2024.07.23

地拵え作業を安全化・効率化するラジコン式地拵機「LV-800PRO」 「地拵え(じごしらえ)」とは、林業の用語で伐採を行う際に出た枝葉や根株などを処理し、土地をきれいにする作業のことだ。新たに植林をするための下準備として欠かせない工程で、現状は人力で行うかバックホーなどの重機を使うことが多い。ここに新たな選択肢として登場したのがラジコン式地拵機「LV-800PRO」だ。

地拵えを安全な場所から

林業の中でも特に過酷な作業といわれる「地拵え」。人力で行う場合は肉体的な負担が大きく、重機を用いる際も斜面での転倒で命の危険が付きまとう、非常にリスクの高い作業だ。林業はほかの業界と比べても、労働災害での死亡率が高い業種である。


そこでラジコン操作で動く「LV-800PRO」の出番だ。操縦者は斜面や足場の悪い場所を避け、安全な場所から操作することで現場でのリスクを回避でき、安全かつ労働強度を大幅に引き下げることができる。


2024年6月、岩手県遠野市(遠野地方森林組合)で行われたデモの様子2024年6月、岩手県遠野市(遠野地方森林組合)で行われたデモの様子


LV-800PROのリモコン(送信機)LV-800PROのリモコン(送信機)




パワフルなエンジンと切株も粉砕するアタッチメント

LV-800PROはイタリアに本社を構えるMDB社製で、2,482ccのディーゼルエンジンを搭載。最大出力は75馬力と非常にパワフルだ。また、クローラーの採用により接地面積が広く、泥地のような足場の悪い環境でも強さを発揮する。


さらに大型のアタッチメントを備え、現場内の根株や枝条を粉砕し、強固な専用刃は地面もろとも攪拌(かくはん)してしまう。またアタッチメントは左右にスライドするため、刈りたい場所のギリギリまで刃を寄せられる。


パワフルなディーゼルエンジンパワフルなディーゼルエンジン


根株も粉砕するアタッチメント根株も粉砕するアタッチメント




クローラーの伸縮機構で60度の最大作業勾配を実現

最も大きな特長は最大作業勾配60度という性能だ。これは斜面を登る動きだけでなく横方向の移動も含まれる。実際に作業できる角度としては、人間が立つので約40度が目安になる。


※地面に凹凸がなく平らになっている場合


最大作業勾配 60度


それを可能にしているのが1,660mmから1,910mmまでクローラーが広がる伸縮機構である。土台を広げることにより安定感が増し、人が立てないような傾斜地でも作業が可能になる。


クローラーが広がる伸縮機構。この操作もリモコンから行えるクローラーが広がる伸縮機構。この操作もリモコンから行える




効率化・省力化に最適なラジコン式地拵機

広大な土地の地拵えには多くの人員が必要となる。LV-800PROを導入すれば、限られた人員を補う活躍が期待でき、高齢化する作業員の負担軽減にもなる。また、ラジコンを操作する姿は、林業の新しい働き方として若い人にも魅力的に映るだろう。


多くの業種と同様に、林業の現場でも担い手不足や高齢化が課題となっている。LV-800PROは、林業における人材問題の解決の切り札にもなるのではないだろうか。


※記事の情報は2024年7月23日時点のものです。


お問い合わせはこちら


〈ご参考までに...〉

ラジコン式地拵機(アクティオ公式サイト)

事業分野紹介「林業分野」(アクティオ公式サイト)

ページトップ