基礎問題
2022.10.19
「建築施工管理」技術検定試験問題を解いて仕事カアップ!【第3回:建築構造】 建築施工管理技術検定学科試験から、毎回1問ずつ取り上げて解説します。既に資格を取得されている方は復習として、これから試験を受ける方は勉強の補強として、チャレンジしていただければ幸いです。今回は在来軸組工法/木工事についての理解を問います。(問題選定と解説/井上國博=住環境再生研究所所長)
問題
在来軸組工法における木工事に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
- せいが異なる胴差の継手は、受材心より150mm程度持ち出し、腰掛けかま継ぎとし、ひら金物両面当て釘打ちとした。
- 束立ての床組の大引の継手は、床束心で腰掛けあり継ぎとし、釘打ちとした。
- 筋かいと間柱の交差する部分は、間柱の筋かいの厚さだけ欠き取って筋かいを通した
- ラグスクリューのスクリュー部の穿孔(せんこう)の径は、スクリュー系の70%程度とした。
(令和3年度 2級建築施工管理技術検定第1次検定(前期)試験問題より)
解説:木工事の継手について
(1)胴差の継手(せいが異なる場合)
せいが異なる場合は、柱心より150mm程度持ち出し腰掛けかま継ぎとし、ひら金物を当てて、釘、ボルト等で緊結します。腰掛けあり継ぎより引張力に対抗できます。
(2)束立て床組の大引の継手
床束心から150mm程度持ち出し、腰掛けあり継ぎとして、釘打ちとします。
(3)筋かいと間柱の交差部分
筋かいと間柱の交差する部分は、間柱を筋かいの厚さだけ欠き取って、筋かいを通します。筋かいは、引張力や圧縮力を負担する構造部材のため、通すことが大切です。
(4)ラグスクリューのスクリュー部の穿孔の径
ラグスクリューのスクリュー部の穿孔の径は、スクリュー径の70%程度とします。長さは少なくともねじ部の長さと同一にします。スクリュー先端は、小さくすることで、ねじ込み時の施工性が向上します。
今回の設問の答え:2
束立て床組の大引の継手は床束心ではなく、150mm程度持ち出して継ぎます。
※記事の情報は2022年10月19日時点のものです。