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2024.03.01
進化する計測・測量機器。ICTの活用で省力化&作業効率アップ! 土木・建築現場の基礎工事に欠かせない計測・測量。省力で効率よく作業するためには、測量機器選びが肝心だ。今回はアクティオがレンタルする計測・測量機器の中で、ICTや最新技術を活用し、作業の省力化や効率化に貢献する商品を紹介する。
工事測量から丁張り、出来形観測まで、ワンマンで正確に測量できるTS測量
測量機器には、地点の高さや高低差を計測する「レベル」や、角度を計測する「トランシット(セオドライト)」など、さまざまな種類があるが、中でも「トータルステーション(TS)」は、距離と角度を同時に計測することができるため、測量の現場で広く使用されている。
トータルステーションは、本体側で測量する人と、プリズムを持つ人の2人で使用するのが一般的。しかし、トータルステーションがプリズムを自動で追尾する「自動追尾式トータルステーション*1」を使えば、1人でも作業が可能になる。
*1 自動追尾式トータルステーション:人の手動による従来の「トータルステーション」に対し、自動計測およびクラウド統合管理を用いたシステム。
■TS測量(TS出来形管理)
「TS測量(TS出来形管理)」は、専用コントローラーと土木施工支援ソフトウェアの適用により、工事測量から丁張り、出来形観測まで、1人で正確に測量できる。トータルステーションの高度な自動追尾性能でIDを付加したプリズムを的確にロック。危険箇所の測量、出来形観測、杭打ち誘導などが可能で、国土交通省の「TSを用いた出来形管理要領(土木編・舗装工事編)」に対応している。
短時間で正確な地形データを取得できる3Dレーザースキャナー
レーザースキャナーは、レーザーを照射し、対象物までの空間の位置情報を取得することで、広範囲の3Dデータを取得できる。i-Constructionの仕様に合った精度であれば、土工で半径500m、舗装の場合は半径20mの範囲を1回の計測で測量可能(※)だ。
※現場状況・点群密度により測定距離は変化します。詳細はお問い合わせください
■3Dレーザースキャナー SX10
「3Dレーザースキャナー SX10」は、トータルステーション、3Dレーザースキャナー、イメージングの機能を1台に集約した測量機器。トータルステーションと同じ使い方で3Dスキャニングを行うことができ、i-Construction工事に欠かせない起工測量や出来形測量の効率化、コスト削減を実現する。
現地盤などの対象物にレーザーを飛ばし、跳ね返ってきたレーザー光を測定して3次元の地形データを取得する仕組み。そのデータを使って、工事コストに大きく影響を与える土量計算(※)を正確に行える。
※計算には専用ソフトが必要です
後方交会法より、器械座標を計算し、現場座標を計測するため、面倒な合成処理をする必要がないのもうれしいポイント。またスキャンしたデータは、手元のタブレットPCで確認できるため、データを取りこぼす心配がなく安心だ。
従来の手動測量を自動化! ICTを活用した測量システム
従来、トンネル内の長距離や急曲線などの測量、またトンネル工事や鉄道工事などの影響による地盤や路面の沈下の変位、構造物の傾きなどの計測は手動で行うのが一般的だった。しかし、手動での測量は、累積誤差の発生や測量時間の増加につながり、施工管理の大きな負担となる。さらに、土木現場での作業員の高齢化や人手不足も深刻化している。
アクティオは、こうした課題を解決すべく、ICTを活用して計測・測量を自動化し、生産性や品質を向上する商品をレンタルしている。
■Pipe Shot(推進・シールド自動測量システム)
「Pipe Shot(推進・シールド自動測量システム)」は、推進やシールドマシンの位置を自動で測量する掘削位置管理システムだ。タブレットPCやスマートフォンに連携することで、誰でも速やかに高精度な測量を行える。NETIS登録商品(登録番号:QS-210027-A)でもある。
立坑の基準点に設置されたトータルステーションと管内に設置された複数台のトータルステーション同士が自動で測量を行い、あらかじめ入力された線形に対してマシンターゲットの位置を計算して表示する(下図)。クラウドでデータを管理でき、管内のIoT-BOX付近ではインターネットに接続できるため、カメラ画像の送信や音声通話が可能である。
■Point Shot(トンネル地表面管理システム)
2023年9月にレンタルを開始した「Point Shot(トンネル地表面管理システム)」は、自動追尾式トータルステーションを用いて、構造物、地盤、路面、軌道を自動で計測できる。24時間365日、リアルタイムでクラウド管理できる自動変位計測*2管理システムで、NETIS登録商品(登録番号:QS-230012-A)である。
トータルステーションによる地表面や構造物の変位計測データをクラウドに蓄積することで、ブラウザ上で管理することができる。管理基準値を超えた場合、メールなどにより自動警報で知らせてくれる。路面などプリズムを設置できない場所は、独自の解析手法でノンプリズム計測が可能だ。さらに、地表面計測結果と合わせて、GNSS変位計測システム、傾斜計、気温・気圧計などの計測結果もクラウドで統合管理できる。
*2 変位計測:構造物、機器、地盤、岩盤などの基準位置(初期値)からの動きを定期的に測定し、監視すること。変位計測の管理項目は、水平変位(X,Y)mm、鉛直変位(Z)mm、傾斜(θ°)、回転(Φ°)などがある。
誰でも簡単に素早く墨出しができる機器
建物を建てる際の基礎工事に欠かせない「墨出し」。床や天井、壁などに基準線を書き出し、設計図で示された寸法を実際の現場に反映する大切な作業だ。アクティオは1人で簡単かつ素早く墨出しができる商品もそろえている。
■レイアウトツール自動墨出しシステム
「レイアウトツール自動墨出しシステム」は、精度の高い墨出しを1人で簡単に行えるトータルステーション自動墨出しシステム。図面の持ち出しが不要で、専用タブレットで素早く簡単に操作できる。プリズムのほか、視認性の良いグリーンレーザーポイントのノンプリズムの方法にて、リアルタイムで墨出し位置に誘導してくれる。
上から押すとスタンプできる、標準付属の「ヘッドマーキング用ハンドスタンプ」を使えば、立ったまま楽に作業が可能だ。またオプションの「ポイントレーザー付三脚」を組み合わせると、天井と床に同時照射でき、作業効率が飛躍的に向上する。
■杭ナビ
誰でも簡単に杭打ちや墨出しができる測量機としては、3Dテクノロジーを用いた計測および誘導システム「杭ナビ」もおすすめだ。
自動整準で簡単にどこでも設置可能。作業エリアは直径260m、最大傾斜角+55°と、高低差のある現場でも盛替作業を軽減する。付属スマホで操作し、ソフトウェア「TopLayout」ですぐに測定を開始。超高速レスポンスにより、1人で素早く杭打ちや墨出し作業が行える。NETIS登録商品(登録番号:KT-170034-VE)でもある。
三次元撮影で鉄筋の出来形管理を省力化
鉄筋を用いる工事に必要な鉄筋出来形検測は、準備、計測、立会検査、写真撮影、片付け、写真の管理、帳票作成など多くの労力を要する。こうした作業を省力化するために開発されたのが「鉄筋出来形自動検測システム(GeoMation)」だ。
■鉄筋出来形自動検測システム(GeoMation)
鉄筋出来形自動検測システムは、奥行の情報を取得する深度センサーを内蔵したデプスカメラとAndroidタブレットを利用し、鉄筋の本数や間隔を自動でリアルタイム計測する。タブレットは約490gと軽量のため、持ち運びしやすいのも便利だ。
鉄筋の本数や間隔の表示のみならず、電子黒板、継手長計測、かぶり間隔計測などさまざまな機能を搭載している。さらに、撮影画像と計測結果をクラウド帳票生成サービスに連携可能で、面倒な帳票作成まで自動化できる。
※記事の情報は2024年3月1日時点のものです。
※追記:2024年5月9日に再編集しました。
〈ご参考までに...〉
● TS測量(TS出来形管理)(アクティオ公式サイト)
● 3Dレーザースキャナー SX10(アクティオ公式サイト)
● レーザースキャナー(レンサルティングミュージアム)
● Pipe Shot(推進・シールド自動測量システム)(アクティオ公式サイト)
● Point Shot(トンネル地表面管理システム)(アクティオ公式サイト)
● レイアウトツール自動墨出しシステム(アクティオ公式サイト)
● 杭ナビ(アクティオ公式サイト)
● 鉄筋出来形自動検測システム(GeoMation)(アクティオ公式サイト)
● 通信計測機器(アクティオ公式サイト)