オリジナル・共同開発商品
2019.02.12
ハイブリッド投光車の実力を検証! アクティオから登場した最新のLEDハイブリッド投光車は、光源にLEDランプを使い、ハイブリッド式の発電機で電力を得る未来志向の投光車だ。その実力に迫ってみたい。
LED投光器の実力
省エネ照明の代表選手であるLEDライトは、現在家庭や店舗のみならず、映画やテレビ撮影時の照明、そして夜間工事用の投光器として完全に市民権を得ている。しかしLEDは白熱球と違い、光が広がらずに直進する性質があるため、そのまま使ったのではとてもまぶしい照明になってしまう。直進する光を拡散させ、人の眼に優しい光源にする必要があるのだ。
LEDの光を拡散させるには、フィルターを使用したり、反射を利用するものなど、いくつかの方法がある。アクティオのLED投光器は、小さなLEDランプをたくさん並べ、その一つ一つにレンズを取り付けて光を拡散させる方式をとっている。これにより均一で、柔らかい照明を実現しているのだ。
LEDの省エネ効果についてはアクティオの従来機と比較するとわかりやすい。従来は光源として水銀灯を使用しており、水銀灯1,000W×6灯、発電機は10kVAという仕様だった。これをLEDに替えることで、LED300W×6灯、発電機は3kVAにまで省エネ化された。省エネ、CO2削減を達成した上で、水銀灯1,000W×6灯と同等の照度を実現しているのだ。
ちなみに、照度は38,000lm(ルーメン)を確保している。また、LEDの場合、水銀灯と違って、点灯してからの立ち上がりが早いのもメリットのひとつだ。
ハイブリッド発電機
アクティオのLEDハイブリッド式投光車は、ディーゼルエンジンとバッテリーからなるハイブリッド発電機を搭載している。現場でのハイブリッド発電機は以下のようなプログラムで動いている。
- 交流100Vでバッテリーを満充電後、LED300W×6灯を4時間点灯。
- 4時間後、バッテリー残量が低下すると自動的にエンジンが始動。エンジン発電機側からライトへの電源供給とバッテリー充電を行う「ハイブリッド運転」となる。
- 1時間エンジン発電機駆動+充電→40分バッテリー駆動を3回繰り返す。
- その後はエンジン駆動で充電をしながら、7時間の点灯。
こうして都合16時間の連続投光が可能になる。このうち1から3までのバッテリー及びハイブリッド運転の合計は9時間だ。工事用の投光器には、ざっくり一晩、長さにして8時間~10時間程度の連続点灯が求められるが、そのほとんどをバッテリーとハイブリッド運転でまかなえるプログラムになっている。省エネ、環境性能、効率のバランスのとれた運用と言えるだろう。
なお、この投光車は、油圧系のトラブルに対処する「緊急脱出装置」が接続できる。万が一、エンジントラブルなどで油圧系が動かなくなり、アームやアウトリガーの収納ができなくなってしまっても、現場からの車両の搬出が可能になっている。現場撤収時間厳守の空港などでの夜間工事にはなくてはならない機能と言える。
※記事の情報は2019年2月12日時点のものです。
〈ご参考までに...〉
● 投光車開発にかけた熱き想い(アクティオ公式サイト)
● 投光車(アクティオ公式サイト)
● ハイブリッド発電機(アクティオ公式サイト)