2025.08.26

渇水時間を最短に! 「センサー式オートポンプ」 水中ポンプの運転において、問題となるのが「渇水運転」。これは、排水し続けて水が枯れてしまった状況で水中ポンプを空運転している状態を指す。無駄な運転で電力を消費する上、ポンプの寿命を縮めてしまう。この問題を解決するのが、アクティオがレンタル展開する「センサー式オートポンプ」。アクティオのグループ企業である櫻川ポンプ製作所が開発した画期的な製品だ。

水中ポンプはあらゆる現場で活躍している

日常生活の中では、直接人の目に触れることがほとんどない水中ポンプ。一方、建設現場では湧き水やたまり水の排水で使用される機械であり、そのほかにも、工場の排水設備や、農業、工業の給排水など、水中ポンプはさまざまな現場で日々活躍している。


水中ポンプの改良や機能アップは、幅広い産業に大きなインパクトをもたらす。そのひとつがアクティオがレンタル展開している「センサー式オートポンプ」。これはアクティオのグループ企業、櫻川ポンプ製作所が開発した、画期的な水中ポンプである。


「センサー式オートポンプ」には、渇水時間を最小限に抑える工夫が幾重にもこらされている「センサー式オートポンプ」には、渇水時間を最小限に抑える工夫が幾重にもこらされている




賢いタイマー運転

水中ポンプの自動化というと、電極やフロートで水位を検知し、「固定タイマー」であらかじめ決まった時間に排水する、といった運転方法が一般的だ。


しかし、この方法でも渇水運転は起きてしまう。例えば、小さいピットでポンプを使用するとあっという間に水位が下がり、その結果、固定タイマー運転中に渇水が発生し、タイマー終了まで渇水運転し続けることになる。つまり、最適な運転時間はそれぞれの現場状況によって異なる。


そこで櫻川ポンプ製作所は、現場状況に合わせて最適な運転時間をポンプ自身が自動調節する「変動タイマー」を搭載した。流入量が少ない場合は排水時間を短く、多い場合は長くするなど、排水時間を変動させることで、渇水時間、消費電力をより削減することが可能となった。




変動タイマーが最適解を導き出す

変動タイマーが、ポンプの運転時間を最適化するプロセスを見ていこう。


① 水位が上がってセンサー先端に水が触れると自動的に運転を開始し、排水を始める。

② 一定時間排水した後、自動的に排水が止まる。

③ 水位が上昇し、再度センサー先端に水が触れたら排水開始。ただし、前回より長めに排水し、停止。このように運転、停止を繰り返す。

④ 途中で「渇水ではないか」と判断したら、次回は「短め(前回の半分)」で排水する。

⑤ ③、④を繰り返す。


状況に合わせた最適な運転をすることで、渇水の時間を短く、始動回数を少なくできる。この運転・停止のタイミングをコントロールしているのが、ポンプに内蔵された変動タイマーだ。


変動タイマーと水位センサーによる運転のシミュレーション映像。徐々に運転時間を延ばし、渇水と判断したら短くする、を繰り返すことで渇水状況を回避する。変動タイマーと水位センサーによる運転のシミュレーション映像。徐々に運転時間を延ばし、渇水と判断したら短くする、を繰り返すことで渇水状況を回避する。




汚れても正確に水を検知できる静電容量式センサー

ポンプの水位センサーには、業界で唯一、「静電容量式」を採用している。


水と空気の静電容量(電荷の量)差が大きいことを利用し、この静電容量を監視することで運転水位を検知する。これはタッチパネル液晶が人の指に反応する仕組みと同じである。液質やセンサー表面の汚れは静電容量に大きな影響を与えにくいので、一般的な検知方式の電流検知式に比べて検知ミスが発生しにくい。


またセンサー線は、手で曲げて高さや位置を変更できるフレキシブルな形状。工具が不要なため、現場で即座に設定できるという点も大きなポイントだ。


フレキシブルに高さや位置を設定できるセンサー。静電容量式を採用しているため、汚れにも強いフレキシブルに高さや位置を設定できるセンサー。静電容量式を採用しているため、汚れにも強い




水中ポンプのスタンダードへ

水中ポンプを使うさまざまな現場で、省エネと効率的な給排水を実現するセンサー式オートポンプ。土木、建築、工業、農業など人の活動がある場所には、必ずと言っていいほど水中ポンプがある。センサー式オートポンプの活躍の場は今後も広がっていくに違いない。


※記事の情報は2025年8月26日時点のものです。


お問い合わせはこちら


株式会社櫻川ポンプ製作所

ページトップ