レポート
2021.12.17
第7回 鉄道技術展2021に出展。安全性の向上や省力化が図れる商品をアピール アクティオは、2021年11月24日~26日に幕張メッセ(千葉市)で開催された第7回鉄道技術展2021に出展。新商品となる軌陸ユニックのほか、衝突軽減システムやサイドバラストユニットを展示し、安全性の向上、また省力化が図れる性能をアピールした。
新商品を含む3アイテムを展示
2010年に初開催され、今回で7回目を迎えた鉄道技術展は、鉄道・交通システムやインフラ技術、施設、電力、輸送、運行管理、車両、インテリア、旅客サービス関連など、鉄道分野のあらゆる技術が横断的に会する総合見本市だ。アクティオは2019年の第6回に初めて出展し、今年で2回目となる。
アクティオのブースでは、主に3つのアイテムを架装した2台の軌陸車を展示。30分ごとにプレゼンテーションを行い、多くの来場者を集めていた。
それでは、各アイテムの詳細をお伝えしよう。
衝突軽減システム
もはや自動車の世界では当たり前となった衝突軽減ブレーキ、いわゆる自動ブレーキの軌陸車版。既存の軌陸車への後付けが可能で、光・音・映像で運転者を支援する。止めるのは自動だが、走り出す判断は運転者が行うシステムだ。
1,024個の赤外線が15m先にある15mmまでの物体を検知。検知と同時にブレーキを作動させて軌陸車を緊急停止させる。その際、運転者には光・音・映像で知らせ、なぜ自動ブレーキが作動したか、何を検知したかは、運転席に設けられたモニターで確認可能だ。安全を確認してから走行を再開する。なお、このシステムは衝突時の被害を最小限にするもので、衝突を完全に防止するものではない。
アクティオ軌陸自積載クレーン車
鉄道の工事や保守点検は、限られた時間内に素早く、安全に行う必要があるため、軌陸車にはさまざまなアイデアが詰まっている。アクティオ軌陸自積載クレーン車(軌陸ユニック)には、目からうろこのアイテムが満載だ。
まず目を引くのが、荷台に設けられた軌条だ。狭軌用軽便トロッコやAJスケーターを使用すれば荷物を移動できるため、ユニックのブームの起伏を最小限(10度程度)にして降積載が可能になる。つまりユニックでの降積載は荷台後方で行い、荷を前方に移動させる場合は軌条を利用すれば、ブームの起伏を抑えられるため、架線への接触を防げるわけだ。また軌条の間に荷物を積めば、前後左右の重心位置管理が容易になり、偏荷重による脱輪の危険も軽減できる。
このほか、2分割アオリ(左右)を採用しているため、長尺物以外を積載する場合は、アオリ開閉にかかる労力を軽減できる。また、アオリの内側にはラッシングレールを、荷台の左右両端には位置変更が可能な固定フックを装備。これらにより積載品を素早く固定することができる。
サイドバラストユニット
砕石や砂利などのバラストを、安全かつ効率的に横まき可能な装置(名工建設株式会社様との共同開発商品)。後方アオリを2分割することで、バラスト散布方向の制御を可能にしている。さらにバラストスライダー先端はスライドするため、散布距離の調整が可能だ。
第7回鉄道技術展2021の来場者(受付登録者)数は、同時開催された第4回橋梁・トンネル技術展と合わせて24,717人だった。前回よりも約1万人減ってしまったが、会場は熱気に包まれており、良いアピールの場となった。
※記事の情報は2021年12月17日時点のものです。
〈ご参考までに...〉
● 衝突被害軽減ブレーキ機能付車両(アクティオ公式サイト)
● 軌陸トラッククレーン付(アクティオ公式サイト)
● 軌陸ダンプ(アクティオ公式サイト)
● 軌陸バックホー(アクティオ公式サイト)
● 軌陸高所作業車(アクティオ公式サイト)
● 事業分野紹介「鉄道分野」(アクティオ公式サイト)