2024.08.23

資材の搬入など揚重作業で活躍! 小型移動式クレーンを種類別にご紹介 5t未満の資材を吊り上げる小型移動式クレーン。あらゆるクレーンの中でも場所を選ばずに移動できることが特長で、資材の荷揚げや荷下ろし、運搬などの場面で欠かせない存在だ。今回はアクティオがレンタルする多彩な小型移動式クレーンを、用途に応じて①トラッククレーン ②クローラクレーン ③鉄道クレーン ④クレーン機能付バックホーの4種類に分け、それぞれの代表的な商品を紹介する。

資材の搬入など揚重作業で活躍! 小型移動式クレーンを種類別にご紹介

小型移動式クレーンとは?

移動式クレーンとは、「原動機を内蔵し、かつ、不特定の場所に移動させることができるクレーン」(労働安全衛生法施行令第1条第8号)と定義されている。このうち、吊り上げ荷重が1t以上5t未満の移動式クレーンを「小型移動式クレーン」という。


移動式クレーンを運転するには、吊り上げ荷重に応じた資格が必要だ。


【移動式クレーンに必要な資格(吊り上げ荷重別)】

・5t以上:移動式クレーン運転士免許(①)

・1t以上5t未満:小型移動式クレーン運転技能講習(②)

・1t未満:移動式クレーン運転の特別教育

※①を取得していれば5t未満も、②を修了していれば1t未満も運転できる


今回は「小型移動式クレーン」に焦点を当て、アクティオの商品ラインナップを種類別に紹介する。




〈①トラッククレーン〉走行性に優れ、運搬機能も備える。荷役、重量物の輸送などに利用

アクティオがレンタルするトラッククレーンは、トラックの運転室と荷台の間にクレーン装置を搭載した「積載形トラッククレーン」だ。荷台に貨物を積載できるため、「吊る」「積む」「降ろす」というクレーン機能のほか、「運ぶ」という運搬機能も持ち合わせている。一般道路をタイヤで高速走行でき、資材の荷揚げや荷下ろし、重量物の輸送などで活躍する。


■2~4tトラッククレーン付

2~4tトラッククレーン付


「2~4tトラッククレーン付」は、クレーン機能の付いたトラックで、2~4tクラス、ブームは3~5段でさまざまなタイプをそろえている。仕様はメーカーによって異なるが、ラジコン仕様車やETC車載器が付いたタイプもある。




〈②クローラクレーン〉不整地でも走行可能! 土木・建築工事、石材の据付工事など屋内外で活躍

クローラクレーンは、足回りがクローラ式の走行フレームにクレーン装置を備えたもので、設置面積がタイヤより広いため、不整地や軟弱な地盤でも安定して走行できる。基礎土木工事や建築、港湾工事のほか、建物内での荷役作業、石材の設置や造園工事など、幅広い用途で使用される。公道を走行することはできないため、トレーラーなどに積載して運搬する必要がある。


■クローラクレーン(2.9t/4.9t/4.9tヘビーウェイト)

クローラクレーン(2.9t/4.9t/4.9tヘビーウェイト)左から、2.9t、4.9t、4.9tヘビーウェイト


アクティオは、最大吊上荷重×作業半径が2.93t×1.5mの「2.9t」、4.9t×2.1mの「4.9t」、4.9t×3.2mの「4.9tヘビーウェイト」などのクローラクレーンを取り扱っている。写真はいずれも前田製作所製で、2.9tが国土交通省の超低騒音型建設機械に、4.9tと4.9tヘビーウェイトが低騒音型建設機械に指定されている。


後者の2種は、車体情報、モーメントリミッター情報、後方モニターを一元化して表示できるマルチモニターを採用しており、クレーン作業の記録や消耗品の一覧を表示できる。3種いずれも高さ、角度、長さを制限する作業範囲規制機能や、後方カメラ、過巻下防止装置、3色回転灯などの安全機能を備えている。


■カニクレーン

カニクレーン


「カニクレーン」(前田製作所)は、その名の通り、カニのような形をしたコンパクトなクレーンだ。クレーンやアウトリガを格納して移動可能なため、エレベーターや建物の間など狭い場所にも出入りでき、墓石や石碑の据付工事、内装工事などで活躍する。


最大吊上荷重×作業半径が2.82t×1.4mの「MC-285C-2」、2.98t×2.5mの「MC-305C-2」などを用意している。安全なクレーン作業を実現させる「アウトリガインターロック」を装備するほか、「モーメントリミッター」により作業に合わせて揚程、作業半径、角度を制限できる。国土交通省の低騒音型建設機械に指定されており、静かに作業できるのも特長だ。


■カニクレーン ナックルブーム(電動併用仕様)

カニクレーン ナックルブーム(電動併用仕様)(左)作業時 (右)折りたたみ時


小型クレーン「カニクレーン ナックルブーム(電動併用仕様)」(前田製作所)は、エンジン・モーター併用のため、現場に応じて排気ガスを出さずに作業が行える。最大吊上荷重×作業半径は、0.82t×2.3m。最大作業半径は9.73mと広く、3段ブームと3段ジブにより障害物越しの作業に力を発揮する。折りたたみ時は全長3,235mm×全幅750mm×全高1,990mmとコンパクトで、狭い現場にも楽に搬入できる。



■ミニクレーン(オールバッテリー仕様)

ミニクレーン(オールバッテリー仕様)


「ミニクレーン(オールバッテリー仕様)」(古河ユニック)は、電動式で排気ガスや騒音を大幅に低減する。待機状態ではモーターも停止し、完全無音になるため騒音もゼロ。あらゆる現場で静かな作業が可能だ。最大吊上荷重×作業半径は、2.93t×1.4m。アクティオが扱う移動式クレーンの中でも小型で、全長2,720mm×全幅690mm×全高1,525mm。狭い屋内をスムーズに走行できる。


最大作業時間は連続4~4.5時間。バッテリー残量が0%になった場合でも、クレーンの格納・撤収を可能にする「予備バッテリーモード」や、一定の待機状態が続くと電源をオフにする「クレーン電源自動停止機能」など、安全機能を装備している。




〈③鉄道クレーン〉鉄道工事やトンネル工事などで活躍する軌陸車

鉄道クレーンは、軌道(線路)と道路の両方を走行できる車両「軌道陸上兼用車」にクレーン装置を搭載したもので、鉄道に関する工事、橋梁架設工事に用いられる。


■軌陸トラッククレーン付

軌陸トラッククレーン付


「軌陸トラッククレーン付」は、2.9t吊りフックインのクレーン装置を備えた軌陸トラック。型式は、6速オートマチックの「OR3CM-003」(アクティオ自社製)と、6速マニュアルの「UJ092」(アイチコーポレーション社製)などがある。いずれも非常用ポンプを搭載しており、緊急時に手動操作(一部電動ポンプなど)でクレーン装置や車輪の張出、格納などが行える。高さ制限装置や、アウトリガの格納を忘れた際の警告装置も付いている。


「OR3CM-003」はタイヤの動力で中間輪を回して鉄輪を駆動し、車両と連動したアクセルペダルとブレーキペダルにより、安全かつ簡単に操作が可能だ。狭軌、中軌、標準軌に対応し、転車台は重量の配置などの重量配分を考慮し、確度を調整できる仕様となっている。


「UJ092」は油圧ポンプの動力で鉄輪を駆動するタイプで、油圧操作により、簡単に狭軌、中軌、標準軌を切り替えられる。またカント(カーブなどで2つのレールの頭部上面に高低差を設けた箇所)補正装置付きのため、カント箇所でのクレーン作業が安全に行える。クレーン装置の左右水平を保持した状態でも、鉄輪はカントなりに傾いているため、脱線しづらく安定して作業できる。


■軌陸クローラクレーン

軌陸クローラクレーン


「軌陸クローラクレーン」(コベルコ)は油圧駆動式の軌陸用クレーンで、最大吊上能力が4.9t×2.1m。オンレールでの走行速度は時速約27kmと、スピーディーに移動できる。緊急時には、補助エンジンや手動ポンプを使用して緊急退避が可能だ。補助エンジンは運転席からキー操作で起動するほか、リコイルによる起動もできる。なお、2.9t吊やヘビーウェイトタイプも用意している。




〈④クレーン機能付バックホー〉道路工事や基礎土木工事で役立つ「掘る」「吊る」の1台2役

クレーン機能付バックホーは、油圧ショベルにクレーン機能を備えたもので、クレーンとショベルモードの切り替え、フックのセットアップにより、1台で掘削作業とクレーン作業を使い分けられる。道路工事や上下水道工事、基礎土木工事など、掘削作業と吊り作業が両方必要な現場で役立つ。


■クレーン機能付バックホー

クレーン機能付バックホー


アクティオは、吊り上げ能力や作業範囲に応じて、さまざまなタイプの「クレーン機能付バックホー」をそろえている。


「SK200-8」(コベルコ)は最大吊上能力が2.9t×4.0mで、NETIS登録商品(登録番号:KK-100065-A)に登録されている。クレーンモード時の走行速度は時速1.7km。低騒音・低振動であるほか、粒子状物質(PM)、窒素酸化物(NOx)、黒煙などの排出を最小限に抑え、アイドリングストップ機能を標準装備。環境に配慮した設計で、2006年施行のオフロード法(特定特殊自動車排出ガスの規制等に関する法律)に適合している。


最大吊上能力が2.9t×5.8mの「SH200-5」(住友建機)は、外れ止め付き吊りフックを備えており、未使用時はバケットリンクに収納できる。荷重表示モニターのクレーンスイッチを押すことで、「バケットの開き操作をロック」「外部表示灯を点灯」といった安全装置が作動する。ブームシリンダとアームシリンダに落下防止弁を装備しており、クレーン作業中に油圧ホースが損傷した場合も、圧力低下による急激な落下を防いでくれる。


このほかにも、アクティオは後方小旋回や小旋回、配管仕様など、クレーン機能の付いたバックホーを多数取り扱っているので、ぜひ現場に合わせて選んでほしい。


※本記事に掲載した安全装置は全て安全を補助する装置です。100%事故を防ぐものではございません。使用にあたっても従来通りの安全注意事項を必ずお守りください。


※記事の情報は2024年8月23日時点のものです。


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〈ご参考までに...〉

2~4tトラッククレーン付(アクティオ公式サイト)

クローラクレーン2.9t(アクティオ公式サイト)

クローラクレーン4.9t(アクティオ公式サイト)

クローラクレーン4.9t ヘビーウェイト(アクティオ公式サイト)

カニクレーン(アクティオ公式サイト)

カニクレーン ナックルブーム(電動併用仕様)(アクティオ公式サイト)

ミニクレーン(オールバッテリー仕様)(アクティオ公式サイト)

軌陸トラッククレーン付(アクティオ公式サイト)

軌陸クローラクレーン(アクティオ公式サイト)

クレーン機能付バックホー(アクティオ公式サイト)

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