2023.02.28

工事現場の騒音問題を解決する「防音パネル(吸音タイプ)」と「エコーバリア+移動式取付フレーム」 土木や建設の工事現場では、とかく騒音が問題になりやすい。実際、近隣から現場に苦情が寄せられることは少なくない。そこで注目したいのが騒音対策商品だ。

工事現場の騒音問題を解決する「防音パネル(吸音タイプ)」と「エコーバリア+移動式取付フレーム」

公害苦情件数NO.1「騒音」

公害対策基本法、環境基本法によって、公害は「大気汚染」「水質汚濁」「土壌汚染」「騒音」「振動」「地盤沈下」「悪臭」の7つ、つまり典型7公害に整理されている。


総務省が2022年12月にまとめた「令和3年度 公害苦情調査結果報告書」によると、令和3(2021)年度の典型7公害の公害苦情受付件数は51,395件に上る。種類別に見ると、「騒⾳」が18,755件(36.5%)と最も多く、次いで「⼤気汚染」が14,384件(28.0%)、「悪臭」が10,387件(20.2%)、「⽔質汚濁」が5,353件(10.4%)、「振動」が2,301件(4.5%)、「⼟壌汚染」が 192件(0.4%)、「地盤沈下」が23 件(0.04%)となっている。


■典型7公害の種類別公害苦情受付件数
典型7公害の種類別公害苦情受付件数総務省「令和3年度 公害苦情調査結果報告書」(令和4年12月 公害等調整委員会事務局)
https://www.soumu.go.jp/main_content/000917834.pdf
「表7 公害の種類、主な発生原因別公害苦情受付件数」からグラフ作成


さらに最も多い「騒音」の内訳を見ると、「工事・建設作業」が7,221件でトップ。「産業用機械作動」が3,391件、「その他」が3,389件、「飲食店営業」が906件と続く。このデータから、「工事・建設作業」の騒音対策がいかに重要なのかが分かる。




防音パネル(吸音タイプ)

「防音パネル(吸音タイプ)」はアクティオのオリジナル商品で、寸法は全長1,816mm×全幅1,204mm、重量は9.6kgだ。1面が4枚の防音パネル(吸音タイプ)で構成されており、1枚ずつ透明ボードタイプのパネルと組み換えることができる。例えば、写真のように4面中1面の上2枚のみを透明ボードタイプに組み換えることも可能だ。ただし、できるだけ透明ボードタイプを使わない方が防音効果は高い。


4枚の防音パネル(吸音パネル)で1面が構成されており、これを1セットとして連結して使用する(写真中央)4枚の防音パネル(吸音パネル)で1面が構成されており、これを1セットとして連結して使用する(写真中央)


実際、どのくらい騒音レベルを下げられるのか? この防音パネル(吸音タイプ)はマジックテープで連結して、音が出る作業場の周りを囲んで使用する。小さく囲うほど防音効果が高くなる傾向にあり、状況によっては最大20dB以上も音量を下げられる。大きな音が出やすい、はつり作業時などに有効だ。


防音パネルの裏側に付けられた吸音材防音パネルの裏側に付けられた吸音材




エコーバリア+移動式取付フレーム

「エコーバリア」は優れた吸音性・遮音性に加えて、軽さも備えた簡易型吸遮音シートだ。吸音率は最大で97%、重量は6.1kg、全長2,050mm×全幅1,335mmで、防水・防塵・防炎・耐寒という性能も有している。また、NETIS登録商品でもある(登録番号:HK-210009-A)。使い方は簡単。現場で使用頻度が高い単管パイプに、取付用フック、もしくはバンドを用いて引っかければOKだ。一度付けたら作業が終わるまで、移動もさせずにそのまま......というのが主な使用状況である。


エコーバリアは、単管パイプに取付用フックやバンドで引っかけて使用する防音対策商品エコーバリアは、単管パイプに取付用フックやバンドで引っかけて使用する防音対策商品


そんなエコーバリアを、簡単に移動可能にするオプション品が「移動式取付フレーム」だ。サイズは全長2,000mm×全幅2,000mm×全高2,140mmで、キャスターと吊りフックが付いているため、例えば、はつり作業の進捗状況に合わせて転がして移動させるも良し、クレーンで吊って移動させるも良し......という具合だ。ちなみに、移動式取付フレームの組立時間は約8分、解体は5分もあればOKである。


移動式取付フレームは、吊りフックやキャスターによって移動を可能にしている移動式取付フレームは、吊りフックやキャスターによって移動を可能にしている


「防音」とは音が室内から室外に漏れるのを防いだり、あるいは外からの音を遮断したり、音を小さくさせる仕組み、いわば概念だ。その概念を具現化させる方法が音を吸い込む「吸音」、音を遮る「遮音」である。吸音材、遮音材を賢く使い、できるだけ騒音を抑えるよう努めたいものだ。



▼吸遮音パネル(エコーバリア)


※記事の情報は2023年2月28日時点のものです。



〈ご参考までに...〉

吸遮音パネル(アクティオ公式サイト)

エコーバリア(レンサルティングミュージアム)

アーカイブ

ページトップ