オリジナル・共同開発商品
2019.03.15
緊急脱出ユニットが油圧システムの危機を救う! 「転ばぬ先の杖」の代表的なモノが保険。今回採り上げるアクティオ・オリジナルの「緊急脱出ユニット」は、工事現場における保険的役割を果たす装置。一体、どんな働きをするのだろうか?
緊急脱出ユニットとは?
緊急脱出ユニット。そのネーミングからは、ヌタヌタの泥濘地でスタックした建設機械を引き上げるヒーロー。はたまた暗く閉ざされた空間から作業員を救出するロボット...といった姿が浮かぶ。しかし、実物は全く違う。中型発電機くらいの箱で、タイヤこそ付いてはいるものの、こいつ自体が建設機械を引っ張ったり、頼もしいロボットに変身する雰囲気は皆無だ。
建設機械の多くは、油圧によってアームやアウトリガーといった装置を作動させている。油圧は建設機械に搭載されたエンジンによって作り出されるのが一般的で、エンジンが故障したら万事休す。アームやアウトリガーを格納することができず、そうなると移動させることすら困難な状況に陥ってしまう。
もしも、その現場が空港や鉄道といった交通インフラ系だったとしたら......。多くの場合、作業は深夜から早朝にかけて行われ、立ち往生した建設機械を早朝便や始発が動き出す前に脱出させなければ一大事。滑走路や線路をふさいで運休にでもなれば、ニュースで不甲斐ない姿をさらされ、さらに莫大な損害賠償を支払うことになるのだ。そのため、過去には故障した建設機械のアームやアウトリガーをガス溶接機などで切断し、移動できる状態にして脱出させたケースもあるらしい。
こんな時、頼もしい相棒になるのが緊急脱出ユニット。現場を知り尽くしたアクティオのオリジナル商品で、緊急脱出ユニットの接続口が設けられているアクティオ・ラインナップの建設機械であれば、バイパス回路を使って同ユニットから供給される油圧により、動かなくなった建設機械のアームやアウトリガーの格納が可能となるのだ。
また最近の建設機械の中には、油圧をバイパスさせても電源がないと作動できない仕様もあるため、緊急脱出ユニットからブースターケーブルによりDC12V/24Vの電力供給も可能となっている。
緊急脱出ユニットは、まさに保険。撤収時間がシビアな現場では、緊急脱出ユニットの配備、また緊急脱出ユニットに対応した建設機械での作業が必須といっても過言ではないのだ。
※記事の情報は2019年3月15日時点のものです。
〈ご参考までに...〉
● 緊急脱出油圧ユニット(アクティオ公式サイト)
● 緊急脱出装置付LED投光車(レンサルティングミュージアム)