2021.08.30

大好評「オフィスカー」に待望の新シリーズ追加 2020年6月にリリースした「太陽光パネル搭載オフグリッドオフィスカー」に続く商品として、新たにミニマムに特化した軽バン仕様のオフィスカーと、トイレ完備のレストカー、さらにマイクロバスをベースにしたレストカーが追加された。

大好評「オフィスカー」に待望の新シリーズ追加

太陽光パネル搭載オフグリッドオフィスカーは人気健在

「太陽光パネル搭載オフグリッドオフィスカー」は、その商品名からも分かる通り、独立型の電力システムを搭載している。自動車が発電する電力にプラスして、太陽光パネルからリチウムイオンバッテリーへの充電もOK。通常はこれで十分だが、必要に応じて発電機に接続してバッテリーを充電できる。


このオフグリッドシステムの最大のメリットは、エンジンOFF時にも各種電気製品の使用が可能なこと。エアコンやFFヒーター、パソコン、ディスプレイ、スマホの充電等々、ちょっとした現場事務所並みの使い勝手の良さが評価されて、数十台用意したレンタル車両は常に稼働中という人気ぶりだ。


一方で、ベース車両がハイエースバンDX(トヨタ自動車)のGLパッケージなのでレンタル費用が高めで、その車格から運転に気を使うといった声が聞かれるのも事実。ベース車両はハイエースのままで、装備を簡略化したオフィスカーも検討中だが、オフィスカーの新たな方向性として開発したのが今回の3タイプだ。




N-VANベースのミニマム仕様オフィスカー

ミニマム仕様のオフィスカー。外観は至って普通のN-VANだが、乗車定員は3人に変更されているミニマム仕様のオフィスカー。外観は至って普通のN-VANだが、乗車定員は3人に変更されている


N-VAN(ホンダ)がベース車両のリチウムイオンバッテリー搭載オフィスカーは、かなり装備を簡略化したミニマム仕様だ。とにかくレンタル費用を安価にした上で、車内で事務仕事が行えることを目的にしている。


リチウムイオンバッテリーを搭載しているが、太陽光パネルはなし。つまり充電は自動車が発電する電力がメイン(発電機を接続しての充電も可)。冷暖房設備は自動車に装備されているエアコンだけなので、エンジンOFFでは使えない。「暑い日、寒い日にエンジンをかけて仕事をしたら、リチウムイオンバッテリーを搭載している意味がないのでは?」という突っ込みが入るのは承知の上。とにかく安く、身近に使っていただくのがモットーの商品だ。


*取材車両は試作車のため、正式なレンタル車両と装備が異なる場合があります。


助手席側&テールゲートのダブルビッグ大開口はN-VANの持ち味。室内へのアクセスは容易だ助手席側&テールゲートのダブルビッグ大開口はN-VANの持ち味。室内へのアクセスは容易だ

(左)テーブル&椅子を展開すれば、事務仕事を行うのに十分なスペースが生まれる。(右)テーブル&椅子はスッキリ収納。フロアは汚れても拭きやすい防汚素材を採用(左)テーブル&椅子を展開すれば、事務仕事を行うのに十分なスペースが生まれる。(右)テーブル&椅子はスッキリ収納。フロアは汚れても拭きやすい防汚素材を採用

(左)シガーソケットやUSBポート。(右)AC100Vのコンセントを装備(左)シガーソケットやUSBポート。(右)AC100Vのコンセントを装備

運転席後方の床下には、リチウムイオンバッテリーや直流(DC)を正弦波交流(AC)に変換するインバーター、走行充電装置などが備わる運転席後方の床下には、リチウムイオンバッテリーや直流(DC)を正弦波交流(AC)に変換するインバーター、走行充電装置などが備わる

(左)インバータースイッチと電圧計を装備。リチウムイオンバッテリーの残量は、ひと目でチェック可能だ。(右)この差込口に発電機を接続し、リチウムイオンバッテリーを充電することも可能(左)インバータースイッチと電圧計を装備。リチウムイオンバッテリーの残量は、ひと目でチェック可能だ。(右)この差込口に発電機を接続し、リチウムイオンバッテリーを充電することも可能




NV200ベースのレストカー

NV200をベースにしたレストカー。外観上の特徴は天井部分に架装されたポップアップルーフNV200をベースにしたレストカー。外観上の特徴は天井部分に架装されたポップアップルーフ


ハイエースベースでは大き過ぎて乗り手を選ぶし、山奥などの現場に行った際はトイレがないと不便。このような声に応えようと開発されたのが、NV200(日産自動車)ベースの太陽光パネル搭載オフグリッドレストカーだ。


天井部分を架装し、パカーンと跳ね上がるポップアップルーフを採用しているので、車内で立ったままの着替えもOK。ちなみに、ポップアップルーフはキャンパー仕様のクルマに採用されることが多く、主な使用目的は就寝用だが、このNV200はあくまでも室内高を稼ぐために採用している。


セカンドシート部分が事務スペース、最後部がレストルームだ。まず事務スペースだが、ここには椅子とテーブルをセット。ハイエース版と同様の太陽光パネル搭載オフグリッド仕様のため、エンジンOFF時でもエアコン、FFヒーター、AC100V電源などを使用できる。


最大の特徴は、レストルームである。ここはパウダールームも兼ねており、トイレだけではなく、化粧や着替えを行うスペースにもなる。トイレは「ラップポン」(日本セイフティー)を採用。水を使わず、臭いも漏らさず、排泄物をその都度、ラップ(個包装)する。個包装された袋は、紙オムツと同様の処理が可能だ。


NV200ならさほど大きくないので、運転しやすいという方は多いはず。さらにエンジンOFF時も冷暖房機器が使えて、パソコン作業もOK。トイレの心配もないとなれば、気になるのでは? この他、人里離れた場所や高速道路といった現場での使用も想定できる。


*取材車両は試作車のため、正式なレンタル車両と装備が異なる場合があります。


(左)事務スペース。正面に見える白い箱のようなものがエアコン。椅子の向かい側に跳ね上げ式のテーブルが付く予定。(右上)AC100VコンセントやUSBポートを装備。インバータースイッチもここに付いている。(右下)リチウムイオンバッテリーや走行充電装置などは、運転席後方のスペースに格納されている(左)事務スペース。正面に見える白い箱のようなものがエアコン。椅子の向かい側に跳ね上げ式のテーブルが付く予定。(右上)AC100VコンセントやUSBポートを装備。インバータースイッチもここに付いている。(右下)リチウムイオンバッテリーや走行充電装置などは、運転席後方のスペースに格納されている

トイレは、排泄物をその都度、ラップ(個包装)して処理するラップポンを採用トイレは、排泄物をその都度、ラップ(個包装)して処理するラップポンを採用

(左)上はトイレ用擬音装置、下は自動ラップポン機構のスイッチ。約90秒でラップ動作が完了する。(右)トイレでも電化製品が使える(左)上はトイレ用擬音装置、下は自動ラップポン機構のスイッチ。約90秒でラップ動作が完了する。(右)トイレでも電化製品が使える

(左)照明付きの鏡、洗面台を装備。(右)洗面台の下に給排水のポリタンクを収納。ちなみに、バルブの切り替えにより、汚水を現場の排水設備に流すことも可能(左)照明付きの鏡、洗面台を装備。(右)洗面台の下に給排水のポリタンクを収納。ちなみに、バルブの切り替えにより、汚水を現場の排水設備に流すことも可能

ポップアップルーフを跳ね上げた際、事務スペースとレストルームが筒抜けにならないよう、仕切りが設けられているポップアップルーフを跳ね上げた際、事務スペースとレストルームが筒抜けにならないよう、仕切りが設けられている

(左)室内高を稼いで着替え等を行いやすくするため、ポップアップルーフを装備。ルーフ上には太陽光パネルが設置されている。(右)リアバンパー下に、発電機を接続してリチウムイオンバッテリーを充電可能(左)室内高を稼いで着替え等を行いやすくするため、ポップアップルーフを装備。ルーフ上には太陽光パネルが設置されている。(右)リアバンパー下に、発電機を接続してリチウムイオンバッテリーを充電可能




高速道路を保守点検する際の使用を想定したマイクロバス仕様のレストカー

ご紹介した軽バン仕様のオフィスカーと、トイレ完備のレストカーに続いて、さらにマイクロバスをベースにしたレストカーも追加された。

マイクロバス仕様のレストカー


日本全国に広がる高速道路ネットワーク。その効果を最大限発揮させるために欠かせないのが、日々の保守点検作業だ。交通規制作業に始まり、舗装や橋梁の補修作業、植栽作業、清掃作業、雪氷対策作業、事故復旧作業など、その業務は多岐にわたる。当然、これらは高速道路上での作業となるため、作業員の休憩場所の確保が課題の1つだ。


一般的な建設現場では、仮設のハウスを建てて対応しているが、高速道路上ではそれもままならない。多くの場合、移動車両等で対応しているが、もっと心身ともに休められる手立てはないものか......。


こういった高速道路メンテナンス事業者の要望をかなえるために開発されたのが、このレストカーのマイクロバス仕様だ。トヨタ・コースターをベースに、室内を大改装。運転席後方はまるで大広間のようで、数人がごろりと横になれるスペースが広がっている。太陽光や外部電源などによる給電、さらに蓄電も可能なオフグリッドカーのため、エアコンや冷蔵庫、テレビなども完備。これなら暑い日も寒い日も、ゆっくりと休めそうだ。

運転席後方をレストルームに改装。エアコンやテレビも備わっているため快適そうだ。休憩用だけではなく、例えば熱中症の救護室としての活躍も期待できる運転席後方をレストルームに改装。エアコンやテレビも備わっているため快適そうだ。休憩用だけではなく、例えば熱中症の救護室としての活躍も期待できる

冷蔵庫や電子レンジ、椅子も設置されているため、食事もOKだ冷蔵庫や電子レンジ、椅子も設置されているため、食事もOKだ

(左)直流(DC)を正弦波交流(AC)に変換するインバーター、走行充電装置などが備わる。リチウムイオンバッテリーは他の場所に設置されている。(右)太陽光パネルや走行による充電が間に合わない場合は、外部電源(発電機)による給電も可能(左)直流(DC)を正弦波交流(AC)に変換するインバーター、走行充電装置などが備わる。リチウムイオンバッテリーは他の場所に設置されている。(右)太陽光パネルや走行による充電が間に合わない場合は、外部電源(発電機)による給電も可能


この他、室内後方にはトイレ(ラップポン)も完備。これならトラックの荷台に仮設トイレを設置して現場に配備する必要がないため、まさに一石二鳥だ。

室内後方の扉からもアクセス可能なレストルーム室内後方の扉からもアクセス可能なレストルーム

(左)ラップポントイレ(右)鏡やシンクも備わる(左)ラップポントイレ(右)鏡やシンクも備わる


アクティオは、今後もオフィスカーのラインナップを拡充していく予定である。第4弾の構想も固まっているので、乞うご期待。


*取材車両は試作車のため、正式なレンタル車両と装備が異なる場合があります。



▼オフグリッドシステム搭載移動オフィスカー(軽バン仕様)



▼オフグリッドシステム搭載移動レストカー


※記事の情報は2021年8月30日時点のものです。



〈ご参考までに...〉

オフグリッドシステム搭載移動オフィスカー・レストカー(アクティオ公式サイト)

太陽光パネル搭載オフグリッドオフィスカー(アクティオ公式サイト)

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