2022.08.03

建設用3Dプリンターの体感の機会を提供し、普及につなげる【建設業の未来インタビュー⑦ 後編/序章】 3Dプリンターがいよいよ日本でも建設機械の1つとして利用される時代になりそうだ。前編では、現場実装をけん引するスタートアップの株式会社Polyuse(ポリウス)で代表取締役を務める大岡航氏と取締役CTOを務める松下将士氏の2人に、建設用3Dプリンター開発への思いを聞いた。後編では、現場にどのようなメリットがもたらされ、その姿はどのように変わっていくのか、また将来どのような可能性を見込めそうなのか、という点を明らかにしていく。新しい建機の登場は現場を活性化させてくれるに違いない。

ゲスト:大岡 航(株式会社Polyuse代表取締役)
    松下将士(株式会社Polyuse取締役CTO)
聞き手:茂木俊輔(ジャーナリスト)

〈前編/序章〉はこちら

建設用3Dプリンターの体感の機会を提供し、普及につなげる【建設業の未来インタビュー⑦ 後編/序章】

人とテクノロジーの「共存施工」を目指して

――建設用3Dプリンター開発の狙いの1つとして現場が抱える人手不足という課題への対応がある、と前編でお聞きしました。3Dプリンターを活用するメリットもやはり、まずはそこにあるのですか。


大岡 はい。人工(にんく)の削減という観点からメリットが生まれます。前編でご紹介した高知県安芸市内の国道改良工事の現場では建設用3Dプリンターで集水升2基を製作しました。この時は、施工人員で見ても施工日数で見ても在来工法に比べ半分程度で済んでいます。型枠組立やコンクリート打設の工程が不要になり、熟練工による作業も必要なくなるという点などが、その理由です。


発注者である国土交通省からも施工者である入交建設株式会社からも、人工の削減については高く評価していただけました。何より、また改めて挑戦してみたい、という気持ちになっていただけたのは、うれしい限りです。


株式会社Polyuse代表取締役の大岡航氏(左)と取締役CTOの松下将士氏株式会社Polyuse代表取締役の大岡航氏(左)と取締役CTOの松下将士氏


もちろん、作業員が不要になるわけではありません。必要な現場に再配置し、全体として生産性の向上を図れる、ということです。例えば、予定の時期までに確実に工事を完了させないといけない現場で工程に遅れが生じている場合、人のリソースを割く必要があります。


そこで、その現場に人を集中させるいっぽうで、ほかの現場は3Dプリンターのようなロボットに肩代わりさせようという発想です。あくまで共存であり、私たちは「人とテクノロジーの共存施工の実現」をミッションに掲げています。




挑戦心を持つ建設会社と連携したい

――「百聞は一見に如かず」と言われますが、自らの現場で実際に試してみることで、発注者や施工者の理解は変わってくるものですか。


大岡 変わってきますね。私たちとしては、土木や建築のプロフェッショナルの方々にぜひ試していただき、その使用感をフィードバックしてほしいと考えています。そうしたやり取りを積み重ねることで、建設用3Dプリンターの使い勝手は良くなっていくはずです。まずは一度、試してみようというマインドを持つ建設会社と連携を図っていきたいですね。


――建設用3Dプリンターの開発で起業しようとしていた当初は、海外と同様に住宅の領域を想定していたという話を前編でお聞きしました。海外ではやはり、3Dプリンターを住宅の領域で活用しているのでしょうか。


大岡 そうですね。日本に比べ普及していると思います。その理由として、背景の違いが2つあります。1つは、安価な住宅供給の必要性です。海外では住宅に困っている方が日本に比べ多いと認識しています。



★こちらは〈後編/序章〉です。全文をお読みになりたい方は無料の「レンサルティングマガジン会員」登録後にログインしてください。登録後には「建設業の未来インタビュー」収録動画もご視聴いただけます。

無料会員登録をする


※記事の情報は2022年8月3日時点のものです。

【PROFILE】
大岡 航(おおおか・わたる)
大岡 航(おおおか・わたる)
1994年生まれ、高知県出身。同志社大学政策学部卒。大学在学中にWeb/システム開発事業を中心としたIT会社を創業。現在まで、ベンチャー企業の創業4社に参画。同時に個人でも複数会社で経営参画し、多くの新規及び既存事業の立ち上げ・成長に従事。2019年に伊勢崎・岩本と株式会社Polyuseを共同創業。経営全般と広報及びマーケティングを担当。
松下 将士(まつした・まさし)
松下 将士(まつした・まさし)
1992年生まれ、神奈川県出身。明治大学理工学部卒。大学卒業後に本田技術研究所にて技師としてエンジン開発に従事。大学在籍時より、個人での開発も行っており、ハードウエアの設計、制御、組み込み設計・アプリケーション開発まで独自開発できるフルスタックエンジニア。株式会社Polyuseの創業後まもなくして参画。開発部門の統括を担当。
茂木 俊輔(もてぎ・しゅんすけ)
茂木 俊輔(もてぎ・しゅんすけ)
ジャーナリスト。1961年生まれ。85年に日経マグロウヒル社(現日経BP)入社。建築、不動産、住宅の専門雑誌の編集記者を経て、2003年からフリーランスで文筆業を開始。「日経クロステック」、「日経コンストラクション」などを中心に、都市・不動産・建設・住宅のほか、経済・経営やICT分野など、互いに関連するテーマを横断的に追いかけている。



〈ご参考までに...〉

オリジナル動画「建設業の未来インタビュー【7】」予告編をご視聴いただけます!

ページトップ