2024.04.19

長尺の吊り荷を自在に操る! 「ビタロードナビゲーター」 「ビタロードナビゲーター」は、クレーン作業における吊り荷の回転・停止をリモコンで自在にコントロールする装置だ。従来、吊り荷の回転制御は地上から人力で行われており、危険を伴うだけでなく、作業員の負担も大きかった。ビタロードナビゲーターを用いることで、この作業を安全かつ効率的に行い、作業員の負担を大幅に軽減できる。

強力ファンの力で吊り荷をコントロール

「ビタロードナビゲーター」は、見通し約100mの距離から、リモコンで吊り荷の回転・停止をコントロールできる装置だ。吊り荷許容荷重は40t。バッテリー駆動で最長12時間の連続使用が可能だ。吊り荷に近づくことなく操作できるため、現場の安全確保に大きく貢献する。


ビタロードナビゲータービタロードナビゲーター


吊り荷の制御は、装置両端にある強力なファンを使って行う。吊り荷を任意の角度で回転できるほか、リアルタイムに荷の姿勢を検知し、空中で静止させることも可能だ。


クレーンや吊り荷に近づくことなく回転制御ができるクレーンや吊り荷に近づくことなく回転制御ができる


装置両端にあるファンユニットで吊り荷をコントロールする装置両端にあるファンユニットで吊り荷をコントロールする




方位メモリ機能を搭載

ビタロードナビゲーターは、「方位メモリ」と呼ばれる画期的な機能を搭載している。これは、本体のGNSSコンパスを使って吊り荷の方位を検出し、指定した方向に保持するというもの。いったん方位を設定すればクレーンの旋回にかかわらず、自動的に吊り荷の方向を保つことができる。


これにより、オペレータは目視による煩雑なコントロールから解放されるのだ。特に、同じ場所から同じ場所へ繰り返し荷役が発生する現場で、大きな力を発揮する。


方位メモリ機能を使えば、クレーンの旋回にかかわらず、常に吊り荷の方向を維持できる方位メモリ機能を使えば、クレーンの旋回にかかわらず、常に吊り荷の方向を維持できる




長尺の吊り荷で本領を発揮

ビタロードナビゲーターがその本領を発揮するのは、橋梁の掛け替えなど巨大インフラ工事の現場だ。こうした現場では、長い鉄骨など「長尺で重量のある吊り荷」を頻繁に動かす必要がある。これらを安全に動かすには、荷の回転軸(クレーンのフック)から荷の先端までの長さに影響される「慣性モーメント」という力に注意する必要がある。


慣性モーメントとは「吊り荷がどれだけ回転しにくいか」を示す数値で、この値が大きいほど制御が難しくなり、大きな力を必要とする。鉄骨のように棒状で質量の分布が均一な荷の場合は、長くなればなるほど慣性モーメントは大きくなるのだ。これを克服するには、回転制御装置自身も対抗できるだけの大きな慣性モーメントを持つ必要がある。


ビタロードナビゲーターは、このような吊り荷の巨大な慣性モーメントに対抗するため、制御を担うファン同士の距離を最大40mまで引き伸ばすことができる(オプション延長ボックスを使用)。これによりビタロードナビゲーター自身の慣性モーメントが増し、長尺の吊り荷をしっかりと制御できるようになるのだ。


オプションの延長ボックスを使って、ファンの距離を最大40mまで延長できるオプションの延長ボックスを使って、ファンの距離を最大40mまで延長できる




クレーン作業の安全と効率を求めて

土木・建築のあらゆる現場で日々行われているクレーンの荷役。吊り荷回転制御装置は、作業の安全性向上と効率化を目指してニーズが高まっており、普及も進んでいる。中でも、これまで制御が難しかった長尺の吊り荷をコントロールできるビタロードナビゲーターは、画期的な製品と言えるだろう。


※記事の情報は2024年4月19日時点のものです。


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ビタロードナビゲーター(吊荷旋回制御装置)(アクティオ公式サイト)

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