2021.04.30

ハイブリッドな測量機器「Trimble SX10」 道路・鉄道・空港といった大規模なインフラ工事から宅地の造成まで、土木工事は測量なくして始まらない。あらかじめ対象地の地形や建造物の位置関係を測量しておかないと、正確な設計・施工などできない。さらにICT施工では測量による3D(3次元)データ収集は必須。測量機器が果たす役目は大きい。

ハイブリッドな測量機器「Trimble SX10」

地表面観測から3Dデータの取得まで1台でOK

土木工事の着工前に現況を測量するのが起工測量、工事完了後に測量するのが出来形測量だ。従来は巻尺やレベル、また近年はトータルステーションを用いて測量していたが、新たにレーザースキャナーを使用するケースも増えている。


まず、トータルステーションとレーザースキャナーの違いを説明したい。トータルステーションは、レーザーによって距離を測る機能と、角度を測る精密工学計器を組み合わせたもので、測量の現場では広く使用されている。一方、レーザースキャナーはレーザーを照射し、対象物までの空間の位置情報を取得する方法だ。なんとなく似ている気もするが、トータルステーションは単点を計測するのに対し、レーザースキャナーは広範囲の3Dデータを取得できるのが大きな違いである。


i-Constructionの仕様に合った精度であれば、レーザースキャナーは土工で半径500m、舗装の場合は半径20mの範囲を1回の計測で測量できる。専用ソフトが必要になるが、その3Dデータを使って土量計測を行うことも可能だ。
(現場状況・点群密度により測定距離は変化します。詳細はお問い合わせ下さい)


測量の現場でメジャーな機器が、ニコン・トリンブルの製品である。同社はニコンと米国トリンブルのジョイントベンチャーで、2003年の設立以来、測量・測位技術をコアとした精密機器の開発・製造・販売を行っている。


スキャンした映像はコントローラーの大画面に遅延なく映し出されるスキャンした映像はコントローラーの大画面に遅延なく映し出される


Trimble SX10は高精度・高性能サーボトータルステーションに、3Dレーザースキャナーの機能を組み合わせたハイブリッドな測量機器だ。


スキャンデータを手元の端末ですぐに確認でき、また、自動追尾トータルステーション(※)としても使用が可能なため、メリットが大きい。なお、Trimble SX10はNETISに登録されている(次世代型測量機スキャニングトータルステーションシステム/NETIS登録番号:KK-200023-A)。


※追尾型トータルステーションと同じように地表面観測はできますが、機器分類としてはレーザースキャナーです。


▼レーザースキャナー


※記事の情報は2021年4月30日時点のものです。



〈ご参考までに...〉

3Dレーザースキャナー SX10(アクティオ公式サイト)

ICT施工関連機器(アクティオ公式サイト)

事業分野紹介「i-Construction(ICT施工)」(アクティオ公式サイト)

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