2024.04.04

作業効率化に「チルトローテータ」搭載のバックホー。技術やメリットを解説 バケットの角度と向きを自由自在に変えられるバックホー・アタッチメント「チルトローテータ」。作業効率化や安全性アップにつながるこのアタッチメントを備えたバックホーを、アクティオは全国でレンタル展開している。

作業効率化に「チルトローテータ」搭載のバックホー。技術やメリットを解説

チルトローテータとは?

「チルトローテータ」はバケットが左右に45°傾く「チルト」の機能、360°回転する「ローテート」の機能を持つ。

チルト

ローテート

(左)チルト (右)ローテート




従来のバックホーの課題を解決

従来のバックホーの課題として、以下のようなことがある。


① 施工範囲が限られ、繰り返しの移動が必要

バックホーは施工面に対して正対しないと施工ができないため、作業と移動を繰り返す必要がある。またそうした細かい作業には、高度な操作や運転の技術が求められる。


例えば、法面整形工。ブームの同一線上を掘るため、法切りの際は傾斜に対して正面からしか作業ができず、法切りと移動を繰り返して施工を続ける必要がある。このためほかの作業者との接触事故も起きやすい。


国土交通省が発表した重機事故のデータ分析(平成27~令和元年度SASデータ)によると、2019(令和元)年度 重機の種類別事故発生状況は「土木用重機(バックホー等)と作業員の接触」が53.5%と最も多い。また、重機の動作状況別の事故件数の推移において、「旋回操作中」の事故に比べて、「前進」や「後進」の移動中の事故発生比率が高いとある。


② 不整地で作業ができない
バケットがブームから水平に固定されているため、地面が斜めやデコボコの所ではバケットの角度が施工面に合わず、バックホーを設置する場所を水平に整備する必要がある。


③ アタッチメントの反転・交換に手間がかかる
バケットを反転する際は一度エンジンを止め、ピンを抜き再度固定する必要がある。また、現場でのアタッチメントの交換にも大きな手間と時間がかかる。



チルトローテータを使用することで、上記の問題点を改善することができる。特徴を詳しく紹介する。




チルトローテータの特徴

チルトローテータを搭載したバケットチルトローテータを搭載したバケット



① 作業可能範囲の拡大
バケットの回転やチルトにより作業可能範囲が拡大する。法切りの際、前後左右・斜め方向への掘削が可能になるため、法面に対して正対しなくても広範囲を施工することができる。都市型工事においても、細かな作業に対応できるため、人力作業を減らすことが可能だ。

作業可能範囲の拡大


バックホーの作業可能範囲が拡大することで、最小限の移動で掘削、盛土、法切り作業ができるため、時短や省力化、作業効率の向上を図れる。また、事故の多い前進・後進など移動のタイミングが減るため、安全性の向上にもつながる。


② 足場の整地が不要
従来は水平にしか削り出せないため、バックホーを止める敷地が傾いている場合は土台の整地から始める必要があった。バケットがチルトすることで、足場を整地したり、車両自体を傾ける必要がなく、バックホー自体が傾いていても水平面の施工ができる。

足場の整地が不要


③ ワンタッチでアタッチメントの反転・交換
作業中に、バケットを反転させる必要が出た場合でも、バケットが回転することで付け替える手間を削減し、作業の短時間化に貢献する。


また、キャブ内にいながらワンタッチでバケットの着脱が可能な、アタッチメントカプラ機能も装備されており、ワンタッチでアタッチメントの交換が可能だ。作業時間短縮や人手不足解消に寄与するだけでなく、アタッチメント交換時の事故も防ぐことができる。




マシンコントロールの効果を最大化

チルトローテータにより、施工範囲が広がったり細かく施工したりすることが可能になる。しかし、従来のバケットの操作に加え、「チルト」や「ローテート」も必要になり、コントロールが複雑になってしまう。そこで、マシンコントロールを併せて利用することで、複雑な操作の懸念を払拭することができ、丁張りをせず図面通りに施工することも可能になる。


また、チルトローテータにより車体の移動回数を大幅に減らせることから、マシンコントロールの効果も最大化する。このようにチルトローテータとマシンコントロールの両者の効果を最大限発揮することができ、省時間や省人化につながる。




アクティオでレンタルできる「3Dチルトマシンコントロール」

(左)アームとバケットの間にある装置がバケットの角度と向きを変えられる (右)3Dマシンコントロールシステム(左)アームとバケットの間にある装置がバケットの角度と向きを変えられる (右)3Dマシンコントロールシステム


アクティオは、チルトローテータを搭載したコベルコの「3Dチルトマシンコントロール」をレンタルしている。NETIS登録商品(登録番号:KT-190045-A)である。


GNSSシステムやTSシステムで位置情報を把握し、ブームやバケットのチルト・ローテート動作含め、3Dマシンコントロールが可能。設計高通りに施工できる。


直近では、河道掘削の現場への納入実績がある。足場が整っていない現場がほとんどのため、従来は足場を整地して作業を行う必要があった。そこで3Dチルトマシンコントロールを使用することで、足場の整地作業が不要になり、工数を大幅に削減。施工面に正対しなくても、レバーを引けばマシンコントロール機能により、設計に沿った掘削が可能となった。



▼3Dチルトマシンコントロール



バケットの角度や向きを自由自在に変えられることで、バックホーによる掘削作業の自由度が飛躍的に向上する。省時間、省エネ、省人化、安全性向上などたくさんのメリットがある。


アクティオではサポート、トレーニング体制も充実している。チルトローテータでの操作に特別な免許はいらず、従来のバックホーと同じ免許で使用できるのでぜひ試してみてほしい。


※記事の情報は2024年4月4日時点のものです。


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事業分野紹介「i-Construction(ICT施工)」(アクティオ公式サイト)

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