい頃から建設機械に興味があり、高校の就職活動で関西テクノパーク統括工場を訪ねた瞬間にアクティオへの入社を決意。願いが叶って入社、さらに関西テクノパーク統括工場への配属も勝ち取ったニューフェイスだ



縁の下の力持ち「管理課/運用課」

運用課と管理課は、縁の下の力持ち的な存在だ。運用課は管理業務やフロント対応、管理課は完成検査に加え、修理見積や経費関係の入力などを行っている。

管理課の福長淳さんは完成検査を担当。完成検査で不具合、手直しが発生した場合は全体朝礼での周知を行い、再発しないよう努めている管理課の福長淳さんは完成検査を担当。完成検査で不具合、手直しが発生した場合は全体朝礼での周知を行い、再発しないよう努めている

管理課の田中仁美さんは事務全般を担当。事務職こそ高いコミュニケーション能力が必要だと実感しており、自分から積極的に声をかけることを心がけている管理課の田中仁美さんは事務全般を担当。事務職こそ高いコミュニケーション能力が必要だと実感しており、自分から積極的に声をかけることを心がけている

運用課の永島健志さんは関西支店内の受注対応、他支店や各事業部への依頼対応、工場内の生産指示を主に担当。元自衛官という経歴の持ち主だ運用課の永島健志さんは関西支店内の受注対応、他支店や各事業部への依頼対応、工場内の生産指示を主に担当。元自衛官という経歴の持ち主だ



全国ナンバー1の品質を目指して

関西テクノパーク統括工場の立ち上げから関わっている中心人物が、小林裕嗣工場長代理である。


小林工場長代理のキャリアは1994年、営業職でスタートした。翌年発生した阪神淡路大震災を機に、業務職にチェンジ。以降、神戸営業所や高石工場で整備や検査といった業務に従事している。転機が訪れたのは2007年。トヨタ生産方式(TPS)を学ぶため、豊田自動織機に約1年間出向。さらに2008年にはシャープ堺工場新築工事の現場に1年間出向している。2009年からは古巣の高石工場へと再配属となるが、新工場の立ち上げ、生産方式のハウツー、運用後の現場での指導力といった素養は、この頃に磨かれた。


そして2017年、新工場設立のため、この地に赴任。関西テクノパーク統括工場の目指すべき方向性を、上司からのアドバイス、仲間の助言などを参考にしながら「品質と自動化」に決めたのである。確かに今回、関西テクノパーク統括工場を訪れてみると、「品質と自動化」というコンセプトを実現するための施策を、随所で垣間見ることができた。クレーム対応から生まれた数々のオリジナル検査機器や設備、全自動でケレン作業を行う機器などがそれに当たる。高所作業車は全国展開している商品なので「品質の統一」という前提はあるものの、小林工場長代理、ひいては関西テクノパーク統括工場のスタッフ全員が目指しているのは、あくまでも「全国ナンバー1の品質」なのである。

関西テクノパーク統括工場 小林裕嗣工場長代理関西テクノパーク統括工場 小林裕嗣工場長代理



〈ご参考までに...〉

高所作業車・作業足場・建築機器(アクティオ公式サイト)

関西テクノパーク統括工場(アクティオ公式サイト)

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