2023.06.26

梅雨到来! 浸水や土砂災害に備える、水害対策商品 日本では夏季、大雨により、さまざまな水害がもたらされる。2023年6月2日にも、台風2号と梅雨前線の影響により全国各地で線状降水帯が発生し、豪雨による浸水や土砂災害が起こった。2020年の熊本県球磨川(くまがわ)氾濫も記憶に新しい。洪水、土砂災害への備えは建設現場でも必須と言える。きたる大雨の季節への備えや、事後の復旧に役立つ商品を紹介する。

梅雨到来! 浸水や土砂災害に備える、水害対策商品

豪雨による洪水や土砂災害に備える

ゲリラ豪雨や、線状降水帯による集中的な豪雨など、いつ起こるか分からない大雨に対して、現場ではどのような備えができるだろうか。アクティオは、排水や、水流の抑制といった観点で役立つ商品を用意している。


■発電機自動運転盤 ゲリラ豪雨対策システム

発電機自動運転盤 ゲリラ豪雨対策システム


アクティオのオリジナル商品「発電機自動運転盤」は、さまざまな条件下で発電機を自動運転する装置だ。この自動運転盤によって、水位計のデータを基に発電機、ポンプ起動盤、排水ポンプを自動的に起動させるシステムを組むことで、ゲリラ豪雨などの急な水位の上昇に備えることができる。


雨などで現場に水が溜まり、あらかじめ設定した水位に近づくと、発電機自動運転盤により発電機が運転を開始。さらに増水して設定した水位に達すると、ポンプ起動盤により排水ポンプが稼働して排水が始まる。水が減り、設定したラインまで水位が下がれば、自動的に停止して待機状態に戻るという仕組みだ。


アクティオは、こうしたシステムを構築するための複数の商品をワンパッケージで提供している。アクティオの原点とも言える水中ポンプに、発電機や水位計等を組み合わせて、施工機械の水没を防ぐシステムとした。


ゲリラ豪雨対策システムゲリラ豪雨対策システム


このシステムはとりわけ夜間作業ができない現場で重宝される。そうした現場では、突発的なゲリラ豪雨だけではなく、例えば線状降水帯により夜間に発生する集中的な雨の対策にもなるだろう。また、水位が下がれば発電機が自動で停止するため、省エネ対策としても使われている。


■トンサポ

トンサポ


土砂や水をせき止める土のうは、工事現場では、河川の氾濫や土砂崩れの被害を抑えるのに使われるのと同じ1tタイプが主流である。大型の土のうを作る際にはバックホーを使うのが一般的だが、その際、土のう袋の口を開いておくために作業員がバケットの下に入らなければならず、危険が伴う。


「トンサポ」は、そうした危険を避けることを可能にした商品だ。上部810mm×810mm、下部1,410mm×1,410mm、高さ950mmの組立式のフレームで、接合部をペグで固定したら、そこに土のう袋をセットする。すると土のう袋が広がった状態で自立するので、作業員が離れて安全を確保してから、バックホーで土を入れることができる。


袋がいっぱいになったらトンサポから取り外し、口を縛って土のうが完成する。およそ3分で土のうを1つ作ることができ、危険を回避しながらさらに作業時間も削減できる。トンサポは、土のうを作る時だけでなく、ガレキや産廃集積などにも利用できる。


実際にトンサポを使用している現場バックホーの下で作業する必要がないため、安心安全である


ちなみに「トンサポ」は「トンパックをサポート」の略。土を入れるフレコンバッグ(フレキシブルコンテナバッグ)で、1t入るような大型のもののことを「トンパック」と呼ぶが、ここから来ている。


■ボックスウォール

ボックスウォール


土のうに代わる次世代の洪水防護システムとして注目されているのが、パネルで水流を抑える「ボックスウォール」。土のうよりもはるかに軽量な止水パネルを、地面に手で並べてつなげていくだけで設置できるため、ゲリラ豪雨など即応性の求められる緊急時に役立つ。接地面に止水ゴムが貼られていることにより、流れてくる水を上部に誘導し、その水圧を利用してボックスウォールを固定する仕組みだ。


実際にボックスウォールを使用している現場地面に並べてつなげるだけでスピーディーに設置できる


設置の簡単さに加えて、重ねてコンパクトに保管できるため、保管時にスペースをとらないのもボックスウォールの魅力のひとつ。さらには土のうのように事後に産廃を出さずに、繰り返し使えるため、費用と手間を大幅に省くことができる。




事後の復旧に役立つ商品

■ミニバキューマー バクアミニ

ミニバキューマー バクアミニ


水混じりの土砂などを吸引できる「ミニバキューマー バクアミニ」は、豪雨による河川の氾濫や土砂崩れなど、水害時の復旧作業に活躍が期待される、移動式のバキューマーだ。真空ブロアにより、小さな筐体ながら強力な吸引力を発揮する。


吸引力を作り出すブロア室と、回収タンクを備えており、吸い込んだ土砂を回収タンクの分離室で脱水し、固形物を分離して蓄積する。水は隣のポンプ室に運ばれ、内蔵された排水ポンプで自動排水される。


筐体は幅1,400mm、奥行き740mm、高さ1,100mmとコンパクトで、さらに6個のキャスターが付いているため、狭い現場で簡単に移動できるのも特長だ。水害時の土砂の撤去のほか、工事現場や工場内の残水・砂・泥の清掃、ポンプが入らない狭い場所の排水、地下ピットや貯水槽の清掃、コンクリート打設後に発生するノロの回収にも利用できる。


※記事の情報は2023年6月26日時点のものです。



〈ご参考までに...〉

発電機自動運転盤(アクティオ公式サイト)

発電機自動運転盤 ゲリラ豪雨対策システム(レンサルティングミュージアム)

トンサポ(大型土のう作成補助器具)(アクティオ公式サイト)

ボックスウォール(レンサルティングミュージアム)

ミニバキューマー バクアミニ(レンサルティングミュージアム)

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