基礎問題
2021.11.10
「土木施工管理技士」学科試験問題を解いて仕事力アップ!【第6回:共通工学】 今回は公共工事標準請負契約約款を取り上げ、公共工事の施工管理に関する契約についての理解を問います。(問題選定と解説/井上國博=住環境再生研究所所長)
問題
公共工事標準請負契約約款に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- 設計図書において監督員の検査を受けて使用すべきものと指定された工事材料の検査に直接要する費用は、受注者が負担しなければならない。
- 受注者は工事の施工に当たり、設計図書の表示が明確ではないことを発見したときは、ただちにその旨を監督員に通知し、その確認を請求しなければならない。
- 発注者は、設計図書において定められた工事の施工上必要な用地を受注者が工事の施工上必要とする日までに確保しなければならない。
- 工事材料の品質については、設計図書にその品質が明示されていない場合は、上等の品質を有するものでなければならない。
(令和元年度 2級土木施工管理技士学科試験 後期・№44より)
解説:公共工事標準請負契約約款
公共工事標準請負契約約款とは、建設業の健全な発展と公共工事における施工の適正化のためにつくられた約款です。国の機関、地方公共団体等のいわゆる公共発注者のみならず、電力、ガス、鉄道、電気通信等の、常時建設工事を発注する民間企業の工事についても用いることができます。上記問題の各記述について、公共工事標準請負契約約款と照らし合わせて解説します。
(1)「設計図書において監督員の検査を受けて使用すべきものと指定された工事材料の検査に直接要する費用は、受注者が負担しなければならない」(公共工事請負契約約款第13条第2項)と規定しています。
(2)「受注者は工事の施工に当たり、設計図書の表示が明確ではないことを発見したときは、ただちにその旨を監督員に通知し、その確認を請求しなければならない」(同約款第18条第1項第3号)と規定しています。
(3)「発注者は、設計図書において定められた工事の施工上必要な用地を受注者が工事の施工上必要とする日までに確保しなければならない」(同約款第16条第1項)と規定しています。
(4)「工事材料の品質については、設計図書にその品質が明示されていない場合は、中等の品質を有するものでなければならない」(同約款第13条第1項)と規定しています。
今回の設問の答え:4
工事材料の品質については、設計図書にその品質が明示されていない場合は、中等の品質を有するものでなければなりません。この場合、上等の品質を有するものは誤りになります。よって、答えは(4)です。
※記事の情報は2021年11月10日時点のものです。