2025.04.22

熱中症のリスクをAIカメラで判定する「カオカラ」 高温多湿な環境下において、体内の水分や塩分のバランスが崩れたり、体内の調整機能が破綻するなどして発症する障害、「熱中症」。そんな熱中症から作業者を守るための強力なツールが、熱中症リスク判定AIカメラ「カオカラ」だ。

熱中症のリスクをAIカメラで判定する「カオカラ」

職場における熱中症リスクは建設業が最も高い

厚生労働省が取りまとめた2023年の「職場における熱中症による死傷災害の発生状況」によると、職場での熱中症による死亡者および休業4日以上の業務上疾病者の数(以下、合わせて「死傷者数」)は1,106人となった。うち死亡者数は31人である。


厚生労働省「令和5年 職場における熱中症による死傷災害の発生状況(確定値)」を基にグラフ作成


2019年から2023年の業種別の熱中症の死傷者数と死亡者数を見ると、建設業、次いで製造業で多く発生しているのが分かる。


厚生労働省「令和5年 職場における熱中症による死傷災害の発生状況(確定値)」を基にグラフ作成


建設業における熱中症が生じやすい要因は、「炎天下での作業、風通しが悪い屋内での作業が多い」「周囲のペースに合わせて作業しなければならない」「体を動かす時間が長い」「体調に合わせて休憩しにくい」といった点が挙げられる。


そういった環境下で熱中症を予防するためには、「作業時間の短縮」「通気性の良い作業着の着用」「水分・塩分の摂取」などが重要だ。とはいえ、工程が決まっているため頻繁に休んではいられないし、安全性の観点から薄い生地の作業着で作業するのは難しい。




熱中症の症状と重症度を把握する

熱中症の症状をいち早く察知し、しかるべき処置を施すことができれば、重症化のリスクを削減できる。


環境省が作成し、公表している「熱中症 環境保健マニュアル2022」では、熱中症の症状と重症度分類について以下のように記している。


重症度Ⅰ度(軽症) → 現場で対応し経過観察

●意識ははっきりしている
●手足がしびれる
●めまい、立ちくらみがある
●筋肉のこむら返りがある(痛い)


重症度Ⅱ度(中等症) → 医療機関を受診

●吐き気がする・吐く
●頭ががんがんする(頭痛)
●体がだるい(倦怠感)
●意識が何となくおかしい


重症度Ⅲ度(重症) → 救急車を要請

●意識がない
●呼びかけに対し返事がおかしい
●体がひきつる(けいれん)
●まっすぐ歩けない・走れない
●体が熱い


これらを判断するためには、いくつかの手法が考えられる。最も一般的なのが声掛けによるコミュニケーションだ。「大丈夫?」「水飲んだ?」などと声を掛けるのは有効だが、気づかない場合があるし、自覚症状がなければ意味がない。


暑さ指数(WBGT)が計測できる計器を設置し、危険度を見える化するのも有効だが、真夏は毎日のように「危険(31以上)」と表示されるのが難点だ。また現場全体の状況しか把握できず、個人の症状を判定するには至らない。


最新のウェアラブル機器を身に付ければ、かなりの精度で熱中症か否かを判定できる。しかし、現場の規模が大きくなればなるほど運用やコストの負荷が懸念される。




カメラに顔を映して熱中症リスクを判定する「カオカラ」

そこで注目したいのが、カメラに顔を映すことで熱中症リスクを判定できる予防システム「カオカラ」だ。NETIS登録商品(登録番号:KT-240046-A)でもあるカオカラには、「精度」「使いやすさ」「一元管理」という3つの特長がある。


まず、専用に学習されたAIにより顔画像から疲労や寝不足状態、紅潮や発汗の状態を約8割の精度で推定。さらにWBGTの情報も統合して、個人の熱中症リスクを判定可能だ。


次に、運用は専用タブレットを設置して起動すればOK。現場導入管理がしやすいだけでなく、作業員にとっても使いやすい設計だ。カメラに顔を映し撮影ボタンを押すと、約3秒で結果が表示され、結果は4段階の色表示で一目瞭然である。


判定はAIカメラに顔を映して、撮影ボタンを押すだけでOK


最後に、熱中症リスクの結果は一元集約され、現場管理者が手元のパソコンなどで確認できる。これにより、現場全体の熱中症リスクが上昇傾向なので朝礼で注意喚起を促す、といったことが可能になる。また、リスクの高い作業員に優先して声を掛けるなど、効果的な対策に役立てることも期待できる。


判定された熱中症リスクの結果は一元集約され、現場管理者がパソコンやタブレットで確認可能。そのデータを基に、注意を促せるのもメリットだ


カオカラは、あくまでも熱中症リスクを推定する機器である。最終的には実際に体調による判断が必要だが、熱中症の管理を容易に、かつ高い精度で行えるのは間違いない。


※記事の情報は2025年4月22日時点のものです。


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〈ご参考までに...〉

熱中症リスク判定AIカメラ(カオカラ)(アクティオ公式サイト)

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