実習・事例
2022.07.13
小学生向けSDGs体験型ワークショップを開催 アクティオは2022年5月28日、三重いなべテクノパーク統括工場において、いなべ市との共同主催で、小学生向けSDGs体験型ワークショップを開催した。アクティオがテクノパーク統括工場で業界関係者以外を対象にしたイベントを開催するのは珍しく、今後の取り組みの試金石にもなった。
20組の参加者がバイオディーゼル燃料づくりに挑戦
五月晴れの土曜日、三重いなべテクノパーク統括工場に普段とは趣が異なる光景が広がっていた。いつも通り工場は稼働しているのだが、保護者に付き添われた小学生たちが集まってきたのだ。アクティオといなべ市が連携して開催した、小学生向けSDGs体験型ワークショップの参加者たちである。なぜ、アクティオといなべ市がこのようなイベントを開催したのかは次回のレポートに譲るとして、今回は当日の模様をお伝えしよう。
ワークショップはいなべ市在住の小学生(高学年)を対象に、午前と午後の計2回行われ、それぞれ10組が参加した。このワークショップでは、子どもたちにSDGsの理解を深めてもらうために、軽油の代替燃料であるバイオディーゼル燃料を作ってもらい、そのバイオディーゼル燃料で実際にアクティオが保有する機械が動くかを確認してもらった。
石油などの化石燃料は、地中深くに埋まっている炭素を掘り出して燃焼させるため、二酸化炭素をはじめとする温室効果ガスを排出し、地球温暖化の原因につながる。バイオディーゼル燃料も温室効果ガスを排出するが、大豆や菜種など植物由来の食用油が原料のため、燃焼により排出される二酸化炭素は、植物が成長する過程で吸収する二酸化炭素と同等であると見なされている。大気中の二酸化炭素が増加しないことから、「カーボンニュートラル」と一般的に呼ばれており、地球温暖化の防止に役立つのである。
ろ過、加温、攪拌、分離といった工程を経て完成
バイオディーゼル燃料を作る最初の一歩は、各家庭が持ってきた使用済みの食用油をろ過することから始まる。濾(こ)し器と布を使って、持参した200ccの食用油から天ぷらかすなどを取り除くのだ。次にAVチェッカー(加熱油脂劣化度判定用試験紙)を使用して、油の劣化度を確認。AVチェッカーの先端を油につけると色が変わり、その濃淡(色)によって汚れ具合を確認する。
油の状態が分かったところで、鍋を使って油を加熱。温度が65度以上にならないよう4分ほどキープする。この間、メタノールの入った容器に苛性ソーダを適量混ぜ攪拌(かくはん)。それを油の入った鍋に入れ、約10分間混ぜ合わせる。
その後、油をペットボトルに移し、よく振って油とグリセリンを分離させる。分離後に油の部分を別のペットボトルに移し、水(200cc)を加えて攪拌、約10分間放置して油と不純物を分離させる。最後に上澄みを取ればバイオディーゼル燃料の完成である。
バイオディーゼル燃料を作るにあたっては、攪拌や分離といった各工程で10分程度の待ち時間が何度か生じてしまう。そのため、その間、子どもたちを飽きさせない試みとして、SDGs関連機器の見学・体験会も行われた。
一連のプログラムの最後に行われたのが、実際に作ったバイオディーゼル燃料で発電機を動かし、水中ポンプと投光機を作動させる実験。実は手作業によるバイオディーゼル燃料の精製は簡単ではなく、確実に作れるとは言いがたい。そうした中、午前の部は水中ポンプ、午後の部は投光機を実際に動かすことができた。バイオディーゼル燃料を燃焼させるとほんのりと天ぷらの匂いがするのも確認でき、ワークショップは大成功だった。
▼アクティオといなべ市が小学生向けSDGsイベントを開催
※記事の情報は2022年7月13日時点のものです。
〈ご参考までに...〉
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