2023.05.30

高所作業車と大型発電機の整備物流拠点〈千葉テクノパーク統括工場紹介2〉 アクティオ最大規模の工場建屋を持ち、関東全域にわたる製品の整備・運用を行う千葉テクノパーク統括工場。シリーズ2回目は千葉リフト広域工場とエンジニアリング事業部のEG発電機千葉工場にスポットを当て、高所作業車と大型発電機の運用に関して紹介する。

高所作業車と大型発電機の整備物流拠点〈千葉テクノパーク統括工場紹介2〉

千葉リフト広域工場
環境を整備して生産性を向上

千葉リフト広域工場の光山和明工場長は、入社28年目の大ベテラン。北海道旭川市の出身で、業務・営業・ブロック長・工場長などを経験してきたオールラウンダーだ。この千葉リフト広域工場には、昨年赴任した。光山工場長がこの1年間、積極的に取り組んできたのが環境の整備だ。


光山和明 千葉リフト広域工場長光山和明 千葉リフト広域工場長


光山「私がここに来た時は、高所作業車の修理待ちの台数が多く、生産性のアップが急務でした。まず室内系の高所作業車を整備するために充電をするスペースが足りておらず、それを倍近くまで増やしました。また当時は工場内が暗く、作業員がヘルメットにライトを着けて補っていたのですが、照明を増やすことでこれを解決しました。ほかにもケレン作業を行う場所の設備も整えました」


倍近くまで増設された充電設備倍近くまで増設された充電設備


現在、工場内はとてもクリーンで、整理整頓も行き届いている。そして目につくのが、カラーコーンに付けられた"T5"などのサインだ。


光山「この工場は5レーンだったので、それぞれA・K・T・I・Oと社名の頭文字が付いています。さらに柱が10本なので、Tレーンの5本目の柱で"T5"などと言ってエリアを示します。しかし、かつてはそれがきちんと表示されておらず、このあたりが"T5"かな......と感覚で探っているような状況だったのです。そこで視覚的にはっきりと分かるようにサインボードを配置したわけです」


こういった改善により、生産性は大幅にアップ。完成品率も向上した。


A・K・T・I・Oの頭文字を冠したレーンそれぞれに10本の柱の区分けがあり、碁盤目状を形成。どこに完成品があるか、ひと目で分かるようにサインボードが配置されているA・K・T・I・Oの頭文字を冠したレーンそれぞれに10本の柱の区分けがあり、碁盤目状を形成。どこに完成品があるか、ひと目で分かるようにサインボードが配置されている


(左)高所作業車の入庫点検風景、機材の状況を入念にチェックする (右)整備内容の指示書を作成する加瀬貞一業務主事(左)高所作業車の入庫点検風景、機材の状況を入念にチェックする (右)整備内容の指示書を作成する加瀬貞一業務主事


出荷にあたってスピードは重要だが、高所作業は危険がともなうため、徹底した整備と確認を怠ることはできない。そのため営業所でストックすることなく、工場で整備した後にそのまま出荷される仕組みになっているという。


光山「工場内に高所作業車の安全確認エリアがあり、傾斜地で昇降しないよう安全装置が働くか、傾斜地でも自車を保持できるブレーキ性能が担保されているかといった性能の確認をしています。これは整備前に行うテストで、機能していなければ当然修理します」


安全に関わる部分なので、安全装置の作動状況は1台1台入念に行われている安全に関わる部分なので、安全装置の作動状況は1台1台入念に行われている




EG発電機千葉工場
主に300kVA以上の大型発電機を運用

電気は、水と並び最も重要なインフラのひとつだ。大型発電機は通常の工事用電源としてだけではなく、災害時の非常用電源としても重要な役割を担っており、東日本大震災、北海道胆振(いぶり)東部地震によるブラックアウトの際は、その威力を十二分に発揮した。


アクティオの中で大型発電機を扱う部門が、エンジニアリング事業部のパワーシステム部だ。その中核工場がEG発電機千葉工場である。前田秀昭EG発電機千葉工場長は、異色の経歴を持つ。


前田秀昭 EG発電機千葉工場長前田秀昭 EG発電機千葉工場長


前田「私は1995年に入社して、最初は本社の営業部に配属になりました。その後、土木用の薬剤を販売する会社に8年間ほど出向し、アクティオに戻ってからは東京支店の営業部、羽田営業所、2010年にパワーシステム事業部(当時)に異動になって、現在に至ります。異色だと思われるのは、主に営業畑を歩んできたのに、工場長を任されているからですよね? けれども羽田営業所の時に電気工事士の資格を取りましたし、パワーシステム事業部に配属になった時はフロントで機械運用を担当していたので、そんなに異色ではないと思います(笑)」


そんな前田工場長に、EG発電機千葉工場の役割や課題を聞いた。


前田「EG発電機では基本的に出力が300kVA以上の大型発電機を扱っています。中には220kVAの発電機もありますが、これは並列運転、つまり2台、3台と並べて440kVA、660kVAとして使える機種に限っています。EG発電機千葉工場は、こうした大型発電機を多数保有し整備している基幹工場だといえます。発電機は自ら動く機械ではないため、重機と比べたら故障するリスクは少ないですが、過酷な環境の現場で使用されると砂埃を吸い込みやすく、エアフィルターが相当汚れたりします。当然、エンジン内部にも影響が出ます。現場の状況により、推奨されるエンジンオイル交換の時期が過ぎても稼働せざるを得ない発電機もありますので、やはり整備は必要なんです」


ヤードに鎮座する大型発電機。移動には門型クレーンが必須だヤードに鎮座する大型発電機。移動には橋型クレーンが必須だ


整備担当の●○さん(左)と●○さん整備担当のEG発電機千葉工場・小林充貴(左)と宮崎竜成(右)


EG発電機ではお客様に、大型発電機の機械寿命を延ばすため、また不測の事態に対応する意味でも、複数台での運用を勧めているという。


前田「例えば、並列で運用する発電機の場合、通常なら2台で足りるところを3台用意することを推奨しています。3台分の費用はかかりますが、万が一、不測の事態で1台が動かなくなっても、現場が止まることはありません。大型発電機は土木の現場だけではなく、データセンターの非常用電源としても配備されますので、2重3重のバックアップが重要になるのです。そういったシミュレーションを、この工場で実機を使い、行うこともあります」


次回は東金千葉テクノパーク工場と、エスアールエス株式会社ブルーテック千葉工場の工場長インタビューをお届けする。


※記事の情報は2023年5月30日時点のものです。


〈千葉テクノパーク統括工場紹介3〉へ続く



〈ご参考までに...〉

千葉テクノパーク統括工場(アクティオ公式サイト)

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