ICTが現場を変える
2023.03.07
ICT施工推進15周年──ICT施工、i-Constructionを支えるアクティオ 2023年は、国土交通省が「情報化施工推進戦略」を策定・公表してから15年。ICT施工に早くから取り組んだアクティオのこれまでを振り返るとともに、現在のサービスをご紹介する。
2008年に産学官によるICT施工推進がスタート
国土交通省が産学官による「情報化施工推進会議」を設置し、ICT施工の戦略的な推進の指針となる「情報化施工推進戦略」を策定・公表したのは2008年7月。2023年は、ICT施工推進の15周年にあたる年だ。
ICT施工とは、建設業のプロセスのうち「施工」について、情報通信技術(Information and Communication Technology:ICT)を活用して高効率・高精度な施工を実現しようというもの。少子高齢化の進む日本にあって、建設業における労働力確保の切り札として、本格的普及が図られることとなった。
アクティオはこの動きにいち早く呼応し、専門チームを立ち上げてさまざまなICT建機をそろえて、建設現場への導入サポートを開始した。
2008年は、まず、「GNSSマシンガイダンス 3Dバックホー」のレンタルをスタート。マシンガイダンス(MG)は、角度センサやGNSS受信機の装着によりバックホーの位置と方向・傾きを管理し、土木設計データをもとに施工面までバケット位置をガイダンスし、オペレーターの操縦を精密にサポートするガイダンスシステムだ。0.4㎥サイズ以上であれば、どのバックホーにも取り付け可能なシステムとして展開された。
続いて同年、「GNSSマシンコントロール ブルドーザ」を導入。マシンコントロール(MC)はMGよりもさらに進化した自動制御システムである。ブルドーザでは、GNSSによりブレードの位置と標高を取得し、ブレードが自動制御される。
ブルドーザとともに、MC搭載のグレーダーもレンタル展開された。同時に、GNSSやトータルステーションからの位置情報を活用し、ロードローラによる締固め状況をリアルタイムで確認できる「転圧管理システム」の提供もスタート。2010年には「アスファルトフィニッシャMC」のレンタルも開始した。
これらICT建機の導入に当たっては、単に機械をレンタルするだけでなく、「レンサルティング」の提案として、その用途、施工方法、出来形管理まで、ICT施工全般をサポートするトータルなサービスとして提供されていることは言うまでもない。
i-Construction導入をアクティオが全面サポート
建設現場に数多くのメリットをもたらすICT施工だが、その進展度合いは工種によって差がある。これから最も深刻な人材難が懸念されているにもかかわらず、ICT化の進展スピードが鈍いといわれているのが「土工」の分野だ。国土交通省は2016年、土工のICT化に本腰を入れる施策「i-Construction(アイコンストラクション)の推進」を公表し、土工における測量、設計、施工、納品のあらゆる段階でICTを活用する体制を整備した。
i-Constructionが提唱されると、アクティオは即座に全面的なサポート事業を開始した。起工測量では、空中写真測量(UAV)と、レーザースキャナ(TLS)を用いた地上での測量手法により、短時間で、安全に現況を測量。業務提携した専門業者との連携で、作業計画から機械調達、解析処理まで全てアクティオが支援する体制をとった。
ICT施工を行うに当たっては、三次元設計データが不可欠だ。将来的には設計の段階で直接三次元設計データを作成するBIM/CIMが一般化すると見られているが、現段階ではまだ大半の場合で二次元の設計図が用いられているのが実情。ICT施工をより多くの現場で実現するために、アクティオは二次元データから必要な三次元データを作成する工程を担当している。
ICT施工に関して、アクティオはマシンコントロール技術、マシンガイダンス技術を搭載したブルドーザ、バックホーを中心にレンタルを展開。利用ノウハウについても丁寧なコンサルティングを実施する。同様に、MC、MGを搭載した切削機や浚渫(しゅんせつ)用バックホーも取り扱っている。
ターゲットを自動で追尾する機能を搭載した無線機能付きトータルステーションやGNSSの活用により、リアルタイムで正確な測位が可能になるのがICT施工の特長だ。現況測量、杭打ち誘導、仕上がり確認、出来形チェックに至るまで、従来は数人で行っていた測量において、ワンマンでの作業が可能になる。また、品質管理としてICTを使った締固め管理技術もサポート。トータルステーションやGNSSによって転圧回数や走行軌跡をガイダンスし、そのままPCから帳票書類を出力する。
アクティオは、これらの技術を駆使し、施工後の書面審査と実施検査を含めた出来形管理・データ納品まで支援するサービスを展開している。
ICT施工の一般化へ、進化を先取りして支援
2023年は、小規模な現場を除きICT施工が「原則一般化」される年と位置づけられている。アクティオも小規模土工用ブレードMCや、チルトローテータ搭載のバックホーMCのレンタルを拡大させる。2025年にはBIM/CIMの原則一般化など、建設業界においてより一層ICTを活用することが求められている。アクティオは今後も技術の進化を先取りし、お客様のご要望に寄り添いながら、さまざまな建設現場のICT施工、i-Construction実現をサポートしていく構えだ。
※記事の情報は2023年3月7日時点のものです。
〈ご参考までに...〉
● GNSSマシンガイダンス 3Dバックホー(アクティオ公式サイト)
● GNSSマシンコントロール ブルドーザ(アクティオ公式サイト)
● TSマシンコントロール ブルドーザ(アクティオ公式サイト)
● GNSSマシンコントロール 3Dバックホー(アクティオ公式サイト)
● ブレード3Dマシンコントロール バックホー(アクティオ公式サイト)
● i-Construction関連商品(アクティオ公式サイト)
● 事業分野紹介「i-Construction(ICT施工)」(アクティオ公式サイト)