2023.01.10

測量とマシンガイダンスを兼ねたICT施工システム「杭ナビショベル」 「ICT施工は何かとハードルが高くて導入しづらい......」。そんなイメージを覆すアイデア商品が「杭ナビショベル」だ。普段使っている測量機「杭ナビ」をアップグレードし、センサー類を追加することで、これまた普段使っているバックホーにマシンガイダンスを付加させることが可能なのだ。

測量とマシンガイダンスを兼ねたICT施工システム「杭ナビショベル」

「測量」と「施工」の1台2役

家や倉庫といった建物を建てる際、まず行うのが基礎工事だ。基礎工事は「直接基礎工事」と「基礎杭打工事」に大別される。直接基礎工事は地盤がしっかりとしている場合に用いられ、床下全面をコンクリートで覆うベタ基礎が一般的だ。いっぽう、基礎杭打工事は地盤が柔らかい場合に使われることが多く、地盤が固い層まで杭を打って基礎を支える工法である。


基礎杭打工事においては、どこに杭を打つかを事前に測量する必要がある。その際に使用する測量機として、広く普及しているのが株式会社トプコンのレイアウトナビゲーター「杭ナビ」だ。1人で簡単に設置、測量、杭出し(墨出し)が行えるのが、人気の理由である。


トプコン製の杭ナビは、1人で簡単に設置、測量、杭出し(墨出し)できる測量機として広く普及しているトプコン製の杭ナビは、1人で簡単に設置、測量、杭出し(墨出し)できる測量機として広く普及している


そのような杭ナビを、測量機としてだけではなく、ICT施工にも活用できないか......と開発されたのが「杭ナビショベル」だ。杭ナビを杭ナビショベルとして使用できるようにするためには、ソフトウエアのアップグレード(有償)が必要だが、一からICT建機システムを導入するよりもハードルが低いのは間違いない。


杭ナビショベルは本体のアップグレードのほか、バックホー側にセンサーやプリズム、コントローラー、モニターなどを取り付ける必要がある。これらの機材はアクティオでもレンタル可能なので、初期費用を抑えてICT施工ができる。こういったシステムを構築することで、バックホーの位置を把握できるだけでなく、さらに施工情報から3次元の設計データとの差分を算出することが可能になり、どこをどのくらい削ればよいかガイドしてくれる。マシンガイダンス機能を備えたバックホーへと様変わりするわけだ。


(上)モニターに設計データとバックホーの刃先の位置が示されるため、オペレーターはそれを見ながら削っていけばよい。(下左)杭ナビがバックホーに取り付けたプリズムを追尾して位置を測定。(下右)バックホーに取り付けたセンサーにより、ブームやバケットの角度(位置)を検知する(上)モニターに設計データとバックホーの刃先の位置が示されるため、オペレーターはそれを見ながら削っていけばよい。(下左)杭ナビがバックホーに取り付けたプリズムを追尾して位置を測定。(下右)バックホーに取り付けたセンサーにより、ブームやバケットの角度(位置)を検知する


※画像では見えやすい位置にプリズムを設置していますが、通常はキャビン上部に設置します。


※記事の情報は2023年1月10日時点のものです。



〈ご参考までに...〉

杭ナビショベル(アクティオ公式サイト)

杭ナビ(アクティオ公式サイト)

事業分野紹介「i-Construction(ICT施工)」(アクティオ公式サイト)

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