2024.12.17

2024森林・林業・環境機械展示実演会に出展。森林を育て、森林で働くための機械・装備が勢ぞろい 2024年10月20〜21日の2日間、高性能林業機械をはじめ、環境保全に役立つ機械類、安全器具・器材などを展示・実演し、その性能を紹介するとともに、森林・林業・環境機械の安全使用と普及の促進を目的とした「2024森林・林業・環境機械展示実演会」が、福井県勝山市のスキージャム勝山にて開催された。アクティオもグループ会社と共に出展し、総合レンタル企業としての優位性、さらには「提案するレンタル=レンサルティング」に関連する商品を大いにアピールした。

2024森林・林業・環境機械展示実演会に出展。森林を育て、森林で働くための機械・装備が勢ぞろい

あらゆる林業作業をカバーする展示内容

日本では、戦時中や戦後の過度な伐採により荒廃した山地の復旧、また高度経済成長期における木材需要の増大などに応えるため、成長が早く、日本の自然環境に広く適応できるスギ・ヒノキの造林が推進されてきた。


現在、日本の国土面積(3,779万ha)の約7割を森林面積(2,505万ha)が占めており、そのうち人工林面積は1,020万haとなる(森林面積全体の約4割)。その人工林面積のうち、スギ・ヒノキ林が約7割を占めている。


これだけスギ・ヒノキ林が多いと、春に舞う花粉の量も相当なもの。スギ・ヒノキなどの花粉に起因する場合が多い花粉症は、もはや日本国民の3人に1人が発症する国民病となっている。


こういった状況を打破するため、林野庁はスギ花粉発生源対策推進方針を2001(平成13)年6月19日に策定、2024(令和6)年4月3日に改正している。これはスギ人工林を約2割減少させ、代わりに花粉の少ない苗木を植え、さらに林業の生産性の向上および労働力の確保などの取り組みを集中的に推進しようというもの。


そこで注目したいのが、「2024森林・林業・環境機械展示実演会」である。この実演会には毎年、フェラーバンチャ(伐倒・集積)やハーベスタ(伐倒・枝払い・玉切り・集積)、プロセッサ(枝払い・玉切り)、スイングヤーダ(集材)、フォワーダ(集材)などといった高性能林業機械が勢ぞろいする。これらがスギ人工林の伐採・植替えに大活躍するのは間違いない。


アクティオは、グループ会社と共に同実演会に出展。総合レンタル企業の特性を生かし、林業作業全般に役立つ機械を展示した。


それでは作業内容別に展示された機械を紹介しよう。




地拵え・植林・下刈り

植林がしやすいように整地をする「地拵え(じごしらえ)」、苗木を植える「植林」、苗木の周辺に生えた雑草を刈る「下刈り」などに使われる機械を紹介する。

■ラジコン式地拵機「LV800 PRO」

伐採後に残された木の根や枝などを粉砕し、新たな苗を植えられるように地面を整える機械。最大約100m離れた場所から遠隔操作が可能で、最大60度の勾配があっても前後左右に走行可能だ。

ラジコン式地拵機「LV800 PRO」ラジコン式地拵機「LV800 PRO」

■根こそぎ切るソーⅡ型

抜根に使用するバックホーのアタッチメント。切り株にホールソーを被せ、回転しながら掘り進み、根を切断。最後に掘り出せばOKというアイデア商品だ。主な用途は街路樹抜根である。

根こそぎ切るソーⅡ型根こそぎ切るソーⅡ型

■コンテナ苗植栽用パワーアシストドリル「植穴名人」

コンテナ苗を植付ける際に必要な穴掘り作業を、安全かつ簡単に行えるドリル。直径50mm、60mmのコンテナ苗に対応可能で、広く普及しているマキタの電動工具を活用できるのもポイントだ。

コンテナ苗植栽用パワーアシストドリル「植穴名人」コンテナ苗植栽用パワーアシストドリル「植穴名人」

■ハイブリッドラジコン草刈機「神刈 RJ1016」【参考出展】

従来機の刈幅700mmに対して1,016mmとなり、作業効率が2倍以上にアップ。スピーディな刈り取り、使用最大傾斜45度など、プロも納得の性能を誇る。

ハイブリッドラジコン草刈機「神刈 RJ1016」ハイブリッドラジコン草刈機「神刈 RJ1016」

■自動運転草刈機「神刈 RJ705ROB」【参考出展】

「神刈」の自動運転バージョン。タブレットを使って作業範囲を設定することで、自動運転が可能になる。ルート上に障害物などがある場合は手動で回避ルートが設定できるほか、設定したルートから大きく逸脱すると停止する機能などを備える。

自動運転草刈機「神刈 RJ705ROB」自動運転草刈機「神刈 RJ705ROB」

■集草機能付草刈機「草集小力」

草刈・集草・排出を1台でこなす集草機能付油圧草刈アタッチメント「草集力(そうしゅうりき)」に続くシリーズ第2弾が「草集小力(そうしゅうこりき)」だ。0.2m3クラスのバックホーに適合する。

集草機能付草刈機「草集小力」集草機能付草刈機「草集小力」




伐採・木材搬出

節のない木材を生産するために枝を切り落とす「枝打ち」、全体に十分な光と養分がいきわたるように木の本数を減らす「間伐」、最終的に残った大きな木を伐採して収穫する「主伐(しゅばつ)」、主伐した木材の「搬出」などを行う機械を紹介する。

■フェリンググラップル

トラック、バックホー、フォワーダ、屈伸式クレーンなどに取り付け可能なアタッチメントで、これ1台で「つかむ・伐る・運ぶ」の作業が完結。ラフタークレーン、高所作業車などが不要になるため、作業人員、使用車両が削減でき、作業時短率は最大4割が見込める。また、「つかむ」と「伐る」が同時にできるため、作業員は安全な場所から伐採可能なのも魅力だ。

フェリンググラップルフェリンググラップル

■グラップルカッター

木をつかんで切るバックホーのアタッチメント。雑木や竹林の伐採作業を行う際に威力を発揮する。

グラップルカッターグラップルカッター

■チェーンソー用ガイドバー

伐採に欠かせない道具のひとつ「チェーンソー」のパーツは動力部のエンジン、刃のソーチェーン、そしてソーチェーンを導くガイドバーに大別される。ガイドバーには溝が切ってあり、その溝をソーチェーンが走ることで樹木を伐採できるわけだ。


このガイドバーは摩耗するため、定期的に交換する必要があり、アフターマーケットではより高性能なタイプが販売されている。

チェーンソー用ガイドバーチェーンソー用ガイドバー

■トラックグラップル 3t 4WD(グラトラ)

狭い作業道で、1人でも木材を搬出できるのが、通称「グラトラ」だ。切り出された木材をつかみ、持ち上げてトラックの荷台に積み込めるグラップルは最大作業半径が約6.4mで、最大吊り上げ荷重は500kg。もちろん、リモコンで操作できる。


トラックの最大積載量は2,400kgで、駆動方式には林道でも頼もしい4WD(四輪駆動)を採用。さらに、ぬかるんだ道でもタイヤが空転しにくいLSD(差動制限装置)や、坂道走行でも力強さを発揮する低速デフ*も搭載している。


* 低速デフ:登坂力とエンジンブレーキを強化できる差動装置。

トラックグラップル 3t 4WD(グラトラ)トラックグラップル 3t 4WD(グラトラ)

■解体用全旋回フォーク

5本配管仕様のバックホーに装着可能なアタッチメント。解体用だが、林業用としても十分に活用できる。

解体用全旋回フォーク解体用全旋回フォーク

■スタンションダンプ 2.7t高床4WD

最小回転半径が5.1mなので小回りが利き、狭い林道にも向いている。ローリングストッパー、リーフを強化しているため、木材を積んでも安定した走行が可能だ。4WD(四輪駆動)に加え、LSD(差動制限装置)や低速デフも装着しているほか、最低地上高を高く架装し、悪路走破性も高い。

スタンションダンプ 2.7t高床4WDスタンションダンプ 2.7t高床4WD




高所作業

節のない木材を生産するために枝を切り落とす「枝打ち」の際などに必要になる機械を紹介する。

■スパイダー型高所作業車「BLUE LIFT」

動力はエンジン(ディーゼル)とバッテリーのハイブリッドタイプ。最大床高29m、最大アウトリーチ17.3m(積載120kg時)なので、林の奥まで差し込んでの作業が可能だ。

スパイダー型高所作業車「BLUE LIFT(ブルーリフト)」スパイダー型高所作業車「BLUE LIFT(ブルーリフト)」

■傾斜地用クローラーブームリフト「JIBBI 1670 EVO」

最大床高14mを誇る、傾斜地向けの高所作業車。最大のポイントは、本体のブームポストが前後左右±15度の傾斜に対して、自動的に角度を調整する点だ。これによりプラットフォームを常に水平に保ち、さまざまな地形で安定した作業が行える。


また、足回りには拡張型クローラーを採用している。プラットフォームを取り外すと、全幅1,350mmとコンパクトになり、狭い間口でもスムーズに通過できる。一方で、拡張時には全幅が2,450mmに広がり、トレッドが拡大することで抜群の安定性を実現。これらの機能により、あらゆる現場で高いパフォーマンスを発揮する。

傾斜地用クローラーブームリフト「JIBBI(ジビ) 1670 EVO」傾斜地用クローラーブームリフト「JIBBI(ジビ) 1670 EVO」




作業環境改善

働く環境を改善し、生産性を向上させる機械を紹介する。

■休憩するカー(トヨタ・ハイエースベース)

休憩スペース、ワークスペース、打ち合わせスペースとして使用可能なのが「休憩するカー」。ベンチシートに向かい合わせで座って打ち合わせができ、脱着式のテーブルを収納してフラットシートにすれば、横にもなれるリラックス空間をつくり出せる。このほか、独立したワークデスク&オフィスチェアーも完備。ポータブル電源も搭載しており、冷凍・冷蔵庫やLED照明、パソコンも使用可能だ。

休憩するカー(トヨタ・ハイエースベース)休憩するカー(トヨタ・ハイエースベース)

■オフグリッド移動レストカー(日産NV200ベース)

ソーラーパネル、リチウムイオンバッテリー、インバーターなどを搭載したオフグリッドカーに、休憩スペース+レストルームを備えた仕様。

オフグリッド移動レストカー(日産NV200ベース)オフグリッド移動レストカー(日産NV200ベース)

■Starlink Business

工事不要で始められる衛星ブロードバンドインターネットサービス。携帯回線や光回線が使えない僻地でも、インターネット回線に接続可能だ。

Starlink Business(スターリンクビジネス)Starlink Business(スターリンクビジネス)




安心・安全

より安心・安全に作業できる装備・機械を紹介。

■PROTOS® INTEGRAL HELMET

林業用ヘルメット。「PROTOS® BT-COM」をセットすると、両手をふさがずに最大4人の仲間と通話できる。ノイズキャンセル機能が優秀で、チェンソー作業をしていてもクリアな通話が可能だ。

PROTOS® INTEGRAL HELMET(プロトス インテグラル ヘルメット)PROTOS® INTEGRAL HELMET(プロトス インテグラル ヘルメット)。向かって右側にセットされたインカムが、PROTOS® BT-COM。

■Safety Training System VR of AKTIO

臨場感あふれる高精細なVR映像を使って、現場の「不安全行動~事故」を安全に疑似体験するシステム。身につく安全教育の教材だ。

Safety Training System VR of AKTIOSafety Training System VR of AKTIO



このほか、アクティオブースではオリジナル建機ミニチュアを販売。また、恐竜王国・福井での開催にちなみ、恐竜がお客様をお迎えするといった趣向もあり、会場内で人気を集めていた。

オリジナル建機ミニチュアを販売オリジナル建機ミニチュアを販売


動いて鳴くため、なかなかリアル動いて鳴くため、なかなかリアル



▼2024森林・林業・環境機械展示実演会


※記事の情報は2024年12月17日時点のものです。



〈ご参考までに...〉

ラジコン式地拵機(アクティオ公式サイト)

根こそぎ切るソー(アクティオ公式サイト)

コンテナ苗植栽用パワーアシストドリル 植穴名人(アクティオ公式サイト)

ラジコン草刈機(自走式草刈機 遠隔式)(アクティオ公式サイト)

グラトラ(レンサルティングミュージアム)

解体用フォーク(アクティオ公式サイト)

スタンションダンプ 2.7t高床4WD(アクティオ公式サイト)

高所作業車(アクティオ公式サイト)

オフグリッドシステム搭載移動オフィスカー・レストカー(アクティオ公式サイト)

「Starlink Business」機材レンタルサービス(アクティオ公式サイト)

Safety Training System VR of AKTIO(高速道路安全教育編)(アクティオ公式サイト)

オリジナルの建機ミニチュアモデル(アクティオブランドショップ)

林業機械(アクティオ公式サイト)

事業分野紹介「林業分野」(アクティオ公式サイト)

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