オリジナル・共同開発商品
2020.06.02
ウイルス対策商品「仮設陰圧ハウス」を開発 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が世界的に猛威を振るっている。アクティオは感染症と闘う医療従事者の環境改善を図り、さらに院内感染を防止するため、最新の医療に対応する仮設陰圧ハウスを開発。2020年4月下旬よりレンタルを開始した。
新型コロナウイルス感染症から医療従事者を守る
新型コロナウイルス感染症が、医療現場にもたらす影響は大きい。接触感染と飛沫感染のふたつに加え、条件によっては空気感染の可能性も示唆されているため、ウイルス感染が疑わしい患者への対応には細心の注意が必要だ。医療従事者の感染防護に加え、他の患者とは一定の距離を保つことが可能な専用待機場所や診察室の確保、また入院が必要な場合は隔離できる個室などが必要となる。
このような緊急事態に、アクティオに出来ることとは何か? アクティオが保有する多種多様な機械、数々の課題をクリアしてきた知見を活かし、導き出した答えが、仮設陰圧ハウスの開発だ。医療施設の敷地内、例えば駐車場等に仮設陰圧ハウスを設置することで、既存の病院施設に手を加えることなく、ウイルスに感染した可能性のある患者を診察可能になる。
今回の商品でポイントになるのが"陰圧"である。室内の空気や空気感染する可能性のあるウィルスや細菌が外部に流出しないように、気圧を低くしてある病室のことを陰圧室、もしくは空気感染隔離室と呼ぶ。
米国疾病予防管理センター(CDC)のガイドラインによると、病室内空気圧の圧差はマイナス2.5パスカル以上に維持することが推奨されている。また換気回数を1時間12回以上、空調機には抗ウイルスHEPAフィルターの装着が必要だ。さらに確実な陰圧隔離を行うためには、エアシャワーを設置した前室を設ける必要がある。
アクティオは過去の案件において、陰圧/陽圧ルームのレンタル実績が数多くある。アスベスト等を除去可能な負圧集塵機、食品工場等のクリーンルームに欠かせないエアシャワー等も保有している。グループ企業のエスアールエスは、ユニットハウスに関して一日の長がある。オールアクティオで臨むことで、仮設陰圧ハウスを1ヵ月余りで開発、レンタル開始が可能となったのだ。
今回紹介する仮設陰圧ハウスは、5.0坪のユニットハウスがべースとなっている。いずれのタイプも給気口(逆流防止ダンパー付き)から空気を取り入れ、抗ウイルスHEPAフィルター内蔵換気装置により排気する仕組みで、陰圧を作り出している。
また医療従事者を風上、患者を風下に配置することで、よりウイルス感染しにくいレイアウトとしている。その他、床材と壁紙は医療施設でも使用されている抗菌仕様だ。この仕様を基本に、大別すると3タイプのレイアウトを設定している。すべてのタイプに流し台やエアシャワーをオプションで追加可能だ。
上記はあくまでも一例で、現場の要望に合わせてレイアウトのアレンジも可能だ。
この仮設陰圧ハウスは、大半の設備を設置した状態で納品されるため、現地で組み立てる必要がなく、100/200Vの外部電源さえ確保できれば即座に使用可能である。すでに感染症医療機関から10棟以上のオーダーを受けており、月産50棟態勢で準備を進めている。
社会に貢献したい。そんな想いから開発が急ピッチで進められた仮設陰圧ハウス。新型コロナウイルス感染症の拡大防止、早期終息の一助となれば幸いである。
※ハウス室はイメージ図のため、椅子・机・ベッドはハウスのセットには含まれておりません。
▼仮設陰圧ハウス
※記事の情報は2020年6月2日時点のものです。
〈ご参考までに...〉
● 仮設陰圧ハウス(アクティオ公式サイト)
● ウイルス対策商品(アクティオ公式サイト)