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2024.07.17
風力発電機の羽根の中を点検! 「パイプクローラー」 「パイプクローラー」はその名の通り、さまざまなパイプの内部を点検するためのカメラ付きロボットだ。アクティオは、今後建設の増加が見込まれる、風力発電機のブレード(羽根)内部の点検を行う機械としてレンタルを開始した。
急増する風力発電機
国をあげて取り組むカーボンニュートラル。その潮流の中で、再生可能エネルギーの導入が進んでいる。中でも風力発電は、再生可能エネルギーの主力と言える。2023年時点、国内では2,626基の風力発電機が建設され、陸上風力発電、洋上風力発電ともに急ピッチで拡大しようとしている。急増する風力発電機の保守、メンテナンスへの対応は喫緊の課題だ。
ブレード内部の点検は危険
一般的に、風力発電機のブレード内部の点検は、2~3年に1度と定められており、現在は主にブレードの内部に作業者が入り、目視点検を行っている。ブレード内部は天井が低く、狭い。そのため、作業者は立ち上がることもできず、屈んだ姿勢での前進・後退を余儀なくされる。高所かつ、狭い空間での作業を強いられており、少なからず事故も発生している。しかも、この作業が数週間から、数カ月に及ぶこともあるという。
風力発電機のブレードを安全に点検できる「パイプクローラー」
大きな危険を伴う風力発電機のブレード内部の点検をより安全に、より効率よく行える機械が、「パイプクローラー」だ。本来は、下水管などさまざまなパイプ内部を点検するためのものだが、風力発電機のブレード内部の点検にも適用でき、海外では多くの実績がある。
パイプクローラーは、長さ440mmのコンパクトなボディーに、カメラとライトを搭載している。重量は15kgほどで、容易にハンドリングが可能だ。
ボディーは表面を電解処理した陽極酸化アルミニウムとステンレス鋼製で、非常に堅牢な造りになっている。全長200mのケーブルを通じて、コントローラーから遠隔操作を行う。コントローラーはジョイスティックを使ったシンプルなもので、操作も簡単だ。
カメラはコントローラーを通じて水平方向、垂直方向に動かすことができ、目視と遜色のない点検が行える。搭載しているのは、フルハイビジョン解像度(1,920×1,080pixel)のカラーカメラで、10倍の光学ズームに加え、デジタルズームを併用することで120倍まで拡大が可能。これにより、小さな傷などもしっかりと確認できる。また、映像はケーブルを通じてコントローラーの液晶画面に表示でき、そのまま録画することも可能だ。
パイプクローラーを使った点検作業では、カメラ映像だけを頼りに作業を進めるため、カメラが今どの方向に向いているのか分からなくなってしまう場合がある。これに対処するため、ボタン1つでカメラの向きを初期化する機能「カメラホーム」も備わっている。
カメラで捉えた傷などのサイズを把握するための「レーザースケーラー」も搭載している。カメラの正面に向けて、5㎝の間隔で2本のレーザー光を照射し、被写体と比較することで、大まかなサイズを把握できるのだ。
電力インフラ工事をトータルサポート
アクティオは、今回紹介したメンテナンス用の機器のほか、風力発電設備建設のあらゆるフェーズを一貫してサポートする体制を整えている。建設地の整備を行う地拵え(じごしらえ)から、風車や送電線鉄塔の建設用クレーン、安全な荷役を行うための吊り荷旋回制御装置などで現場をサポートする。
特に、新開発の「風車建設用タワークレーン」は、従来のオールテレーンクレーンの最小作業半径22mに対し、最小作業半径をおよそ半分の12.5mに短縮。施工現場のサイト面積を大幅に縮小した。
また送電線鉄塔建設においても、コラム材の使用で剛性をアップし、さらに組み立て作業工数を大きく削減した「送電線鉄塔建設用クライミングクレーン」や、ディーゼルエンジン搭載で発電機が不要の「送電線鉄塔建設用ジブクレーン」をラインナップしている。
カーボンフリーの世界へ向けて、自然エネルギーの開発は社会の重要課題。アクティオは、今後も風力発電インフラ工事のサポートを積極的に推進していく方針だ。
▼パイプクローラー A-150S
※記事の情報は2024年7月17日時点のものです。
〈ご参考までに...〉
● パイプクローラー(アクティオ公式サイト)
● 風車建設用タワークレーン(アクティオ公式サイト)
● 送電線鉄塔建設用クライミングクレーン(アクティオ公式サイト)
● 送電線鉄塔建設用ジブクレーン(アクティオ公式サイト)