2025.02.10
低騒音・低振動で解体作業が行える「コアーマン」と「リキヤ」 「解体」は、都市の新陳代謝を担う重要な工事だ。しかし重機を使うコンクリート基礎の破砕などの工事では、騒音や振動の発生が問題となる。これを解決するべく、低騒音・低振動の新しい工法「CRC解体工法」が注目されている。
解体現場の騒音や振動を解消する「CRC解体工法」
解体工事の現場で問題となるのが、騒音や振動。これを解決するのが「CRC解体工法」と呼ばれる革新的な工法である。「コアーマン(解体用油圧穿孔機〈せんこうき〉)」「リキヤ(セリ矢式油圧割開機)」といった専用装置と、解体用バックホーアタッチメント「大割(おおわり)」を使って、極めて低騒音・低振動で破砕を行うものだ。
名前の由来は「C:コアーマン」+「R:リキヤ」+「C:クラッシャー」でCRC解体工法というわけだ。
(左)コアーマン (右)リキヤ
穴をうがち、開き割る
コアーマンは、円筒形のドリルで、先端はダイヤモンド刃になっている。まず、これを使って解体する岩盤などをコア抜きし、穴をうがつ。
そこへリキヤを差し込み、穴を押し広げる。リキヤの中に油圧駆動の「くさび」を押し込むことで、リキヤが押し広げられ、コンクリートや岩盤を開き割るのだ。
これを移動しながら繰り返し、適度に割れ目ができたところで、大割を使って破砕し撤去する。
CRC解体工法の概念アニメーション
くさびの原理
CRC解体工法は、コンクリート構造物、さまざまな岩石、建築物の基礎などに幅広く使用できる。その大きな破壊力の秘密は「くさびの原理」にある。「てこの原理」と並んで、小さな力を大きな力に変換するための代表的な手法だ。
リキヤに差し込まれた「くさび」が、リキヤを左右に押し広げる際、力の方向が横方向へ変更されるとともに、元の力の数十倍もの力が生まれるのだ。
くさびの原理を使えば、ごくシンプルな機構で大きな力を生み出すことができる
都市部での解体作業に最適
1台のバックホーで運用でき、低騒音・低振動で解体作業が行えるコアーマンとリキヤ。CRC解体工法は、住宅地や、建物が密集する場所での解体工事において有望な選択肢になるだろう。
※記事の情報は2025年2月10日時点のものです。
〈ご参考までに...〉
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