2022.08.30

〈支店探訪:北海道支店 1 〉人材の力、チームの力でサービスの質を向上 現場では何が起きているのか。本企画「支店探訪」では、アクティオの各支店や営業所を訪ね、業務にまい進するスタッフに仕事の進展やその魅力について取材し、その土地ならではのレンサルティング事例、業務改善策などを深掘りする。

〈支店探訪:北海道支店 1 〉人材の力、チームの力でサービスの質を向上

2030年に向け活況を呈する北海道

アクティオは全国に19の支店を展開している。最北端となる北海道エリアを管轄しているのが北海道支店だ。北海道支店が誕生したのは1994年。ちなみに同年、九州支店も開設されている。

札幌市の中心部に位置し、春は「さっぽろライラックまつり」、夏は「YOSAKOIソーラン祭り」やビアガーデン、秋は北海道グルメの祭典「さっぽろオータムフェスト」、冬は「さっぽろ雪まつり」と、観光そして市民の憩いの場としても愛されている大通り公園。東西約1.5kmからなる大通り公園の西端に、北海道支店はある。


2022年現在の札幌市の様子2022年現在の札幌市の様子


北海道支店は22の営業所・出張所を有し、加えて工場やセンターもある。スタッフは総勢約200名。その司令塔が渡辺 力北海道支店長だ。

渡辺支店長のアクティオ人生は1997年に始まった。最初の配属先は、研修で行った八雲出張所。その後すぐに函館営業所に入り、1年後に旭川営業所に異動となる。実は旭川営業所に移る前は仕事上の悩みを抱え、退職を考えていたという。地元が北見市なので、旭川に配属になってから辞めれば、函館から引っ越すよりも近くなり引っ越し代が浮く──そんな「不届きな」思いで旭川営業所に行くと、考えが180度変わった。恩師となる当時の旭川営業所長に鍛え直され、アクティオ人として思いを新たにすることになったのである。

その後、士別営業所の開設と同時に所長代理を務め、続いて地域の営業所を統括するブロック長に就任。その頃、自身が関わっていた業務改善活動の取り組みを全国で発表する機会があり、それを機にトヨタ式の「カイゼン」を学ぶため1年間、名古屋へ。アクティオに戻ってからは北海道支店配属となり、営業部長、副支店長と歩み、現在に至る。その渡辺支店長に、北海道の現状を聞いた。

北海道支店長

渡辺 力北海道支店長



ICT、IoTに強み。ICT関連シェアは北海道で7割


渡辺「いまの札幌市は、1972年の冬季オリンピックの時にできた町と言っても過言ではありません。あれから50年。建物に関しては、耐震補強するのか、建て替えるのか。いずれにせよ、大きな節目を迎えています。さらに札幌市は、2030年の冬季オリンピックの招致を目指しています。また、北海道新幹線の札幌までの延伸が2030年度末までに予定されています。新函館北斗から新八雲(仮称)、長万部、倶知安、新小樽(仮称)、そして札幌へと続く約212kmのルートです」


活況を呈する北海道だが、当地の建機レンタルではアクティオは後発参入のため、地盤を強化していく必要がある。いまの北海道におけるアクティオの強みはいったい何なのか?


渡辺「グループ企業の共成レンテムとともに、お客様のご要望にお応えしています。共成レンテムは地場の土木、重機、ダンプが強い。いっぽう我々アクティオはゼネコン、建築、小物に強い。お互いに補完し合う、いい関係なんです。さらに両社ともにICT、IoTに強く、MC(マシンコントロール)やMG(マシンガイダンス)のセッティング、トラブルに対応できる人材が豊富です。ICT関連のシェアは、共成レンテムと合わせて北海道で約7割を誇っています。こうした人材の力、チームの力で、お客様へのサービスの質の向上に努めています」

さらにアクティオは、北広島市に約4,000坪の整備と物流の拠点を持っている。


渡辺「安定した整備技術によるクオリティーの均一化や命にかかわる部分、例えばチェーンなどの点検を同じ基準で行えるのは大きなメリットです。さらに災害時、有事の対応となると、工場を持っているレンタル会社が圧倒的に強いのは間違いありません」

2018(平成30)年9月6日未明、北海道胆振東部を最大震度7の地震が襲った。地震そのものの大きさもさることながら、その後に起きた北海道全域の停電"ブラックアウト"は大きな問題となった。

渡辺「あの時は、アクティオの底力を見せることができたと思います。とにかく電話が鳴りやまない。ゼネコンはもとより、ビル1棟の電力を復旧させたいとか、普段取り引きのない放送局や新聞社からも相談が舞い込みました。とにかく情報、発注を北海道支店に集約して対処しました。北広島市にある工場には大型の発電機をプールしているため、それらをフル稼働させて乗り切った感じです」


北海道支店のオフィス北海道支店のオフィス。窓の外に大通り公園の緑が映える。



チーム一丸となって課題を解決

2030年に向けて動いているプロジェクトは、4、5年先にピークを迎える。課題はその後、どうするかだ。渡辺支店長は、ICT、IoT、DXは重要とした上で、次代を見据えたとき組織にとって大切なのはやはり人材だという。


渡辺「泥臭い営業ができる人材が、やっぱり強いんですよ。どんなにいい技術があっても、最終的には、人。看板よりも、人なんです。非効率かもしれませんが、地道に、靴をすり減らして通い続けると、いつか報われる日が来る。初めての現場でアクティオの商品が1%しか入らなかったら、自ずと足は遠のきがちです。それでもそこに行く、行き続ける。2番、3番でいいから常に控えているようにする。その現場なのか、その担当者の次の現場なのか、いつか必ず、努力を買っていただくお客様がいます。それを支店の皆に分かってもらいたいですね」


北海道支店の探訪記は、次回以降の営業所のスタッフ紹介へと続くが、いずれもエネルギッシュで個性的な人材揃い。渡辺支店長の人材育成術とはどのようなものだろうか?


渡辺「新人が配属になったら、小さな喜びでもいいので、成功事例を作らせます。どんなに小さなことでも褒める。社会人としての骨格をきちんと形成できるように注意しながら、モチベーションを上げるようにしています。先輩から引き継いだお客様は、たとえ大きな売り上げにつながっても喜びが薄いんです。でも自分で獲得した新規のお客様は、小さな売り上げでも大きな自信につながる。それをできるだけ早く、皆が体験できるように心がけています。そのためには、豊富な保有アイテムの中で自分が自信を持てる商品を1機種でも持つのが一番です。現場のお客様が苦手意識を持ちがちな商品だと、なおさらいいですね。例えば、目に見えにくい電気や空気、水に関わる商品です。つまり発電機とかコンプレッサー、ポンプに強い営業は、すぐに伸びます」

営業スタッフについては成果が分かりやすい。しかし事務やフロント(※)、整備といった職種は、成功体験を得にくいのではないだろうか?

渡辺「数字で評価しにくいのは事実です。だからといって、淡々と仕事をさせるのはよくない。営業には、お客様の声を営業所で共有するように指導しています。自分が褒められて喜ぶんじゃなくて、アクティオの機械は良いって言われたら、その感謝の言葉は必ず整備やフロントに伝えよう、ということです」

北海道支店の社員は、横のつながりが強いという。営業同士はライバルだが、助け合う精神があるのだ。ライバル会社は1拠点に7、8人のスタッフを配置している。それに対して、アクティオは3、4人。必然的に協力する関係ができている。業務改善活動などを通じて、営業と事務など、職種の枠組みを超えた交流があり、北海道支店が1つとなって課題に向かっていく姿勢が強く感じられた。

次回以降、北海道支店の営業所のいくつかを訪ね、所長、営業、フロント、事務の各スタッフを徹底取材する。どんな話題が飛び出すか、ご期待いただきたい。


※フロント:お客様のご注文に対する最適な商品選定や効率的な運送管理、機械運用を主とする営業拠点の窓口


※記事の情報は2022年8月30日時点のものです。


※2024年1月の組織改編に伴い「支店」は「支社」に改編されています。


〈支店探訪:北海道支店 2 〉へ続く

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