人材育成
2019.12.13
エスアールエス相模原教習センター・外国人向け技能講習を2020年に開始 アクティオグループ初の教習センターとして、今春開設されたエスアールエス相模原教習センター。来年2020年に、当初から計画していた外国人向けの英語による技能講習をスタートさせる。それに先立ち、この10月にはテストケースとして、英語での教習をアメリカ人が受講した。無事に日本で業務に従事できる技能講習修了証明書を手にした。
外国人労働者数が急速に増加
日本では15歳以上65歳未満の生産年齢人口が、1997年を境に減り続けている。アメリカやイギリス、ドイツといった先進国と比較しても減少傾向が顕著だ。
いっぽう、有効求人倍率は急速に増加しており、2017年12月は1.59倍と43年ぶりの高い水準となった。
有効求人倍率の推移
生産年齢人口は減少しているのに対し、有効求人倍率は増加している。このギャップを埋めているのが外国人労働者だ。日本における直近の外国人労働者数は急速に増加し、2017年には128万人(対前年比18%増)に達している。ちなみに、国別では中国人が最も多く37万2000人、次いでベトナム人が24万人、フィリピン人が14万6000人となっており、中でもベトナム人の増加が顕著だ。
国籍別外国人労働者の割合
日本で特に労働者不足となっているのが、建設、農業、宿泊、介護、造船の5業種。こういった状況を鑑み、エスアールエス相模原教習センターでは外国人向けの技能講習を早い段階から模索していたわけだ。
確かに東南アジア圏から来日する労働者が増えている。エスアールエス相模原教習センターにも、例えばベトナム語での対応は可能か?といった問い合わせが多く寄せられているのが実情だ。しかし、いきなりベトナム語での対応はハードルが高すぎる。そこで、まずは英語で教習できる環境を整えたわけだ。
ちなみに、外国人の方でも日本語の理解力が高ければ、日本人と同じコースで受講することも可能。理解力とは会話だけではなく、読み書きも含まれる。筆記試験は日本語で行われるからだ。
まずは英語による外国人向けの技能講習をスタート
今回、アメリカ人が受講した技能講習は車両系建設機械(整地・運搬・積込・掘削用)のコース。これを修了すると、機体重量が3t以上の整地・運搬・積込用機械及び、掘削用機械で動力を用い、かつ、不特定の場所に自走できるものの運転(道路上を走行させる運転を除く)の業務が可能になる。具体的に運転できる車両系建設機械は機体重量3t以上のドラグショベル、パワーショベル、トラクタショベル、ブルドーザーなど。彼らは7日間の技能講習を通訳を介して英語で受け、試験に合格し、日本で業務可能な資格を得たのだ。
ここまで読み進めると、「今回のアメリカ人はなぜ、日本で技能講習を?」といった疑問を抱くことだろう。日本の建設現場で働くアメリカ人など、そうそう目にする機会などない。
実は彼らは、11月2日(土)~3日(日)の2日間、メットライフドーム(西武ドーム)で開催されたMONSTER JAM 2019 IN JAPANのコースを造ったオペレーターなのだ。もちろん、彼らはアメリカで業務可能な資格を持っているが、だからといって日本で業務はできない。郷に入れば郷に従え。きちんと日本で業務できる資格を得た上でコース造りに従事したのだ。
今回、SRSの教習センターで、英語での教習が十分可能であることが証明され、外国人の方でも技能講習を受けやすくなった。いまの時代、コンプライアンスの遵守は常識で、無資格で業務に従事するなどあり得ないのだ。
※エスアールエス相模原教習センターは2021年3月末に閉鎖いたしました。
※記事の情報は2019年12月13日時点のものです。