2022.09.20

〈支店探訪:北海道支店 4 〉余市営業所──チームワークで築くお客様との信頼関係 これまで3回にわたってお届けした北海道支店探訪記。最終回は余市営業所を訪ね、そのチームワークの良さの秘密に迫る。

〈支店探訪:北海道支店 4 〉余市営業所──チームワークで築くお客様との信頼関係

大型の土木工事が目白押しの余市営業所

北海道の西部、積丹(しゃこたん)半島の付け根に位置する余市町。シングルモルトウイスキーのブランドが頭に浮かぶ方も多いのではないだろうか。


余市営業所の守備範囲は、積丹町やニセコ町などが属する後志(しりべし)管内。業種は土木系が多いのが特徴だ。北海道新幹線の延伸、北海道横断自動車道に続く高規格幹線道路など、大型の土木工事が目白押しである。


そんな余市営業所に19年間勤務し、昨年の4月から所長を務めているのが大川原 潮営業所長だ。大川原所長は、高校卒業と同時に夢を追いかけ上京、2年後に北海道に戻り、書店で3年ほど働いた。このまま浮き草稼業を続けてよいのか......。父親が土木業に従事していたこともあり、24歳の時、アクティオに入社し、現在に至る。


>大川原潮余市営業所長大川原 潮余市営業所長


大川原所長に近年のエピソードを訊ねると、興味深い話を数多く聞かせてくれた。今回はその中から厳選して3つお届けする。


北海道支店は業務改善活動で2年連続ナンバー1

大川原「このあたりはトンネル工事が多く、入社してから15本くらいは携わっていると思います。トンネル工事はスピードと物量戦です。穴を掘れば土砂も水も出る。それらに対処する機材が、大量に必要なんですね。高速道路の建設現場への営業も10年間、やってきました。その現場の所長が鬼軍曹みたいな方で、とにかく懐に入り込むのが大変でした。いま思うと、試されていたんですね。何度も心が折れそうになりましたが、"負けたくない"の一心で踏ん張りました。

トンネル工事が無事に終わると、貫通式という式典を行います。山の神に奉告して祝う儀式ですね。そうしたら、その式典で流す動画を撮影して編集してほしいと言われたんです。建機レンタル会社ですが、つくりましたよ(笑)。完成後、式典のリハーサルでトンネル内で映像を流したら、感極まって私、泣いてしまったんです。そんな私を見て、鬼軍曹はニッコリされていたんですよ。この方に育てられたという思いが強いですね」


この、大川原所長に鬼軍曹と言わしめた所長は北海道の現場を離れたそうだが、いまでも大川原所長と交流があり、新しい現場で建機を入れたいから......と相談の電話が掛かってくるそうだ。


前回の旭川営業所のレポートで、道北ブロックの女性4名が業務改善活動に取り組み、「オリジナルカタログ」を作成して2020年の最優秀賞を獲得とお伝えした。実は大川原所長も、他の営業所の2名とタッグを組み、翌2021年の業務改善活動で最優秀賞に輝いているのだ。


大川原
「若手の営業担当がいかに仕事をやりやすくするか。タイトルは"営業のプロセス改善"です。大まかに説明すると、お客様から建機の発注があり、在庫や納期を聞かれたとします。出先にいる若手の営業担当は一旦電話を切り、営業所に電話して在庫を確認。確認後、お客様に電話して伝える......という流れになります。ここでまごつくと、お客様はしびれを切らして他の会社に発注してしまうことも考えられます。そこで営業・フロント(※1)・事務・業務(※2)の皆さんに協力してもらい、在庫が豊富な40種類の商品は即答OKという基準をつくったんですね。それまでは場合によっては返答に数時間かかっていたこともある営業担当が、たったの28秒で返答できた、という例も生まれました」


※1 フロント:お客様のご注文に対する最適な商品選定や効率的な運送管理、機械運用を主とする営業拠点の窓口

※2 業務:機械の整備・修理や安全管理等を行う



このエピソードの営業担当とは、以前のレポートで紹介した入社3年目の札幌営業所:葛西さん。即答できた時の、彼女の笑顔が目に浮かぶようだ。北海道支店は、業務改善活動で2年連続ナンバー1を獲得したことになる。


3つ目は少しナーバスな話題だが、アクティオの団結力を象徴するような話でもあるので、言葉を選びながらお伝えしたいと思う。大川原所長が人生最大のピンチと語る出来事だ。


大川原
「俺、終わったな......。そう思いました。私がやってしまったある失態で、某ゼネコン現場で約2kmの舗装をやり直さなければならなくなったのです。時刻は午後2時ごろで、翌朝8時までに2kmを敷き直す緊急工事への機械供給......。渡辺支店長に電話したらすぐに駆け付けてくれて社員を集めてくれたんです。まず舗装屋さんがやろうと言ってくださって、北海道工場のみんなも工場業務を止めて余市営業所に集結。近隣営業所の皆や、グループ企業の共成レンテムのスタッフも来てくれて。現場では元請様はじめ総勢100人ほどで清掃作業を行ってくれました。そして現場から営業所に戻ると、30~40人ぐらいの仲間が黙々と機械準備作業しているんです。もう、その光景を見たら号泣ですよ。舗装の敷き直しは夜を徹して行いました。とにかく舗装屋さんが男気のある方で、助けられましたし、仲間や人と人とのつながりの大切さを心底感じました」


こうして緊急舗装工事は、翌朝までに完了した。このような大がかりで突発的な工事をさばくことも、アクティオの底力だと言えるかもしれない。いずれにせよ、大川原所長の人柄がうかがえるエピソードだ。



機材の劣化が激しいトンネル工事で、壊れない商品を納品する

アクティオが北海道支店を開設したのは1994年のこと。地場の建機レンタル企業、松本機械との合併で、スピーディーにサービス拠点を整備できた。


フロントの桐澤 栄二主査は松本機械を経てアクティオに入社。この道30年の大ベテランだ。もともと整備を行う業務出身で、10年ほど前にフロントに移った。


フロントの桐澤主査はこの道30年のベテランだフロントの桐澤主査はこの道30年のベテランだ


桐澤
「機械全般の管理、受注した案件の機械の準備など、フロント業務の仕事は多岐にわたります。接客と機械に関する知識の両方が求められるため、気が抜けません。よく出る機械はノウハウが蓄積されていきますが、あまり出ない機械は大変ですね」


余市営業所の付近には、建機レンタルの会社が4社ほどある。その日々の競争のなかで、心がけていることがあるという。


桐澤
「トンネル工事の現場は過酷で、とにかく機材の劣化が激しい。だからこそ、壊れない機材を納品しないと信用に関わります。納品して初期のトラブルは特に避けたいところです。古くてもしっかり整備の行き届いた機械を提供することが我々の使命と思っています。安心して使っていただくために、点検は怠りません。またチェック回数を多くすることで不良品を後に流さない。そんな風に心掛けています。そのために自分もできる限り見るようにしています。ダブルチェックですね」


作業内容は必ずダブルチェックで確認する作業内容は必ずダブルチェックする


こういった細かい気配りが信用を生む。経験豊富なベテランだからこそ、なせる業だ。



アクティオを地域に根差した存在に

余市営業所の磨き上げられた入口のガラスには、来所者がぶつからないように手製のシールが貼られている。ラックのパンフレットや陳列してあるケミカル類は縦横ピシッと揃えて並べられ、飛沫防止のために設けられたビニールシートはシワひとつない。
クリーンナップの行き届いた店内掃除の行き届いた店内

秋山 正子事務主事に会うと「この人が営業所の"しっかり者"なんだ」と直感した。話をすると、物腰の柔らかい応対、笑顔、チャーミングな話し方など、魅力あふれる人であることを感じる。
笑顔が素敵な秋山主事笑顔が素敵な秋山主事

小樽生まれ、小樽育ちの秋山主事は、インテリア関係の専門学校を卒業後、デザイン事務所に就職した。当時は2日連続での24時間勤務も当たり前。2年ほど勤めた後、次の職場は郵便局を選んだ。かつて小樽にあった石原裕次郎記念館内の郵便局で、非常勤職員として勤務。そこで感じたのが、「私、公務員は向いていないな。民間企業で働きたい!」という思いだったという。そうした紆余曲折を経て、アクティオの門を叩き、気が付けば23年のキャリアを積み重ねてきた。


秋山
「石原裕次郎記念館は、とてもきらびやかな世界でした。そこから何も分からない土木関係でしょう。いくら民間企業に行きたかったとはいえ、ギャップを感じました。1年で辞めるんじゃないかと思っていましたが、徐々に仕事を覚えていく中で声をかけてくださるお客様が増えてきて。社内の仲間もいい方ばかりでいつも助けられてきました」


いまでは多くの"正子ファン"がいるとのことで、会社と地域に根付いた証拠と実感しているそう。


秋山
「中にはお話だけして帰るお客様もいらっしゃいます。提供する側、される側という垣根を超えて、コミュニケーションを楽しんでいます。余市にはアクティオがある、あそこにはこの人がいる。そんな地域に根差した存在でありたいと思っています。余市漁港で揚がったばかりのカレイを持ってきてくれたり、とれたてのトマト、きゅうり、パプリカ、アスパラガスなどをいただいたり......。本当においしくて。全国の皆様にも余市の特産品をぜひ召し上がっていただきたいです!」


もはや観光大使のような秋山主事だが、仕事の面でも内外からの信頼が厚い。今年は業務改善活動のサブリーダーを任された。前年、前々年と最優秀賞を獲得している北海道支店だけに、今年も期待は大きい。


秋山
「アクティオは月末締め、お客様の売掛も月末締めが多いので、どうしても月末月初に仕事のピークが来てしまいます。ピーク時には人的ミスも生まれやすい。それを改善するための活動を進めています。いまはアナログで処理していますが、デジタル化を進めることで全道の事務員で地域を越えて助け合うことができる。そのためには業者さんにも協力していただかなければならないのですが、良い結果につながると信じています」


少人数の余市営業所では、時には所長が銀行に行ったり、フロントが現金で支払ったお客様に領収書を切ったり、事務が機械の手配をしたりと、一人で何役もこなす。「営業、フロント、事務という職種の集まりではなく、大川原所長、桐澤主査、秋山......という社員のチームだと思っている」と話す秋山主事。それぞれがオールマイティーな対応で、長年にわたりお客様の信用を築き上げているのだ。


写真左から、桐澤主査、大川原所長、秋山主事左から桐澤主査、大川原所長、秋山主事


※記事の情報は2022年9月20日時点のものです。


※2024年1月の組織改編に伴い「支店」は「支社」に改編されています。

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