2020.01.28

アクティオの防災 北海道での取り組み 常に大量の機械や資材を保有する建機レンタル企業は、災害時の復旧作業に大きな力を発揮してきた。建機レンタル最大手のアクティオは、今や消防や自衛隊と並ぶほど、災害復旧には欠かせない存在となっている。今回は2018年9月6日、未明に起こった北海道胆振東部地震でのアクティオの対応をご紹介する。

アクティオの防災 北海道での取り組み

北海道で観測史上初の震度7

2018年9月6日未明、北海道胆振地方を震源とする大きな地震が起こった。この時の最大震度7は、北海道では観測史上はじめて観測された大きな揺れだった。この地震では厚真町を中心に広い範囲で土砂崩れが発生。札幌市でも液状化現象が起き、道路の隆起や陥没が生じた。そして、深刻な大規模停電。北海道のほぼ全域295万戸が停電した。この深刻な災害に、アクティオがどう対処したのか、キーマン4名に語っていただいた。

北海道支店 支店長 渡辺力
現地対策本部の司令塔として、災害対策の指揮を執った。
北海道支店 支店長 渡辺力
北海道工場 業務主事 高橋健太
北海道工場で、大量に発注されている発電機の整備と出荷に従事。
北海道工場 業務主事 高橋健太
(株)共成レンテム 代表取締役 執行役員 社長 高野博勝
アクティオグループの一員で、北海道では歴史の長い共成レンテムのネットワークを駆使して、発電機や重機の手配を行った。
(株)共成レンテム 代表取締役 執行役員社長 高野博勝
(株)共成レンテム イベント事業部 副部長 原田浩孝
全道ブラックアウトで開催が危ぶまれたイベント「オータムフェスト」で発電機の提供と運用を行い、無事にイベントを成功に導いた。

(株)共成レンテム イベント事業部 副部長 原田浩孝



大規模停電 発電機の依頼が殺到

未明に起きた地震。北海道最大規模の苫東厚真火力発電所が被災、連鎖的に道内の発電所も次々に停止し、全道で大停電が発生した。道内全域がブラックアウトするこの事態は、北海道電力創設以来はじめての惨事だった。通信回線も不通になり、信号も消えた。

渡辺力(北海道支店 支店長):未明、まだ真っ暗な時間に地震が起きまして、すぐに支店に行こうと、着替えて出発しました。とにかく、停電でしたから信号もついていないんです。そんな中、車で支店に出社したのですが、停電しているのでオートロックのドアも開かない。支店の社員はみんな出てきていたのですが、これでは何もできない、ということで、発電機のある北海道工場に移動し、災害対策本部を立ち上げました。

高橋健太(北海道工場 業務主事):私は、携帯の地震速報アラームで目がさめまして、すぐに大きな揺れがあって、収まってから照明のスイッチをいれたのですが停電していました。これは、発電機が必要とされる、と思い、すぐに工場に向かいました。停電の中、みんな車で駆けつけていて、一丸となって発電機の整備に取り組みました。とにかく1台でも多く、速く出庫できるように、整備を進めていました。電力がないっていうことは大変なことですので。

北海道工場に設置された災害対策本部。情報を一元化し、発電機の調達に明け暮れた北海道工場に設置された災害対策本部。情報を一元化し、発電機の調達に明け暮れた

渡辺:その日のうちに8000台の受注が入るという状況で、とにかく出庫最優先、出荷基準を最低まで落として、北海道内のすべての発電機を出庫できるよう対応を取りました。同時に本社に連絡を取り、発電機の応援要請をかけさせていただいたんです。すると本社ではすでに動いてくれていて、機械の手配、フェリーで運搬の段取りなどが進行中でした。その初動の速さは頼もしかったですね。朝の6時ぐらいには、もう全国のアクティオで今回の地震に対応する動きが始まっていました。

高橋:もう次の日の夕方には、野田工場から発電機が到着していました。支店同士の横の繋がりの大きさを感じましたね。

渡辺:それと、すぐにパワーシステム事業部からエンジニアが北海道に乗り込んできてくれまして、大型の高圧発電機などの設置を対応してくれました。それと、アクティオの中には、電気工事士の資格を持った社員が多くいるので、発電機をもっていくだけではなくて、実際に繋いで電力復旧するというところまで対応できたのは良かったと思います。技術を持っているということは、こういう風に役立つのだ、ということを目の当たりにしましたね。

それと、発電機の注文が殺到している中でどこを優先するのか、ということを迫られていました。やっぱり人命救助、浄水場などの人の生活環境を支える場所、といったものを最優先に対応しました。

高橋:あとは、通信会社や、食品工場などですね。アクティオというと発電機と水中ポンプというのが大きな柱なんですが、今回実感したのは、うちの会社の発電機に関する「層」の厚さです。支店同士の繋がりの強さや、バックアップ体制の手厚さがよく分かりました。

北海道工場から次々に発電機が出庫されていく北海道工場から次々に発電機が出庫されていく

渡辺:お客さまの安堵の笑顔を見た時は本当にうれしかったです。生活の中で、電気がないとどうしようもないですから、レンタル会社の中でも、我々のように発電機に力をいれて経験を積んできている組織というのは、なくてはならない存在かもしれません。

アクティオの発電機が電力供給の柱になったアクティオの発電機が電力供給の柱になった


土砂崩れ・液状化

被災直後は、自衛隊や消防が中心になり、人命第一の対応が続いた。重機をいれるのではなく、人海戦術で被災者を捜索するのだ。その後、土砂崩れや液状化への本格的な対応が始まった。

液状化によってゆがんだ道路。各地で土砂災害が起こっていた液状化によってゆがんだ道路。各地で土砂災害が起こっていた

渡辺:やがて、重機関連の対応も始まっていきました。土砂災害の厚真町、札幌市内の液状化で流れてしまった地域ですね。土砂が一気に流れてしまったので、埃がすごくて目も開けていられない状態だったものですから、散水車も必要でした。あとは、交通規制をするような車両ですね。

普及工事に欠かせない散水車や規制車もアクティオから数多く提供された普及工事に欠かせない散水車や規制車もアクティオから数多く提供された



イベントで市民を勇気づける

地震が起きた9月、北海道では大きなイベントが開催される。その代表的なものが「オータムフェスト」だ。札幌の大通公園に、北海道中からグルメやドリンクが集まり、道民の秋の楽しみのひとつとなっている。その直前に、地震は起きた。本番まで約1週間、大停電が復活しきらない中、イベントを開催するのか、中止するのか判断が迫られた。そして、オール発電機で開催することに決まった。

イベントの生命線はやはり電気の供給だった。その重役を担ったのが株式会社共成レンテムだ。共成レンテムは、北海道に根をはるレンタル会社でアクティオグループの重要な一員だ。長年地元と培ってきた信頼がイベントを成功へと導いた。

高野博勝((株)共成レンテム 代表取締役 執行役員 社長):私は発災当時、東京に出張していまして、早朝に、携帯電話にたくさん着信があって、テレビをつけてみたら北海道に大地震ということで、いそいで戻ってきました。私どもは、昭和38年に帯広で創業しておりまして、アクティオよりも北海道での歴史は長いんです。道内の55パーセントの自治体と災害協定を締結していまして、今回、発電機の需要がとても多く、大急ぎで発電機を手配しました。

オータムフェストですが、地震から1週間後です。まだ全土に節電要請が出ていましたので、結局すべての電源を発電機から取るということになりまして、それを私どもがやらせていただいたということになります。

原田浩孝((株)共成レンテム イベント事業部 副部長):最初は商用電源と発電機を併用して、というお話だったのですが、結局100パーセント発電機になりました。しかも食のイベントですから24時間通電で行いたい、と。過去、東日本大震災の時にも泊原発が止まって節電の要請が出されたのですが、その時も、私どもから発電機を出しました。その時からの信頼感、信用が今回のお話に繋がったと思っています。

高野:なにしろ、震災の直後ですから、当社の保有の台数ではまかないきれなくて、アクティオで道外から集めた発電機も半分ぐらい使ってなんとか数を揃えました。

原田:アクティオグループの一員になったことで、機材の調達力がアップしたのは事実ですね。今回も単独では難しかったかもしれません。


震災で開催が危ぶまれたオータムフェスト。共成レンテムの協力のもと、無事開催された震災で開催が危ぶまれたオータムフェスト。共成レンテムの協力のもと、無事開催された

高野:震災の直後でしたが、このイベントを楽しみにしてくださっている方も、道外の方含めて大勢いらっしゃいます。地震でちょっと落ち込んでいる時期だからこそ、イベントを成功させて盛り上げたい、復興に繋げたい、という思いがありました。

原田:オータムフェストは約3週間開催されましたが、技術的なトラブルもなく乗り切れてほっとしています。大通公園というのは、木がたくさんある森のような公園です。そこに設置したのは大型の発電機でしたから、設置時に公園の木を傷つけたり、枝を折ったりすることのないよう気を遣いました。これは北海道で長年イベントに携わってきた経験があったからこそですね。
イベント期間中、24時間体制で電力を供給したイベント期間中、24時間体制で電力を供給した

高野:なんとかイベントも成功し、みなさんに喜んで頂けて少しでも復興の支えになったのではないか、と思っています。



ネットワーク力・グループ力

北海道のほぼ全域がブラックアウトするという、前代未聞の被害をもたらした北海道胆振東部地震。そこでアクティオに課せられたものは「大量の発電機を素早く調達すること」だった。全国規模の営業所のネットワークが素早く起動し、大量の発電機と人材を北海道に送り込んだ。震災直後のイベント、オータムフェストを無事開催に導いたのも、アクティオグループである共成レンテムとアクティオとの協力体制があったからこそだった。

この震災にアクティオが貢献できたのも、全国をカバーするネットワークと、グループの力があったからなのだ。

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