2019.10.23

「根こそぎ切るソー」で静かに安全に素早く街路樹を伐根 そのキャッチーなネーミングとは裏腹に、街路樹伐根作業の救世主として絶大な信頼を得ているのが「根こそぎ切るソー」。2013年に発表すると、従来工法では1日3本しか抜けなかった根っこが、10本も抜くことが可能になったと瞬く間に話題となり、自治体の工事に採用されるケースが一気に増えた。ここでは改めて「根こそぎ切るソー」の魅力に迫りたい。

「根こそぎ切るソー」で静かに安全に素早く街路樹を伐根

老化で枯れる街路樹が急増

東京・表参道のケヤキ並木、横浜・日本大通りのイチョウ並木など、街路樹は無機質になりがちな街の景観に潤いを与え、さらに夏の日差しを遮ったり、排気ガスや騒音を和らげるなど、機能的にも都市形成になくてはならない存在だ。そんな日本の街路樹の多くは、昭和40年代に植樹され現在に至っている。

ケヤキやイチョウといった街路樹に採用される樹木の寿命は一概には言えないが、自然の中で育てば樹齢100年を超えるものもザラ。しかし、街路樹の生活環境は過酷だ。根を生やしたくても地中には水道管やガス管、共同溝、さらには地下街まで広がっており、なにかと制約が多い。地上ではすぐ横をクルマが走り、いくらキレイになったとは言え、排気ガスを浴びせられる...。

故に、街路樹の寿命は短命である。約半世紀を経て、老化で枯れる街路樹が急増しているのだ。

枯れた樹木の根っこの処理、伐根は、チェーンソーを使って手作業で行うのが一般的だった。ご存じの通り、チェーンソーは音が大きいし、削った木屑が飛び散るため、作業中に歩行者の安全を確保するのが大変だ。根が切れた後はバックホーで引き抜くのだが、その際に周囲の縁石や舗装などを壊す例も多かった。

「機械で効率よく伐根する方法はないのか...」

そんな相談をアクティオのグループ企業であるサイニチから持ちかけられ、「根こそぎ切るソー」の開発はスタートした。

刃の形状、間隔などを工夫することで、砕石をはじきながら根と根の間隔を50mm程度開けて切り出すことが可能になった。刃の形状、間隔などを工夫することで、砕石をはじきながら根と根の間隔を50mm程度開けて切り出すことが可能になった。


開発を担当したアクティオ本社の技術部は、さまざまな要求をクリアするため、バックホーに付けた円筒形のホールソーを切り株に被せて回転させる方法を考案した。これなら横に伸びた根を地中で断ち切って根株だけを除去できるので、掘削面積も最小限で済み、木屑や大きな音も出ない。また、土中には砕石等も混ざっているため、これらを除去しながら作業できる刃を協力企業と開発。さらにバックホーで根株を引き抜く際、断ち切った根と根株の間にバックホーのツメが入る隙間がないと上手く引き抜けないため、50mm程度の間隔を開けて切り出すことにも成功した。

円筒形ホールソーの直径は約700mm。直径700mm以内の樹木なら一発で根を切れるが、それ以上の樹木はどうするの? 切れないの? 答えは否。いくら太い木でも根は6本くらいしか出ていないため、その根元を分割して切れば、太い木でも伐根可能となる。街路樹で極端に太い木はあまり見かけないが、公園や学校の校庭には太い樹木がかなりあり、それらを伐根する際は分けて切るという。

街路樹の伐根は公共事業となるため、自治体に採用されるための制度面も考えねばならない。そこでアクティオは「根こそぎ切るソー」を使った新しい工法に対応する工事見積もりの算出基準となる歩掛を、自治体に新たに提案。こうした積み重ねが評価され、公共事業への採用が増えたのだ。

※土木建築工事などで、作業の手間や日数を数値化したもの

今回お話をうかがったアクティオ 技術部 部長の小林 宏さん。今回お話をうかがったアクティオ 技術部 部長の小林 宏さん。



根こそぎ切るソーについて詳しくはこちら(アクティオ公式サイト)

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