アクティオクオリティ
2023.01.31
活躍する中堅社員──岩沼営業所/古川営業所/仙台工場〈支店探訪:東北支店 2 〉 東北支店のキーパーソンを訪ね、岩沼営業所、古川営業所、そして仙台工場に足を運ぶと、多くの気づきがあった。営業、事務、整備などの面で高い品質を維持し、お客様からの信頼を得ている理由について、彼らから話を聞いた。
「有事に強い」のは、アクティオの伝統であり文化
アクティオは、多くの支店で営業所を統括するブロックを設けている。東北支店では、県ごとにブロックを設け、ブロック長を置いている。宮城県なら宮城ブロック長という具合だ。その権限は支店によって異なっており、東北支店はかなりの権限をブロック長に委譲している。そのあたりのことを、渡邊昌明 宮城ブロック長に聞いた。
渡邊「ブロック長には営業所の人事権、機械購入の決定権、もちろん営業戦略も全て任されていますから、やりがいがあります。その代わり、責任も大きいですが」
続いて、宮城ブロックで多い取り引きについて聞いた。
渡邊「仙台市内は民間の仕事が結構あるので、高所作業車などのレンタカーが多く出ます。いっぽう、県北・県南といった地方に行けば行くほど公共事業が多くなり、建築よりも土木が主流になります。ですから、重機の比重が増えていきますね」
東日本大震災だけではなく、宮城県はここ最近も大きな地震に見舞われている。2022年3月16日に発生した地震の時はどうだったのだろうか?
渡邊「あの日は夜の11時過ぎに地震があったんですけど、翌1時頃に取引先から電話がかかってきて、現場に急行しました。どこかが故障してて、水がどんどんたまっていくので排水しなければならない。朝までに排水しないと、さらに事態が悪化する......。とにかくポンプを手配して、戸澤支店長にも現場に来ていただいて、どうにか対処しました。一段落ついて家に帰ったら、今度は倒れた伊達政宗像を直すので照明を持ってきてくれと......。さらに脱線した東北新幹線の復旧対応もあり、目まぐるしかったですね」
幾度となく災害に見舞われたからこそ強くなったこと、学んだことはあるのだろうか?
渡邊「あると思いますね。例えば水中ポンプはすぐに手配できるのですが、排水ホース、土のう、ブルーシートといった部材関係は意外とそろわないんですね。なので、宮城ブロックでは非常用の部材を入れた倉庫を3拠点に配置しています。手前みそな話ですが、お客様からは『困ったときこそアクティオ』とよく言われます。『真夜中でも緊急時に駆けつけてくれるのはアクティオだけだ』と。有事に強い。これはアクティオの伝統というか文化なのだと思います」
新人事務員の頼れる存在
東北支店に新入社員が事務職として配属される際、基本的に1年間は営業所で研修を行うことになっている。現場を見ないことには、何事も分からないからだ。その際の教育係として絶大な信頼を得ているのが、1990年に入社した経験豊富な社員、岩沼営業所の菊地礼子 事務主査だ。
菊地「以前、仙台西多賀営業所にいたのですが、東日本大震災を機に、事務員が増員されたんですね。仙台西多賀営業所は、震災時に本部になっていたので。場所的にも公共交通機関で通いやすいというメリットもありました。それで新人の子が配属されると、私が面倒を見ることになりました。仙台西多賀営業所には10年くらいいたのですが、その間6人かな、巣立っていったのは」
営業所の事務はお客様と接する最前線。電話応対、伝票類の処理はもちろんのこと、機械のこともある程度は理解しなければならない。覚えなければならないことは山ほどある。
菊地「自分が分かっていないと教えられないので、日々勉強でした。新人の子と一緒に成長していければという毎日です。あと分かっていても、うまく教えられるかは別の話なので、なるべく難しくならないように気をつけていました。営業所の事務はお客様対応が大事なので、とにかく元気に! と伝えるのですが、どうしても自信がないから電話の声が小さくなりがちです。そんなときは『新人の○○です!』と最初に伝えるようアドバイスしています。お客様の会社名、お名前をしっかり聞いて覚えるのが基本ですからね」
長年アクティオと共に歩んできた菊地事務主査だが、その原動力とは何なのだろうか?
菊地「正直、こんなに長く勤めるとは思っていなかったです(笑)。今思うと震災時はとにかく大変だったのですが、いろんな方々に支えられ、励まされ、続けてこられたと思っています。東北以外の営業所から機械が運ばれてくると、"頑張ってください"とメモが挟んであったり、お客様が来店の際に肉じゃがを差し入れてくださったり......。そんな時間を共有した新人の子たちが、東北支店の第一線で活躍しているのをみると、私も頑張らなきゃと思います。会社の環境もどんどんよくなってきて、結婚して、子どもが生まれて、その後も育児しながら仕事を続けられるのは、女性としてうれしいですね」
お客様からの信頼も厚い業務主査
アクティオは、研究開発拠点・トレーニングフィールドを兼ね備えた大型の整備・物流拠点として、本社直轄の"テクノパーク"を全国に展開している。加えて各支店もサービス工場を有し、営業所にも整備担当の業務職を配置している。こうした整備体制により、品質の高い機械をレンタルしているのだ。
古川営業所の小島裕好(おじまひろよし) 業務主査は、入社30年の大ベテラン。キャリアが長いだけではなく、その腕も一流だ。当然、お客様からの信頼も厚い。
小島「今もLINE WORKS(ビジネス用チャット)が鳴ったんですけど、機械関係に何らかのトラブルがあると、写真付きで連絡が来るんですよ。元請けさんだけではなく、下請けさんの知らない方からも(笑)」
小島業務主査は小さい頃から機械いじりが好きで、高校は工業高校に進学。卒業後はメーカーに就職し、プレス機械の組み立てを行っていた。3年ほど勤めた後、縁あってアクティオに転職。岩手県の水沢営業所を皮切りに、宮城県の古川営業所、大和営業所を経て、再び今の古川営業所勤務となった。聞くところによると、営業所の業務職は現場に赴いての対応も多いそうだが......。
小島「古川営業所は土木関係の仕事が多くて、重機がよく出ます。以前、とあるダム工事の現場で、0.7㎥のバックホーを腕もバケットもキャタもバラして、オペ室だけにして、クレーンで堤体の上まで吊り上げて、そこで再度組み立てたことがあります」
分解したバックホーをタワークレーンで吊ってダム堤体の上に降ろし、手作業で組み立てる。この作業をたった2時間で完了させたという。これをダム工事の進捗に合わせ、5~6回も繰り返した。組み立て、トラブルシューティング、なんでもOKの小島業務主査は、取得した資格の数もすごい。
小島「自動車関係の免許はけん引、大型特殊、大型自動二輪まで、一種は全て持っています。もちろん重機関係の技能資格、整備に必要な資格もアクティオで必要とされるものは全て取得しました。全部で25~30くらいですかね。今、建設機械整備技能士は1級しか持っていないので、特級を目指して勉強中です」
建設機械整備技能士の特級は、東北支店でも数名しか保有者がいない。小島業務主査のようなスタッフによって、質の高い品質が保たれているのだ。
東北支店の基幹工場をけん引する工場長
宮城県全域と福島県の浜通り(太平洋側沿岸)、山形県の一部をカバーしているのが仙台工場だ。整備棟だけでも約1,500坪もあり、棟内にホイストが5基(10t×1、4.8t×4)も設置されている。約25名のスタッフが従事し、特に大型の発電機やバックホーの取り扱いが多いのが特徴だ。そんな仙台工場で陣頭指揮を執るのが、阿部拓郎 工場長である。
阿部「私は秋田出身で10年くらい秋田工場にいました。その後、岩手県の北上工場に3年、岩手工場で4年勤めた後、2020年1月、仙台工場に異動になりました。ご覧の通り仙台工場は東北一のスケールで、入出庫量も最大です。やはり営業所から求められる期待も大きいですね」
そんな仙台工場を任されて、どのような目標を持っているのだろうか?
阿部「全国的にも一番の工場にしたいですね。『何をもって一番か』と聞かれると困るのですが、生産台数、品質、営業所の要求に応えられる、有事の際もすぐに動ける、周りの評価など、あらゆる面で一番にしたいと思っています」
確かに工場をひと周りしてみると、工場内部はもちろんのこと、トイレのスリッパまで整理整頓が行き届いている。これはなかなかできることではない。
阿部「事故を未然に防ぐために整理整頓は欠かせません。自ずと生産台数や品質にも良い効果をもたらします。お客様が頻繁に来店する場所ではありませんが、いつ来店されてもOKという心構えで、日々取り組んでいます」
今回、宮城県内にある営業所や工場を訪ね、多くのスタッフにインタビューを行った。誰に会っても顔をのぞかせるのは、愚直なまでにレンサルティングを具現化し続ける、辛抱強さ、芯の強さ。その強さを基盤にして東北支店は、東日本大震災という未曾有の災害をも乗り越え、営業所や工場を再建し現在に至っている。東北シリーズ3回目の次回は、原発事故の最前線で奮闘する福島プロジェクトをお伝えしたい。
※記事の情報は2023年1月31日時点のものです。
※2024年1月の組織改編に伴い「支店」は「支社」に、「ブロック」は「支店」に改編されています。