2019.11.19

1車線で施工できる「パイプライン敷設装置」 パイプラインと聞くと、中東の砂漠に敷設された原油用がパッと頭に浮かぶ。しかし、パイプラインは液体用とは限らず、天然ガスやLPGといった気体用もあり、さらに敷設場所は地上、地中、はたまた海底など、さまざまだ。そんなパイプライン、実は日本にも敷設されており、新しい施工方法には日本ならではの土地柄が反映されている。

1車線で施工できる「パイプライン敷設装置」

世界に1台しかない専用車両を共同開発

パイプラインは液体や気体を長距離にわたって輸送する管路で、日本においてはガス管が一般的だ。ガス用の鋼管を道路下に敷設する際は、大型搬入車両とラフタークレーンを使用するため、2車線以上の交通規制が強いられる。結果的に渋滞を誘発することとなり、多くの工事関係者が頭を悩ませていた。

ガス管を敷設する際、2車線以上の交通を規制する必要があるため、特に都市部の工事では渋滞の誘発がネックとなる。ガス管を敷設する際、2車線以上の交通を規制する必要があるため、特に都市部の工事では渋滞の誘発がネックとなる。


どうにか1車線で施工できないものか...。そんな日鉄パイプライン&エンジニアリング株式会社のオーダーにアクティオが応え、アクティオ技術部が中心となって共同開発したのが「パイプライン敷設装置」。大型セーフティーローダー車を架装し、荷台上に設けたスライドフレームとレールで鋼管を直接開削箇所へ投入するわけだ。

アクティオ技術部が中心となって共同開発したのが「パイプライン敷設装置」。

このように書くと簡単そうに思えるが、開発期間は約1年半もかかっている。いままでにない特殊車両の開発となるため、発注先とひざ詰めで条件を洗い出し、それをスペックに落とし込み、構成図を作り上げるのに約半年。施工手順を念入りに確認し、詳細設計、架装に1年を要した。こうして完成したのが「パイプライン敷設装置」。世界に1台しかなく、特許も取得した。

ヤードで鋼管を積載し、現場到着後、荷台を傾けることで傾斜を作り、鋼管の自重で下ろす仕組み。昇降レールと投入台車、鋼管を一体で降ろし、掘削した穴に鋼管をチェーンブロックで落とし込み、鋼管を溶接して繋ぎ合わせていく。ヤードで鋼管を積載し、現場到着後、荷台を傾けることで傾斜を作り、鋼管の自重で下ろす仕組み。昇降レールと投入台車、鋼管を一体で降ろし、掘削した穴に鋼管をチェーンブロックで落とし込み、鋼管を溶接して繋ぎ合わせていく。




レンサルティングを具現化する技術部

2010年に創設された少数精鋭の部署が技術部である。技術部はいままでに「根こそぎ切るソー」を始めとするさまざまなプライベート商品を世に送り出してきた。さらにラジコンバックホーの無線LAN化やシャフト式水中掘削機などの開発に加え、国家的事業にも参画している。アクティオが今回紹介したようなレンサルティングを標榜する上で、なくてはならない部署。それが技術部なのである。

今回お話をうかがったアクティオ 技術部 副部長・技術推進課長の北原貴明さん。

今回お話をうかがったアクティオ 技術部 副部長・技術推進課長の北原貴明さん。


※記事の情報は2019年11月19日時点のものです。

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