2022.08.24

「建築施工管理」技術検定試験問題を解いて仕事カアップ!【第2回:建築環境工学】 建築施工管理技術検定学科試験から、毎回1問ずつ取り上げて解説します。既に資格を取得されている方は復習として、これから試験を受ける方は勉強の補強として、チャレンジしていただければ幸いです。今回は建築環境工学をテーマに、通風と換気についての理解を問います。(問題選定と解説/井上國博=住環境再生研究所所長)

「建築施工管理」技術検定試験問題を解いて仕事カアップ!【第2回:建築環境工学】

問題

通風及び換気に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

  1. 風圧力による自然換気では、換気量は開口部面積と風速に比例する。
  2. 室内外の温度差による自然換気では、給気口と排気口の高低差が大きいほど換気量は大きくなる。
  3. 室内における必要換気量は、在室人数によらず一定になる。
  4. 室内を風が通り抜けることを通風といい、もっぱら夏季の防暑対策として利用される。


(令和3年度 2級建築施工管理技術検定第1次検定(後期)試験問題より)




解説:換気量と換気回数について

(1)風による換気量の求め方

換気量は開口部面積と風速に比例します。
風による換気量の求め方※図はクリックすると拡大表示されます

(2)温度差による換気量の求め方

建物の内外に温度差があると、空気の密度の差によって浮力による圧力差が生じ換気が行われます。開口部の高低差が大きいほど、換気量は大きくなります。
温度差による換気量の求め方

(3)換気量と換気回数の求め方
換気量は、室内の空気汚染の許容量を超えないように、許容値以下に保持できる量として求めるもので、そのために必要な最小風量を必要換気量といいます。室内の二酸化炭素濃度を、許容値以下にする場合の必要換気量の計算は、ザイデルの式が用いられます。室内の二酸化炭素の発生量は、在室人数に比例して多くなります。
換気量と換気回数の求め方

(4)自然換気の利用
窓を開けて室内空気を入れ替える場合、室内外の圧力差を利用した風力換気と、室内の温度差(空気の密度の違い)を利用した温度差換気があります。風力換気は、換気量の変動が大きく、温度差換気は比較的安定した換気量となります。室内を風が通り抜けることを通風といい、夏季の防暑対策に利用されます。
自然換気の利用

今回の設問の答え:3

室内における必要換気量は、在室する人数に比例して多くなります。


※記事の情報は2022年8月24日時点のものです。

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