2019.11.28

レンサルティングの精度を高める!技術部体験研修会 物も知恵も貸すアクティオの「レンサルティング」。これを実現するための営業活動には、技術的な知識が必要不可欠。より精度の高いレンサルティングを実現するため、アクティオでは若手営業社員を対象に「技術教育」を行っている。それが「技術部体験研修会」だ。

レンサルティングの精度を高める!技術部体験研修会

技術部体験研修会を全国の支店で開催

体験研修会は、本社技術部が主催し、5月から10月の間に全国の支店をまわって開催される。各支店の若手営業社員を対象に、実際に機械を触って現場の体験をする研修だ。研修の講師は、各支店で任命された技術に詳しい「技術担当者」が務め、本社技術部員が全国に散らばってバックアップを行う。始まったのは2010年。10年目を迎え、すっかり社内に定着した。



3つのテーマ

技術部体験研修会は、3つのテーマで学習していく。1年に1つのテーマを学び、3年間でひと回りする。そのテーマとは「水」「電気」「空気」。これらはそれぞれ、アクティオで汎用機と呼ばれる代表的なレンタル機材、「水中ポンプ」「発電機」「エアー機器(コンプレッサーなど)」に対応している。今年2019年のテーマは「水」、すなわち水中ポンプについて研修を行った。

この3つのテーマをマスターすることで、どこの支店でもニーズが多い、水中ポンプ、発電機、コンプレッサーなどの知識、技術が身につくのだ。



技術の基礎体力作り

カリキュラムを組み、研修を主導するのは本社技術部だ。担当の技術部企画計画課の太田八生課長にお話を聞いた。
技術部企画計画課の太田八生課長体験研修会を取り仕切る太田課長。研修会の意味と成果を熱く語って頂いた


――研修会が始まった経緯を教えてください。

太田:きっかけをひとことで言うと「レンサルティング営業ができる人材をしっかり育てたい」ということです。2010年に始めたのですが、それまで、全国の支店で統一的に技術研修を行う制度はありませんでした。若手の技術指導をどうしていたのかというと、支店や営業所でそれぞれ先輩社員が指導するか、独学するかという状態でした。

――配属先によって、知識レベルがバラバラだったのですね?

太田:そうです。それをうまく平準化し、なおかつ底上げを図っていこうというのが大きな狙いです。

――研修の流れを教えてください。

太田:研修は2日間行います。初日は座学で、最初にやるのは参加者に自分の知識レベルを自覚してもらうためのテストです。テストが終わったあと1日かけて、私どもが作った教材を使って講義を行います。

座学座学。各支店の技術担当者が講師を務める


――座学の教材を拝見しましたが、とても凝ったつくりですね。

太田:教材は毎年毎年、手を加えながらブラッシュアップしてきました。飽きずに学べるように、色々と工夫を凝らしています。

座学に使われるテキスト座学に使われるテキスト

ただいまテスト中ただいまテスト中

太田:2日目は、初日の座学の内容が理解できたか、もう一度テストを行い、どれだけ知識レベルが高まったか実感してもらいます。残りの時間が実技研修で、実際に機械を触って実機を体験してもらいます。現場の手順に沿って機械をセットアップして実際に動かしてみます。

――3つのテーマそれぞれでどんなことを学ぶのか教えてください。今年2019年のテーマは「水」、水中ポンプでしたね。

太田:水中ポンプはアクティオの原点とも言えるもので、実際お客さまからのお問い合わせも、一番多いのではないかと思います。水中ポンプと一口に言っても、さまざまなものがあります。現場のニーズに合わせて、適切なポンプの選定を行えるようになることが目標です。ポンプ選定のための各種計算や、実際のポンプシステムを組み上げてポンプを稼働させる実技を行います。

アクティオの原点、水中ポンプアクティオの原点、水中ポンプ

実習で実際に組んだポンプの配管図今年の実習で実際に組んだポンプの配管図

ポンプの実習風景。配管を組み立て、実際に動かすポンプの実習風景。配管を組み立て、実際に動かす

実習で実際に組んだポンプの配管図

――電気はどうですか?

太田:これは主に発電機についての研修です。発電機もさまざまな能力のものがありますから、現場にあった適切なものを選定する必要があります。そのために必要なボルト、アンペア、ワットといった電気の基礎知識から始まり、機種選定に欠かせない計算式を学びます。実習では発電機に負荷を接続して実際に稼働させます。

――最後にエアーですが、これはどんな機器が対象なのでしょうか?

太田:エアー機器で一番需要があるのが、コンプレッサーです。ハツリ工事で使うブレーカーの動力源として使います。ブレーカーの台数からコンプレッサーを選定したり、実際に機器を接続して稼働させます。また、トンネル現場などでの換気を行う送風機の選定なども学びます。

――参加者の反応はどうですか?

太田:支店の営業社員は文系の人も多く、この研修を受けるまでに実機を触ったことがない人もいます。そういう人にとっては、この研修が貴重な機会になっているようです。毎回アンケートも取っているのですが、実際に機械を触って動かすという体験に感動した、という声が多いですね。支店によって若手営業社員の現場経験に差があるので、その平準化には寄与できているという印象を持っています。

若手営業社員にとって実機を触る機会は貴重だ若手営業社員にとって実機を触る機会は貴重だ



高まるレンサルティングへの意識


――研修の成果としてはどのようなことが挙げられますか?

太田:研修の大きな目的は「レンサルティング営業」ができる人材、すなわち提案力のある営業社員を育てることです。研修を通じて技術の基本知識が身につくことで、営業の質が高まってきたと思います。

――レンサルティングの精度が上がっていると思いますか?

太田:はい。我々技術部には各支店の営業社員から、お客さまが抱えるさまざまな課題について相談がきます。その相談の質が良くなってきているという印象があります。お客さまが抱える問題点を、より深いところから拾い上げる力がついてきているというか。かつては表面的なカタログ情報でしか対応できなかった営業社員でも、機種選定の根拠などをしっかり理解することで、的確にお客さまのニーズを汲み取れるようになってきていると思います。


体験研修会の今後


――今後、体験研修はどのように変化していくのでしょうか?

太田:色々と計画はあります。今後も技術の基本的なところは変わりませんので、そこはさらにしっかりやっていくとして、基礎からもう一歩踏み込んだ、深掘りの研修も行っていきたいと考えています。

――例えばどのような研修ですか?

太田:今検討中なのは、中堅営業社員向けの研修です。ある程度経験を積んだ中堅営業社員向けに、より現場の案件に即した研修ができないか、カリキュラムを検討しています。例えば架空の案件を作って、この課題をどう解決していくのか、みたいなものとか。

――より現場的な研修ということですね。

太田:そうですね。特殊な重機などは、ピンポイントのセミナーや勉強会も行われているのですが、水中ポンプや発電機などの汎用機については意外に深掘りして学ぶ機会が少ないんです。こういう研修を通して「自分なりのレンサルティング」を考えるきっかけにして欲しいと思います。

意見を交換し合い、自分なりのレンサルティングを考える意見を交換し合い、自分なりのレンサルティングを考える



社内の知見をシェアすることで 人のつながりも強くなる

技術部体験研修会と同じ時期に始まった研修に、初心者向けのCAD研修がある。CADの知識は、各種図面の作成や、新商品の検討などには欠かせない。毎年社内及びグループ会社で受講希望者を募り、講師とマンツーマンでCADの研修が行われている。使用ソフトは業界標準のAutoCAD(2D)とJw_cad(2D)だ。
CAD講習。マンツーマンで指導が受けられるCAD講習。マンツーマンで指導が受けられる

技術部社内研修会やCAD研修の開催を機に、各事業部主催の勉強会が盛んに行われるようになったという。支店、営業所、グループ会社の垣根をまたいで人が集まる研修会や勉強会は、社員同士や、グループ会社との横のつながりを深める効果もある。勉強会、研修会を通じて社内の知見をシェアすると共に、アクティオグループの結束もまた強くなっていくのだ。

北海道支店の体験研修会記念写真。青い制服はグループ会社である株式会社共成レンテムの社員だ北海道支店の体験研修会記念写真。青い制服はグループ会社である株式会社共成レンテムの社員だ


※記事の情報は2019年11月28日時点のものです。


※2024年1月の組織改編に伴い「支店」は「支社」に改編されています。

アーカイブ

ページトップ