2024.06.21

狭小地でも大型発電機を設置できる「発電機用可搬式ジャッキ装置」 従来、大型発電機の搬入・設置にはクレーンを使用する必要があった。しかし、都市部など狭い現場ではクレーンを置けないケースも多い。アクティオは、これを解決するため「発電機用可搬式ジャッキ装置」を開発。狭小地への大型発電機の搬入・設置を可能にする積み下ろしサービスを開始した。

クレーンを使わずに発電機を設置

一般に、大型発電機の搬入・設置にはラフテレーンクレーンを使うことが多い。ラフテレーンクレーンを動かすには、大型特殊免許をはじめ専門的な資格が必要となり、現場もそれなりに大がかりにならざるを得ない。


また、特殊車両である場合、公道を走るには許可を得なければならず、緊急の場合に即応できないといった問題もある。そして何より、発電機の近くにクレーンを設置するスペースの確保が必須となる。


これらの問題を一挙に解決するのが、アクティオが独自開発した「発電機用可搬式ジャッキ装置」だ。この装置を使うことで、発電機を運ぶトラックとジャッキの組み立てに使う小型のユニックがあれば、大型発電機の搬入・設置が可能になる。重機もスタッフも小さな規模で済み、場所も取らないのだ。


1,100kVAの大型発電機(デンヨー1100SP)に、発電機用可搬式ジャッキ装置を取り付けた様子1,100kVAの大型発電機(デンヨー1100SP)に、発電機用可搬式ジャッキ装置を取り付けた様子。発電機の両サイドにある青い部分がジャッキ装置だ




発電機にジャッキを外付けするという新発想

ジャッキ装置といえば、高所作業車などに装備されている油圧式のアウトリガーが思い浮かぶ。発電機用可搬式ジャッキ装置の発想は、これと同様の機構を発電機に外付けする、というもの。つまり発電機そのものに自揚機能を持たせるわけだ。


新たに開発した特殊な治具(じぐ)を用いることで、220kVAクラスから1,100kVAクラスまでの幅広い発電機に対応することができる(一部機種を除く)。




搬入・設置の手順

発電機用可搬式ジャッキ装置による発電機搬入の手順を見ていこう。


現場近くに着いたら、まず発電機にジャッキ用の治具を取り付ける。機種によってはこのタイミングで排気ダクトも取り外す。


ユニックを使いながら、発電機用可搬式ジャッキ装置を取り付ける。

(左)発電機の四隅に治具を取り付ける (右)ジャッキ装置はユニックで吊り上げ、取り付ける(左)発電機の四隅に治具を取り付ける (右)ジャッキ装置はユニックで吊り上げ、取り付ける


ジャッキ装置を取り付けた発電機をトラックで設置場所に搬入。油圧パワーユニットのホースをジャッキへ接続する。

(左)設置場所に搬入 (右)油圧パワーユニットのホースをジャッキ装置につなぐ(左)設置場所に搬入 (右)油圧パワーユニットのホースをジャッキ装置につなぐ


ジャッキを引き出し、リモコンでジャッキアップを開始。十分にジャッキアップできたら、トラックは退場。そして、ジャッキダウンで発電機を着地させる。

(左)ジャッキアップ開始 (右)ジャッキダウン完了(左)ジャッキアップ開始 (右)ジャッキダウン完了


設置ができたら、ジャッキ装置と治具を分解して取り外す。これで完了だ。




設置困難だった場所に発電機を

発電機用可搬式ジャッキ装置は、狭小空間や室内、さらに災害の被災地など、大型発電機の設置が困難だった場所に電源確保の道を開く。また、都市部の敷地が狭いビルで、非常用電源を整備する際にも活用できる。


現場の「困った」を解決する発電機用可搬式ジャッキ装置は、まさにアクティオの「レンサルティング」の"申し子"のような存在と言えるだろう。なお、この装置はレンタル品ではなく、発電機のレンタルに伴う「付帯サービス」として提供されている。


※記事の情報は2024年6月21日時点のものです。


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