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2025.01.16
サビ除去の革命「CoolLaser®」。橋梁などインフラ保全の切り札に 橋梁やトンネルなど、インフラの保全が日本社会全体の大きな課題となっている。アクティオがレンタル展開する、最新技術のレーザーブラスト搭載車「CoolLaser®(クーレーザー)」は、その課題の解決に向けた、力強い切り札となることが期待されている。
高度成長期に建設された橋のメンテナンスが急務
今、日本には「橋」が約73万橋ある。これらの橋の多くは高度成長期に耐用年数50年として設計・建設されたものだが、約4割が既に建設後50年を経過しており、2032年にはこの割合が59%にまで増えるというデータもある(国土交通省「老朽化の現状・老朽化対策の課題」)。
社会資本整備審議会 道路分科会 建議「道路の老朽化対策の本格実施に関する提言」の中では、「今すぐ本格的なメンテナンスに舵を切らなければ、近い将来、橋梁の崩落など人命や社会システムに関わる致命的な事態を招くであろう」と厳しい言葉で警告が発せられている。この一刻の猶予も許されない状況にありながら、メンテナンス工事の担い手不足により、危機の解消にはまだ多くのハードルがある。
高出力レーザーで橋梁のサビを除去
「橋」は、鉄筋コンクリート橋、プレスコンクリート橋、鋼橋が大半を占める。橋長15m以上の道路橋では、主要部材に鋼を用いた「鋼橋」が主流(橋梁延長の約5割)となっている。アクティオがレンタル展開する「CoolLaser®」は、これら鋼橋のメンテナンスの切り札として期待されている。
CoolLaser®は、世界最高峰の高出力レーザーでサビや塗膜などを除去するレーザーブラスト搭載車。アクティオはこの商品を開発・製造する株式会社トヨコーと共にこのシステムのデモ事業を運営し、2024年11月から同商品のレンタルを行っている。
鋼構造物の老朽化を招く大きな要因がサビ(腐食)の進行である。サビができると、そこから水分や塩分が進入しさらにサビが進んでしまう。これが強度を低下させ、最悪の場合は鉄骨の破断を招くため、橋梁のメンテナンスでは、サビの除去が必要となる場合が多い。
これまでサビの除去には、グラインダーによる研磨や、高圧のエアーで砂を吹きつける「サンドブラスト工法」が用いられてきた。これらは、作業がキツく危険なことや、除去物以外にも産業廃棄物を生んでしまうという短所があった。
CoolLaser®は、高エネルギーのレーザー光をサビに照射し、弾き飛ばすことでサビを除去する全く新しい技術。金属のサビ部分だけが光を吸収しやすい性質を利用し、本体へのダメージを抑えながら、サビだけを高温にして除去する。
幅広い活用が期待される、人と環境に優しい技術
CoolLaser®の本体は4tウイング車に格納されており、駐車位置から100m離れた場所での施工が可能だ。作業車が手にするレーザーヘッドは約4kgと軽く、天井部分のサビ除去などでも身体的な負担を軽減できる。光で除去するため反動もない。工具によるケガを減らし、火花の引火による火災事故も防止できる。
リベットやボルト等の凹凸など複雑な形状にも難なく作用し、サビの原因となる塩分も除去するため、腐食の原因を徹底的に除去することができる。
加えて、サンドブラスト工法で排出される研削材の産廃物はなく、サビ部分そのものの産廃物は、取り付けた集塵機(下図⑬)が回収する。
CoolLaser®の活躍するフィールドは橋梁のみにとどまらず、鉄塔、プラント、港湾施設や船舶など、多様な鋼構造物で対応可能。社会を支えるインフラの長期の安心・安全のために、幅広い活用が期待されている。
CoolLaser®の構成
※レーザー施工研究会の資格制度である『レーザー照射処理施工士』及び『レーザー照射処理管理技士』の資格を取得することでCoolLaser®をご使用いただけます。
▼CoolLaser®(クーレーザー)
※記事の情報は2025年1月16日時点のものです。
〈ご参考までに...〉
● レーザーブラスト搭載車 CoolLaser®(アクティオ公式サイト)
● レーザーブラスト搭載車「CoolLaser®」レンタル開始(アクティオ公式サイト)