2021.07.20

AI監視カメラ EagleEye®Ⅱ、高い検知精度で重機と人との接触事故防止に貢献 重機と人との接触事故を減らしたい。その想いからアクティオは、様々な安全対策システムをご提案している。その1つが、高性能なAI(人工知能)監視カメラだ。

AI監視カメラ EagleEye®Ⅱ、高い検知精度で重機と人との接触事故防止に貢献

高品質を求め、選ばれたシステム

現在、工事現場の発生事故で最も多いのが重機と人との接触事故だとされる(国土交通省安全啓発リーフレット令和2年度版)。この事故を減らし現場の安全性を高めるために、アクティオが2021年からお客様に積極的にご提案しているのが、「AI監視カメラ EagleEye®Ⅱ(イーグルアイツー)」だ。

いま現場の安全対策として導入される監視カメラやバックセンサーの世界は日進月歩で、海外製で安価な商品が群雄割拠の状態となっている。AI監視カメラ EagleEye®Ⅱの導入を進めたエンジニアリング事業部AP部 茂木清顕部長はこう話す。

「実は弊社も、スピードを重視し、他国から製品を購入してレンタルにラインナップする選択肢を検討したこともありました。しかし、それではアクティオが求める品質の安定供給ができない、という判断になりました。そこで採用されたのが、このEagleEye®Ⅱです」


エンジニアリング事業部 AP部 茂木清顕部長エンジニアリング事業部 AP部 茂木清顕部長

EagleEye®Ⅱは、バックホーやフォークリフトなどの、後方や側方の死角を監視し、危険ゾーン内に人物を検知すると、モニター内で警告するとともに、警告灯の光や音でオペレーターに知らせるAI監視カメラ。下面に磁石が備えられ重機の車体などに手軽に取り付けることができる。


検出範囲は水平120度と広い。複数台を同時に稼働させることも可能なので、2台なら後方から側方まで200度以上の広い範囲をカバーできる。フレームレート*1も従来品に比べ倍近くに向上している。


*1 フレームレート:1秒間の動画が何枚の画像で構成されているかを示す単位。


EagleEye®Ⅱのカメラ本体。画像処理や学習機能などをつかさどる中枢機能を全て本体内に備えている。また、NETISの登録商品である(NETIS登録番号 : KK-200027-A)EagleEye®Ⅱのカメラ本体。画像処理や学習機能などをつかさどる中枢機能を全て本体内に備えている。また、NETISの登録商品である(NETIS登録番号 : KK-200027-A)

高い検知精度と学習機能

EagleEye®Ⅱが検知し警告するのは「人」だ。画面内に人が映り込んだときに、モニター内で警告するとともに、警告灯の光と音でオペレーターに知らせる。この基本機能は多くの監視カメラと同様だが、同機の性能を際立たせているのは、その優れた感知精度にある。

同機の感知精度について、AP部の本間博営業主査が説明してくれた。

「これまでの監視カメラとの違いは、簡単に言うと頭の良さです。単に人を検知するカメラは世の中にたくさんありますが、画面内に映り込む人が倒れていたり、しゃがんでいたり、足元が映っていない、あるいは小さなお子さんの場合など、姿勢や状況が特殊な場合に人を検知することができない、というものが多くあります。EagleEye®Ⅱはこの検知精度を大幅に改善しています。姿勢が違っていても、あるいは人が傘を差していたり自転車に乗っていたりしても検知できるよう、AIの部分が発達しているのです」


検出範囲は水平120度、垂直90度。距離は10m。この範囲も、これまでの車載監視カメラに比べ大きく向上した。しゃがんでいる人、転倒している人も正確に検出し、3つの危険ゾーンで人物を検知する検出範囲は水平120度、垂直90度。距離は10m。この範囲も、これまでの車載監視カメラに比べ大きく向上した。しゃがんでいる人、転倒している人も正確に検出し、3つの危険ゾーンで人物を検知する

実際の現場では、誰もが背筋を伸ばして単に歩いてくるわけではなく、時に様々な姿勢で重機に近づいてくる。雨の日に歩く人や自転車に乗った人は事故につながりやすく、しゃがみ込んでいたり倒れていたりする人、そしてお子さんの場合にこそ重大事故につながりかねないということを考慮すると、このカメラの検知精度は、まさに工事現場が待ち望んでいたものであったといえる。さらに、AIの学習機能により、検知精度を一層高めていくことができることも大きな特長だ。

しかも、人物を精度高く検知するための学習機能をはじめ、映像処理プロセッサー、レンズ歪み補正、画像鮮明化、画像認識機能まで、全て独自の畳み込みニューラルネットワーク*2として本体内に搭載しているため、クラウドやGPUサーバーなどとの通信ネットワーク接続が不要。本体とモニター、警告灯だけで完結する、オフライン環境で稼働するシステムであることも大きな魅力となっている。


*2 ニューラルネットワーク:人間の脳内にある神経回路網を人工ニューロンという数式モデルで表現したもの。AI分野でニューラルネットワークは機械学習の基本的な仕組みとなる。


エンジニアリング事業部 AP部 本間博営業主査エンジニアリング事業部 AP部 本間博営業主査

直感的に使えるシンプルな操作性

映像を見るモニターは、シンプルなアナログモニターか、車上で設定も可能なタブレット状の「パネルPC」のいずれかを選択できる。モニター内に人物を検知した場合、赤と黄、緑の3色の枠を表示して危険度の高さを区別できる。最も人物が近づいた場合は赤の枠を表示し、警告灯が光と音で知らせてくれる。人物を検知した信号を重機と連動させ、赤色の警告がついたら重機を強制的に止めるようなシステムを構築することも可能だ。


重機の運転席横などに取り付けて使用するモニター。検知した手前の人物が赤枠で囲まれている。この状態で警告灯が作動する。後方の人物は黄色枠で囲まれている重機の運転席横などに取り付けて使用するアナログモニター。検知した手前の人物が赤枠で囲まれている。この状態で警告灯が作動する。後方の人物は黄色枠で囲まれている

精密な検知ができるということは反面、必要のない警報を出し続けることにもつながり、性能の高さが作業の障害になる場合もある。そのために「検知エリア設定」の機能も追加されている。

「画面の中に、安全の確保された通路などがある場合、そこを人が通るたびに警報が鳴っていると、仕事の妨げになります。そこで、人が映ってもいい範囲を指定しておけば、検知の範囲から外すことができるようになっています。現場で検知しながら調整することも可能です」(本間主査)


現場内の安全エリアなど、検知しない範囲をあらかじめ設定しておくことができる現場内の安全エリアなど、検知しない範囲をあらかじめ設定しておくことができる

メイド・イン・ジャパンならではの高い信頼性

EagleEye®Ⅱは国内メーカー(株式会社レグラス)が開発し、製造も全て日本国内で行っている、純正の「メイド・イン・ジャパン」だ。耐久性などへの信頼性も高い。すでにNETISにも登録されていることからお客様の関心も高く、これまでに多くのお問い合わせをいただき、他の監視カメラと比較した上で選んでいただくという実績が出ている。

「今後も、このカメラの頭脳はさらに向上していくと思います。これまでにもアクティオ社内で様々な実験を行い、その結果をもとにメーカーさんに検知プログラムを更新してもらいました。アクティオが建設現場で培ったノウハウがEagleEye®Ⅱの性能向上に生きているわけです。今後もディープラーニングを重ねることで、検知性能をさらに向上させていきたいと考えています。レンタカーにバックモニターが標準装備されるようになってきたのと同じく、将来的にはアクティオのレンタル重機に標準装備として搭載されているようになれば、とも期待しています」(茂木部長)

あってはならない事故。とりわけ命に直結する人身事故への備えは、最優先で行われるべきものだろう。AP部は、現場の安全性の向上のためEagleEye®Ⅱの導入を積極的にご提案していくとともに、性能の一層のブラッシュアップにも努める方針だ。


カメラ本体とモニター、警告灯のセットカメラ本体とアナログモニター、警告灯のセット


※記事の情報は2021年7月20日時点のものです。



〈ご参考までに...〉

AI監視カメラ(EagleEye®Ⅱ)(アクティオ公式サイト)

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