レポート
2024.12.06
第4回 建設DX展 大阪に出展し、遠隔操作や衛星サービスなど旬な技術をアピール 2024年9月11〜13日の3日間、BIM/CIM、ICT建機、測量機器、業務効率化システム、建設ロボットなどを対象とした展示会「第4回 建設DX展 大阪」がインテックス大阪(大阪市住之江区)にて開催された。アクティオも、タワークレーン遠隔操作「TawaRemo®(タワリモ)」をはじめとした注目商品を数多く出展。来場者の関心を集めた。
3日間にわたり大盛況となった建設DX展 大阪
人、人、人......。会場のインテックス大阪は、通路を歩くのもままならないほどのにぎわいを見せていた。アクティオブースは四方を通路に囲まれていたため、特に往来が激しく、商品をアピールするのに絶好の機会となった。
業務を効率化する最先端の商品を展示
■タワークレーン遠隔操作「TawaRemo®」
アクティオは約20の商品を展示。中でも注目されていたのがタワークレーン遠隔操作「TawaRemo®(タワリモ)」だ。
タワークレーンのオペレーターは、作業時に運転席まで50m以上もの距離をハシゴで登らなければならない。これだけでも体力的に厳しいが、一度運転席に登ると、1日の作業終了までとどまる必要がある。食事やトイレの問題もあり、また精神的にも負担が大きいのが現状だ。
そんな状況を打破する一手が、TawaRemo®なのである。
TawaRemo®は、タワークレーンの運転席での操作と同じ環境を地上に再現できるシステムだ。専用コックピットには、運転席で作業しているかのような映像が映し出され、オペレーターはほぼ同じ感覚で操作できる。
ジャイロセンサーをタワークレーンに付ければ、振動や揺れなど、よりリアルな操作がコックピットで体感できるようになる。
■衛星インターネットサービス「Starlink Business」
各種機械の遠隔操作に欠かせないのが通信環境である。建設現場は5Gや4Gといった地上波が飛び交う街中だけとは限らない。
「Starlink Business(スターリンクビジネス)」は、米国スペース X 社が運用する衛星インターネットサービスで、地上波が届かない僻地でも通信環境を確保できる。
電波の届かない山間部の工事現場や高層ビルの建築現場のネット環境構築だけではなく、災害時のBCP(事業継続計画)対応としても要注目で、どこでも、いかなる場合でもインターネット回線を構築できる、頼もしいインフラなのである。
ロボットも数多く出展
このほか、アクティオブースでは、ロボット関係の出展も目立った。
■半自動ロボット低床式重量物搬送台車「ストローダー®」
半自動ロボット低床式重量物搬送台車「ストローダー®」は、リモコン操作で重量物を搬送できる半自動ロボットの搬送台車だ。
ゲームパッドを採用した無線コントローラーを使用するため、フォークリフトなどの運転資格がなくても簡単に操作が行える。また、メカナムホイールにより全方位走行が可能で、狭い通路やその場旋回、斜面や段差も走行OK。さらにジャッキアップ機能を搭載したことで、一般的な台車の真下に潜り込んで台車ごと運搬するという使い方もできる。
清掃関係では、2タイプを出展した。
■自律型掃除ロボット「KEMARO K900」
レーザーセンサーでマッピング設定、パソコンでスケジュール設定を行うことで、設定した時間になると清掃を開始する。清掃が完了したら、自動で充電ステーションに戻る。もちろん、リモコン操作により任意に清掃も行える。
■自律走行型床洗浄ロボット「KIRA B 50」(参考出品)
「効率的」「時間短縮」「簡単」「安全」「柔軟性」がキーワードで、広範囲なエリアの床洗浄を得意とするロボット。自動で充電・給水・排水・タンク汚れ洗浄が行えるステーション機能を備えているが、必要に応じて手動操作も可能だ。
屋外の建機展示エリアを初めて設置
今回の建設DX展では、初めての試みとして「SKY STAGE(スカイステージ)」と名付けられた屋外の建機展示エリアも設けられた。
アクティオは屋外にもブースを構え、大型の機械を出展した。
■遠隔監視システム搭載「IoT 濁水処理装置」
工事現場などで発生する工業用排水を、一般的な生活排水路へ流せるように、pH(ペーハー)値や水質などを調整して浄化する作業が濁水処理だ。
濁水処理装置は、泥を含んだ工業用排水に凝集剤を混入させ、水中の不純物と凝集剤が反応して大きな塊に結合することにより、自重で沈降させ、水と不純物をタンク内で分離させる仕組みになっている。
これまでの濁水処理装置は、設置場所に行かなければ凝集剤の不足といった浄化のトラブルに気づけなかった。遠隔監視システム搭載「IoT 濁水処理装置」は、凝集剤の残量やpH値、濁度の記録や流量などのデータをクラウド上で一括管理でき、遠方からでも状況を確認できる優れものだ。
また、異常な数値が検出された場合は、メールなどで担当者に通知する機能も備えている。
このほか、アクティオは「3次元配筋検査システムModely」「鉄筋探査機GP8800」「クーレーザー®」「オートポンプ」といった商品を展示し、その魅力を存分に来場者にアピールした。
▼第4回 建設DX展 大阪
※記事の情報は2024年12月6日時点のものです。
〈ご参考までに...〉
● 「Starlink Business」機材レンタルサービス(アクティオ公式サイト)
● 自律型掃除ロボット KEMARO K900(アクティオ公式サイト)
● 濁水処理装置(アクティオ公式サイト)
● 鉄筋出来形自動検測システム(3次元配筋検査システムModely)(アクティオ公式サイト)
● 鉄筋探査機(アクティオ公式サイト)
● 事業分野紹介「建設DX分野」(アクティオ公式サイト)
● 事業分野紹介「i-Construction(ICT施工)」(アクティオ公式サイト)