2023.12.20

あらゆる可能性にチャレンジ──山形ブロック〈支店探訪:東北支店 8 〉 アクティオ東北支店の紹介を2023年初頭から始め、これまでに宮城、福島、岩手、秋田を訪れ、各ブロックや営業所の取り組みなどをお伝えしてきた。今回は山形と青森の2県。まずは山形ブロックの山形営業所、山形工場で業務に邁進する4名のキーパーソンに話を聞いた。

あらゆる可能性にチャレンジ──山形ブロック〈支店探訪:東北支店 8 〉

新たな取引先としてイベントに着目

東北地方の日本海側に位置し、東京からおよそ300km。山形県といえば、全国生産量の7割を占める「さくらんぼ」、規格外の巨大鍋やバックホーを使った日本一の「芋煮会フェスティバル」などを思い浮かべる方も多いのではないだろうか。


アクティオ東北支店において、今、山形は勢いのあるブロックのひとつとして注目されている。より山形を盛り上げ、お客様の満足度を高めるため、腕利きの社員が山形ブロックに集められ、その成果が形になりつつある。今回は山形ブロックの渋谷憲人ブロック長、小関征子主査、山形営業所の安藤寛所長、山形工場の藤澤律士工場長にスポットを当て、その取り組みを紹介したい。


まずは渋谷ブロック長に山形ブロックの概要を聞いた。


渋谷「山形ブロックは、中心部の山形村山エリア、北の最上エリア、南の置賜(おきたま)エリア、日本海に面した庄内エリアの4つに分かれており、計8営業所あります。お客様の業種としては土木系がメインですね。内容は、道路や河川の公共工事、農業系、あとは冬季の除雪作業があります。庄内エリアは少し特殊で、海に面しているためプラント関係の仕事が多いです」


山形ブロックの渋谷憲人ブロック長山形ブロックの渋谷憲人ブロック長


渋谷ブロック長は山形県出身で、1993年、新卒でアクティオに入社。東京の羽田営業所に配属され、業務職*1としてスタートした。間もなく営業職に転属となり、現・通信計測部や東京支店の営業部、高輪営業所(当時)などで頭角を現し、20年ほど前に東北支店・仙台営業所へ。山形へ異動となるまで18年間、仙台で営業活動に邁進する。仙台では一時期、後に山形で再会することになる小関主査と机を並べていた。


*1 業務:機械の整備・修理や安全管理等を行う職種。


小関「私は工学部土木工学科を卒業後、アクティオに入社しました。父が土木関係の仕事をしていたので、なんとなく同じ道に進んだ感じです。東北支店で2年、その後、仙台営業所に異動になり、そこで渋谷ブロック長と一緒に仕事をしていました。結婚後、山形に引っ越し、寒河江出張所(当時)や山形営業所で事務として10年くらい働き、東北支店の管理部に異動。山形から仙台まで、高速バスで8年ほど通っていました。そして産休を経て2022年11月に復職し、山形ブロックの事務として再スタートを切りました」


山形ブロックの小関征子主査山形ブロックの小関征子主査


気心知れた二人が山形で再び、山形ブロックを牽引することになった。着任後間もない小関主査に渋谷ブロック長が持ちかけたのが、イベント営業だった。


渋谷「山形といえば、芋煮会! コロナも落ち着いたので、2023年あたりからイベント関係が活発になりました。これまで、そういったところに目を向けていなかったので、まずはどんなイベントが山形県内であるか、調べてみよう......と」


小関「ざっと検索しただけで、250件ありました。さてこれをどうしようかと考えていた時に、村山営業所の事務担当、今野主事が役所への周知活動をしていると聞き、さっそく同行させてもらいました。女性が営業に行くというのは東北ではあまり見ない光景です。私自身とても新鮮でした。ならば可能な限り1件1件回ってみようと。せっかく集めた情報は共有して、ブロック全体の取組みとして、イベント営業の輪を広げていこう!と考えました。今年の活動は種まきでしたが、全体で148件のご注文をいただきました。発電機、投光機、トイレといった商品ですね」


渋谷「今年はまず、どんな所でイベントがあって、どういった会社が絡んでいるとか、そういった調査を含めた中での営業だったので、フルの力は出し切れていないのですが、ベースとなるデータはだいたい取れたので、2024年からが本当の営業活動になると考えています」




35市町村と災害協定締結を目指す

イベント関係という新しいジャンルを開拓した山形ブロック。いっぽうで、メインとなる土木系の事業では、山形ブロックとして各営業所にどんな支援を行っているのだろうか?


渋谷「今アクティオでは、各地の地方自治体と直接災害協定を締結し、災害時に迅速かつ安定的な機材の供給ができるよう、その関係づくりを推進しています。山形県内には35市町村があり、私が赴任する前までは6つの自治体と災害協定を締結していましたが、全部の自治体と結ぼうと動きました」


山形ブロックの渋谷憲人ブロック長


小関「私と、もう1人ブロック付の営業担当がいるので、2人で全部回りました。 感触はだいぶ良くて、最初はピンときていない担当者の方にも、アクティオ本社が用意した提案書とともに、東日本大震災の時のアクティオの行動を交えながらご説明すると『もう少し詳しく教えてほしい』『今度は上司を紹介する』といった声をいただきました。私たちにとって身近な『災害』のことだからこそ提案したい。地域の皆様の安心・安全の架け橋となるといいですね。いま、2つの町役場と締結に向けて準備中です」


山形ブロックの小関征子主査
災害協定を突破口として、35市町村とパイプをつなぎ、日々の営業に生かしていく。災害時、アクティオが底力を発揮するのは先の震災で証明されたが、商品構成も強みだと渋谷ブロック長は話す。


渋谷「品数は豊富ですし、機械の品質も優れています。アクティオは集約工場を持っていますので、高い品質の機械を全国どこへでも出せる。あとはバックアップ体制ですね。災害時のみならず、もしも足りない機械があれば、全国から迅速に供給できる体制が整っています。お客様には、そういった安心も評価いただいていると自負しています」




山形営業所は新規分野の開拓も視野に営業強化

山形営業所は山形工場と同じ敷地にあるという新しいスタイルの店舗だ。ここに営業所長として2023年5月に赴任したのが安藤寛所長。安藤所長は、どんなアクティオ人生を歩んできたのだろうか?


安藤「アクティオには2005年に新卒で入社しました。まずは仙台営業所に配属になり、そこで5年。その後、東北支店の営業部に8年。再び仙台営業所に戻って2年、そこから宮城の大和営業所に1年。そして山形営業所といった感じですね」


山形営業所の安藤寛所長山形営業所の安藤寛所長


宮城で18年。初めて県外に出たわけだが、何か違いは感じているのだろうか?


安藤「宮城では建築メインでやってきたので、山形に来て土木は新鮮ですね。宮城では営業所にあまり大きい重機は在庫を置かず、注文が入ったら届けるというスタイルが一般的です。山形は営業所での在庫が豊富で、お客様が自ら機械を取りにいらっしゃるパターンが多いです。それだけに在庫を切らしてしまうとほかから手配しなければならないので、そのあたりの調整が難しいのですが、山形工場が併設されているため環境としては恵まれていると思います」


山形営業所は山形工場に併設された新しいスタイルの店舗だ。東北横断自動車道の山形北ICからも近く、アクセス良好山形営業所は山形工場に併設された新しいスタイルの店舗だ。東北横断自動車道の山形北ICからも近く、アクセス良好


山形営業所は山形ブロックの中で最も大きい営業所だ。営業は安藤所長を含めて3名、事務が2名、フロント*2が2名、業務が3名の総勢10名で日々の仕事に当たっている。


*2 フロント:お客様のご注文に対する最適な商品選定や効率的な運送管理、機械運用を主とする営業拠点の窓口。


安藤「とにかく案件の数が多いのも特徴で、この人数でよく業務を回していると思います。その秘密が、個々の能力の高さではないでしょうか。商品知識、またお客様ファーストという考え方が染みついています。今までにいろんな営業所を見てきましたが、お客様への対応力はどこにも引けを取らないですね」


赴任して半年。まだまだやるべきことは多いと安藤所長は語る。


安藤「いろいろな意味で体制が整いつつあります。保有している機材の整理、営業所内のフリーアドレス化など、ようやく終わりが見えてきました。これから年末にかけ、今まで取り引きがなかったお客様のもとへ挨拶にうかがいやすい時期です。2024年は営業を強化し、地域ナンバー1を目指します」


デスクをフリーアドレスにしたことで、コミュニケーションが密になったデスクをフリーアドレスにしたことで、コミュニケーションが密になった


山形のお客様は競合他社とのつながりも強く、その牙城を崩すのは並大抵ではない。何か秘策はあるのだろうか?


安藤「価格勝負では疲弊するため、アクティオの良さ、品質、組織力、総合力、安心・安全を武器に、新規獲得に邁進したいと思います。あとは近くに解体事業部のセンターもあるため、解体をはじめとして、林業や鉄道など価格競争があまり激しくない分野を開拓していきたいですね」


聞けば安藤所長、小関主査とは中学校の先輩後輩の関係とか。渋谷ブロック長や小関主査のバックアップを得つつ、お客様へのさらなるサービス拡充に邁進してもらいたい。


山形営業所の安藤寛所長




高い品質を確保するため山形工場を新設

山形営業所に入って敷地の奥側にあるのが山形工場だ。実は山形ブロックに工場ができたのは、2022年と最近だ。その山形工場を軌道に乗せるため赴任してきたのが藤澤律士工場長である。


藤澤「私は2006年の入社で、前職は自衛官でした。基地は北海道の恵庭で、戦車の整備を担当していました。任期2期満了後、アクティオに入社し、北海道支店の札幌工場(当時)、室蘭営業所を経て、地元福島に戻り、福島工場で2021年まで工場長代理をしていました。2022年、山形に異動になり、2023年4月から山形工場の工場長として勤務しています」


山形工場の藤澤律士工場長山形工場の藤澤律士工場長


まだ工場長になってから日が浅いが、感触はいかがだろうか?


藤澤「福島工場には業務が15名ほどいたので、かなりの数をこなせました。対して山形工場は少人数なので、できる範囲は限られています。やはり工場は完成台数を上げるのが使命なので、そこが果たせていないジレンマはあります。今は近隣の工場に支援を仰ぎながら対応しています。地理的に庄内エリアは秋田工場、置賜エリアは福島工場があり、また仙台の事業部から機械を持って来る際は、空荷で行くのではなく、整備前の機械をこちらから仙台工場に持って行くという運用をするなど、お客様をお待たせしないよう、組織力を十二分に活用しています」


山形工場は山形営業所の隣にある。手前側が山形工場のスペース、奥側は山形営業所の業務が使用している山形工場は山形営業所の隣にある。手前側が山形工場のスペース、奥側は山形営業所の業務が使用している


工場内にはシーズン品のジェットヒーターなどが並んでいた工場内にはシーズン品のジェットヒーターなどが並んでいた


山形は豪雪地帯で知られているが、機械が雪で傷みやすいといったことはあるのだろうか?


藤澤「これは融雪剤の影響かどうか分かりませんが、重機のボディーがさびやすいように思います。営業所の業務担当は、機械が戻ってきたら洗浄して、グリスアップして、特に問題がなければ次の現場に回します。もちろん、問題がある機械は工場に持ち込まれるのですが、山形工場ができた今は、問題への対応だけでなく、定期的に行うメンテナンスも含め、しっかりとアクティオ品質の機械をお客様にお届けできます」


整備した発電機は、定格出力に達しているか負荷をかけてチェック整備した発電機は、定格出力に達しているか負荷をかけてチェック


藤澤工場長は忙しい仕事の合間を縫って、労働安全衛生関係の講師を務めることもあるという。地域貢献という役目も担っているのだ。


山形工場の藤澤律士工場長


山形ブロックに集結した4名のキーパーソンは、これからの山形、これからの東北に欠かせない存在であると肌で感じた。今後の更なる活躍を大いに期待したい。


山形工場


※記事の情報は2023年12月20日時点のものです。


※2024年1月の組織改編に伴い「山形ブロック」は「山形支店」に、「支店」は「支社」に改編されています。


〈支店探訪:東北支店 9 〉へ続く

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