2026.06.16

バックホーでのクレーン作業時に安全性を高める「クレーンモード切替装置AATC®」 アクティオが開発した「クレーンモード切替装置AATC®」は、クレーン機能付きバックホーの誤操作による転倒事故を防ぐ安全装置だ。ショベル(掘削)とクレーン(吊り上げ)の両モードを明確に切り替え、作業内容に応じて可能な操作を制限することで、意図しない誤操作を防止する。クレーン作業時の安全性を高めるロングセラー商品として、昨年10月には累計導入台数2,000台を突破した。

バックホーでのクレーン作業時に安全性を高める「クレーンモード切替装置AATC®」

【目次】




従来のクレーン機能付きバックホーの課題

従来、バックホーは基本的に土砂を掘ったり、埋めたりするための重機で、荷を吊るクレーン作業は一部を除き「用途外」として禁止されていた。しかし、特に上下水道や電気・ガスなどの工事現場では、掘削以外に荷を吊る作業が頻繁に必要で、その度に移動式クレーンを手配するのは非効率なため、しばしばバックホーで代用されてきた。


その結果、現場での事故が多発したことを受け、1992年に労働安全衛生規則第164条が改正され、車両系建設機械の「主たる用途以外の使用の制限」が緩和された。「作業の性質上やむを得ないとき、または安全な作業の遂行上必要なとき」のような特定条件下で、決められた安全措置を講じることにより、荷の吊り上げ作業が認められることとなった。


現在、市場に出回っているバックホーの大半は、クレーン機能付きと言っても過言ではない。バックホー1台で「掘る・吊る・埋める」の3役をこなせる万能重機として、多様な現場で活躍している。


便利になった一方で、安全性の課題も残っていた。吊り荷の質量と作業半径が同じであれば、吊り荷に働く遠心力は旋回速度の2乗に比例するため、旋回速度が2倍になれば遠心力は4倍になる。つまり旋回速度が速すぎると、旋回時に吊り荷に遠心力が働いて作業半径が伸び、過負荷になり転倒事故などを招きやすい。


こうした事故を防止するため、バックホーをクレーンモードに切り替えると、主に以下のような制限がかかる仕組みが取り入れられた。


①エンジンの回転数に制限がかかる
②旋回速度がショベルモードの2分の1から3分の1に制限される
③移動式クレーンに必要な安全装置が有効になる


しかし、この安全装置が有効になるのは、あくまで「クレーンモードに切り替えれば」というのが条件だった。従来のクレーン機能付きバックホーは、ショベル(掘削)モードのままでもクレーン(吊り上げ)作業が可能であったため、誤ってクレーンモードに切り替えずに吊り上げ作業を行い、バランスを崩して転倒する事故が発生していた。運転席からではクレーンモードへの切り替え状況を確認しづらいこともあり、安全面での改善が求められていた。




クレーンモードとショベルモードをスイッチで切り替える、アクティオオリジナルの安全装置

このような背景を受けてアクティオが開発したのが、「クレーンモード切替装置AATC®*」だ。クレーンフック部分に格納・未格納を検出するスイッチを搭載し、クレーンのフックが開放された瞬間にクレーンモードに切り替わる仕組みを採用。


ショベルモードではクレーン作業ができず、クレーンモードではバケットが固定されるため掘削作業が行えない。「今どちらのモードになっているか」が、バケットの状態により運転席から容易に確認できる。さらに、クレーン作業から掘削作業に戻る際には、クレーンフックの格納に加え、運転席内のスイッチにより手動でショベルモードへ切り替えないと作業ができない設計とした。これらにより意図しない誤操作を防止することで、安全性が飛躍的に向上した。


* AATC:AKTIO Advancement Craneの略。

■「クレーンモード切替装置AATC®」の特長

① クレーンフック開放時に、クレーンモードに切り替わるスイッチを搭載(赤枠部分)



② クレーンモード時には、バケットが運転席側にのみ動き、バケットシリンダーが伸びきった状態で固定



③ クレーン作業から掘削作業へ変更する際は、クレーンフックの格納と、運転席で手動での切り替えが必須



「クレーンモード切替装置AATC®」はアクティオオリジナルのロングセラー商品だ。2025年10月には、同装置を搭載したバックホーの累計導入台数が2,000台を突破した。アクティオは今後も、安全性の向上に寄与する商品を開発・導入していく予定だ。


※本装置はクレーンモードへ切り替わる装置で、機体の転倒を防ぐ安全装置ではございません。使用にあたっては従来通り安全に注意してご使用ください。
※保有する0.14~0.7m3クラスのバックホーに搭載されていますが、全てのバックホーには搭載されておりません。


※記事の情報は2026年6月16日時点のものです。



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