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2023.07.18
危険を警告し、事故を防止! 簡単に後付けできる安全装置 常に危険と隣り合わせの建設現場において、事故を未然に防止する安全対策は欠かせない。とはいえ、安全対策機能を備えた建機を一から導入するには時間とコストを要し、負担が大きい。そこで、今回は既存の機械に手軽に後付けできる安全装置のラインナップを紹介する。
バックホーに後付けし、作業者の安全を守る
国土交通省の「安全啓発リーフレット(令和4年度版)」によると、令和2年度に発生した重機事故38件のうち、土工用重機(バックホー等)と作業員の接触事故は20件(52.6%)と最も多い。中でも重機の「前方」と「後方」での事故が多く、合図・確認の不徹底、誤操作が原因と推測される。
こうした状況を受け、アクティオはバックホーに後付け可能な安全装置の開発に注力してきた。「スリーエスバックホー」(2017年特許取得)や、その改良版「フォーエスバックホー」などが好例だ。
■スリーエスバックホー
スリーエスバックホーは、赤外線を使って作業員だけを検知し、自動停止する安全補助システムを搭載している。ヘルメットセンサーを付けた作業員が重機の約3~7mの設定範囲以内に入ると、全ての動作が自動的に緊急停止する(距離は調整可能)。オペレーターと作業員にブザーで知らせ、約5秒間完全停止。作業員が範囲内に居る場合は停止を続行し、範囲内から出れば通常作業可能となる。
ヘルメットセンサーは周囲360°赤外線を受光でき、ヘルメットにはアラームのほか振動子を装備。自動停止の際には音と振動で危険を知らせる。受信機は3チャンネル方式を採用しているため、混信することなく複数の重機で同時に使用することもできる。
※停止させることができるのは、バックホーのみです。
■フォーエスバックホー
NETIS登録商品(登録番号:QS-150004-VE)でもあるフォーエスバックホーは、バックホーに取り付けた磁界センサーにより、稼働中のバックホーに近づく作業員を検知して、警報を発し強制的に重機の操作を停止する。バックホーには磁界発生器を搭載し、上部に積層灯、運転席には警報ランプとアラームを設置。外付けタイプのため、さまざまな重機に取り付け可能だ。検知距離は約3~12mで、6段階で調整でき、検知エリアは重機を中心に外側、内側と2段階で設定できる。
積層灯は3色灯で、監視中は緑、外側エリアに作業員が侵入すると黄、内側エリアに侵入すると赤が点灯する。外側エリアでは、作業員が身につけたタグによる警報と振動で危険を知らせ、同時にオペレーターには警報と積層灯で通知。内側エリアでは、作業員がエリア内に立ち入ると重機が停止する仕組みだ。作業員が内側エリアから出ても、5秒間は停止した状態となる。
※停止させることができるのは、バックホーのみです。
高所作業車やクレーンによる、挟まれ事故や接触事故を防ぐ
アクティオは、バックホーだけでなく、高所作業車やクレーンに後付けできる安全装置も取りそろえている。いずれも簡単に取り付け可能で、接触事故の防止に役立つ。
■はさまれん棒
「はさまれん棒」は、高所作業車による挟まれ事故、接触事故の防止のため、構造物接触の際に音と光で注意を喚起する。市販ののぼり用ポール(φ19mm)で簡単に取り付けることができ、縦(上)および横(360°)方向の接触を検知する。検知バーに力が加わるとバーが青色に高速点滅し、同時にブザー音が鳴る。NETIS登録商品(登録番号:CB-180021-VE)でもある。
■衝突警報装置(高所作業車) パノラマHL
超音波構造物検知センサー「衝突警報装置(高所作業車) パノラマHL」も、はさまれん棒と同様に、高所作業車に後付けできる。高所作業車のバスケットを上昇させる際、音で警告し、構造物との衝突を未然に防ぐ。検知距離(警報範囲)は1m、1.5m、2mと切り替えることができ、音量調節も可能だ。
また検知状態を目視できるように、回転灯を付属している。無線式構造のため、ブーム伸縮の際にコードを巻き込む心配もない。組み合わせ品のニッケル水素電池を使用した場合、1回の充電で約80時間使用できる。
■吊荷通過警報システム
クレーン作業時の危険を警報音で知らせる「吊荷通過警報システム(安全マン)」は、クレーンのフック部に簡単に装着できる。携帯可能な小型リモコンでオペレーターだけでなく、作業者からも操作可能だ。大音量スピーカーで、音声到達距離は200m超。バッテリー稼働で、4種類の音源を標準装備する。NETIS登録商品(登録番号:QS-190011-VE)でもある。
AIで高精度に人物を検知し、危険を知らせる監視カメラ
AIを搭載したカメラシステムは、高精度に人物を検知でき、モニターでリアルタイムに映像を確認することができる。また作業者が検知用タグを携帯する必要がなく、本体とモニターや警告灯だけで完結するという手軽さも、導入を後押しするポイントだ。
■AI監視カメラ「EagleEye®Ⅱ」
「EagleEye®Ⅱ(イーグルアイツー)」は、検知する人までの距離を測定し、設定した危険エリアに応じて、光や音で危険を知らせるAI監視カメラだ。下面に磁石が備えられ、建設機械・産業用車両の車体などに手軽に取り付けることができる。検出範囲は水平120°、垂直90°。距離は10m。しゃがんでいる人、転倒している人も正確に検出し、3つの危険ゾーンで人物を検知する。
また、人物を高い精度で検知するための学習機能をはじめ、画像処理技術、映像処理プロセッサー(ISP)、レンズ歪み補正、画像鮮明化技術などを、全て独自の畳み込みニューラルネットワーク* として本体内に搭載している。このため、クラウドやGPUサーバーなどとの接続が不要である。本体とモニター、警告灯だけで完結し、オフライン環境で稼働することも大きな魅力だ。NETIS登録商品(登録番号:KK-200027-A)でもある。
* ニューラルネットワーク:人間の脳内にある神経回路網を人工ニューロンという数式モデルで表現したもの。AI分野でニューラルネットワークは機械学習の基本的な仕組みとなる。
■重機取付型セーフティカメラシステム「ドボレコ®JK」
「ドボレコ®JK」は、独自のAI画像解析技術で高精度に人物を検知し、人物の接近を映像とアラート音、警告灯で注意喚起するカメラシステム。作業者が検知用タグを携帯する必要がなく、重機に近づく人を検知してモニターに表示、アラート音や回転灯で危険を知らせる。検知範囲は1台200°(2台の場合は270°)の視野角で、検知範囲は8m。マグネットや粘着テープで簡単に取り付けでき、カメラの自動姿勢補正により、重機のさまざまな場所に設置可能だ。
モニター本体には、現場の映像を記録する機能を備えている。さらにクラウドサービス(要別途契約)を利用することで、現場のライブ映像を遠隔で確認することができ、クラウド上での保存(映像保存期間は1カ月)も可能になる。NETIS登録商品(登録番号:KK-210060-A)でもある。
※本記事に掲載した装置は全て安全補助装置です。100%事故を防ぐものではございません。使用にあたっても従来通りの安全注意事項を必ずお守りください。
※記事の情報は2023年7月18日時点のものです。
〈ご参考までに...〉
● スリーエスバックホー(アクティオ公式サイト)
● フォーエスバックホー(アクティオ公式サイト)
● はさまれん棒(アクティオ公式サイト)
● 衝突警報装置(高所作業車) パノラマHL(アクティオ公式サイト)
● 吊荷通過警報システム(アクティオ公式サイト)
● AI監視カメラ(EagleEye®Ⅱ)(アクティオ公式サイト)
● 重機取付型セーフティカメラシステム(ドボレコ®JK)(アクティオ公式サイト)