2023.01.24

体制とサービスを充実させ次の10年へ〈支店探訪:東北支店 1 〉 支店探訪シリーズの2回目は、東北支店にスポットを当てる。支店長に始まり、宮城や福島のブロック長、業務(※1)、フロント(※2)、事務のスタッフ、仙台工場長へのインタビュー、さらには復興関連の福島プロジェクトも取材し、東北ならではのレンサルティングを掘り下げて紹介する。

※1 業務:機械の整備・修理や安全管理等を行う
※2 フロント:お客様のご注文に対する最適な商品選定や効率的な運送管理、機械運用を主とする営業拠点の窓口

体制とサービスを充実させ次の10年へ〈支店探訪:東北支店 1 〉

次々と改革を進める支店長の手腕

東北支店はアクティオの前身である新電気株式会社の2番目の支店として、1979年に開設された。青森・岩手・宮城・秋田・山形・福島の6県を管轄し、営業所と出張所が58拠点、工場とセンターが15拠点もあり、約600名のスタッフを抱える大所帯だ。

2000年以降、東北支店は10年を節目に大きな転換期を迎えてきた。2000~2009年はリーマンショックもあり、苦しい時代が続いた。次の10年は東日本大震災の被害に苦しみながらも、復興による特需があった。その特需が落ち着き始め、次の10年をどうビルドアップするか......。そんな課題を解決するために2020年、東北支店に赴任したのが戸澤正治 執行役員 東北支店長(東日本副支社長を兼務)である。


戸澤支店長は1992年にアクティオに入社。茨城支店長、解体事業部長などを歴任し、現在に至る戸澤支店長は1992年にアクティオに入社。茨城支店長、解体事業部長などを歴任し、現在に至る


赴任以来、戸澤支店長はさまざまな改革を行ってきた。そのひとつが、目に見えて分かるオフィスのレイアウトだ。極限までスッキリと片づいたデスク。人の顔を隠すパソコンの大きなモニターはない。まるでスタートアップ企業のような見通しの良さなのである。

戸澤「東北支店に来たときは、部署ごとに島をつくり、机の上にはパソコン、モニター、書類が山積みでした。同じ部屋にいるのに、同じ部署の人としか話をしない。大事な書類が埋もれがち......。この環境を変えなくてはと強く思いました」

戸澤支店長はもともと机の上にはモノを置きたくない性格なこともあり、フリーアドレス、会議室のあるべき姿など条件をいくつか提示し、プロジェクトチームに投げた。そうして1年前に完成したのが、今のオフィスである。一般的なデスクに加え、立って作業できるくらい高いデスク、ファミレス風の席、開放的な会議室、オンラインミーティング用のブースなど、社員の意見も存分に反映したオフィスに生まれ変わった。


戸澤
「こういうオープンなオフィスになると、今まではほとんど会話しなかった社員同士が、たまたま隣の席になることで会話するようになる。あちらこちらで打ち合わせが行われる。つまり風通しがよくなり、連絡が密になることで仕事がスピーディーに進むようになり、社員の士気も高まる。それが結果としてお客様に反映され、大きな信頼や質の高いサービスを生むことになるのです」

(左)席はフリーアドレスだが自分で決めるのではなく、アプリによって毎日シャッフルされる仕組みだ。あちらこちらで会話が生まれており、風通しの良さがうかがえる。ちなみに、パソコンはラップトップ+モニター(タブレットサイズ)が基本なので、そのままリモートワークにも対応可能 (右)会議室はガラス張りとなっている

(左)席はフリーアドレスだが自分で決めるのではなく、アプリによって毎日シャッフルされる仕組みだ。あちらこちらで会話が生まれており、風通しの良さがうかがえる。ちなみに、パソコンはラップトップ+モニター(タブレットサイズ)が基本なので、そのままリモートワークにも対応可能 (右)会議室はガラス張りとなっている

(左)ファミレス風の席は、ランチミーティングの際に重宝する (右)オンライン会議に使用するブースも用意されている

(左)ファミレス風の席は、ランチミーティングの際に重宝する (右)オンライン会議に使用するブースも用意されている



営業所を支援する30名の精鋭部隊


新しいオフィスを改めて見渡すと、大きな支店の割りにスタッフが少ないように見える。その理由を尋ねると......。


戸澤「東北支店の中から専門知識を持った30名を集め、新しい営業部を作りました。オフィスは仙台営業所の敷地内に別棟で構えています。その部隊は売り上げを立てず、あくまでも営業所の営業支援です。今までは営業所の所長がお客様の課題に対し、ひとりで頭を悩ませていた。しかし、その部隊に相談すれば、どんな問い合わせや困り事もスピーディーに解決できます。部署名は営業部ですが、技術部のような側面もあります」


技術部はアクティオ本社にある。しかし、全国の案件を処理するため、東北支店の専属というわけにはいかない。スピードを重視する戸澤支店長にとって、そこが歯がゆかったのだ。


戸澤「もちろん、本社の技術部とは密に連携をとっています。技術部は知恵袋的な存在ですね。まずは我々でチャレンジしてみて、足りない部分を補ってもらう。良い関係性を保ちながら、スピードは落とさない。結果として、お客様にご納得いただけるレンサルティングにつながっています」


取材日には、ちょうど営業スタッフの勉強会が行われていた。この日はエンジニアリング事業部にも協力してもらい、今後、東北地方でも活発化する風力発電に関連する知識を吸収する機会となったようだ取材日には、ちょうど営業スタッフの勉強会が行われていた。この日はエンジニアリング事業部にも協力してもらい、今後、東北地方でも活発化する風力発電に関連する知識を吸収する機会となったようだ



主力商品の物流や整備拠点も整備

改革の矛先は、事業部にも向けられている。

戸澤「いくら営業しても、モノがなければ話になりません。東京から運びます、では遅いんです。東北という土地柄、林業や解体関連の商品の需要が高いんですよ。だったら機械運用や修理が可能な箱を作って、専門のスタッフ、管理職まで投入して、ガンガン回そうと考えています」


戸澤支店長は赴任後、解体の拠点を青森、宮城、山形、福島に、小型機械の拠点を青森に設置。さらにグループ会社のエスアールエスにも支援を仰ぎ、バックホーのアタッチメントやユニットハウスの拠点もつくり上げた。盤石の布陣である。仙台生まれで東北を知り尽くした伊藤祐二副支店長も太鼓判を押す。

伊藤「発電機やポンプは、同業他社にいくらでもあるんですね。でも林業や解体、バックホーのアタッチメントなどの拠点は、どこにもないんですよ。これは大きな武器になります」

伊藤副支店長は戸澤支店長の右腕的存在。二人三脚で東北支店をけん引している伊藤副支店長は戸澤支店長の右腕的存在。二人三脚で東北支店をけん引している



震災前の年間売り上げを1とすると、震災後、復興特需により売り上げは2.5に伸びた。たとえ復興特需がなくなったとしても、売り上げは落とさない。むしろ伸ばすというのが戸澤支店長の方針だ。そのために社員の意識を変え、実働部隊である営業所の支援体制を構築し、主力商品の物流や整備拠点もつくり上げたのである。


戸澤「東北における我々のシェアは約20%です。つまり、まだまだ仕事はたくさんあるということです。でも、当たり前ですがただ単に『仕事をください』と言っても通用しません。例えば安全という切り口から新しいお取り引きを始めることができるかもしれない。特に大手企業は安全を重視しますので、安全教育のプログラムをご用意し、その講習を受けてから仕事を始めていただくという仕組みをつくれば、最初に必ずアクティオが関わることになります。これは大きい。ほかにも点検など、お客様のお役に立てる手立てはたくさんあります」

安全や点検に関するシステムづくりを、施工会社が自ら構築するのは難しい。アクティオには、それを実現させるノウハウ、技術、人材、機械のすべてがある。その強みを十二分に発揮することで、レンサルティングが具現化していくのだ。


次回からは各営業所や工場のキーパーソンに話を聞き、東北支店のレンサルティングをさらに掘り下げていく。


※記事の情報は2023年1月24日時点のものです。


※2024年1月の組織改編に伴い「支店」は「支社」に、「ブロック」は「支店」に改編されています。


〈支店探訪:東北支店 2 〉へ続く

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